(タイトル変更予定あり)前世悪役令嬢だった私が前世の婚約者に溺愛されています

荷居人(にいと)

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3章悪役令嬢とそれぞれの出会い

3~姫視点~

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ようやく見つけた。見た瞬間私はすぐにわかった。私の罪、忘れてはいけない存在、忘れられない大切にしたかった存在を。

私には生まれたその時から罪を受け入れろとばかりに前世の記憶があった。きっとアイ様が望んだ生を、命を私はまた手にしてしまったのだと生まれたその時から絶望した。

健康な身体、丈夫な身体はそれこそアイ様が望んでいたはずのもので、手に入れていたならあそこまで自分を壊すようなやり方しなかっただろう。何故私なのだろう?何故私なんかがまた生まれてしまった?

アイ様の気持ちをいつでも伝えられたはずの私が何もできずひとりで死なせてしまった私が笑う資格も、泣く資格もない。新しい人生を楽しもうなんて無理な話だ。

あまりにも前世と理解できる記憶は昨日のことのようで周囲が心配しようと、笑わせようとするのがわかっていても愛想笑いすら私にはできない。できるはずもない。

言葉が話し出せたその時、今の私の双子の兄もまた同じように無であることに気がついた。私は今の前世の記憶がありながら生まれ直した命に混乱していて何も見えていなかったのだと理解する。

『ぜんせ、しってる?』

『!』

少しの間二人になったその時に問いかけたその言葉にやはり兄は反応した。

そして互いに告げた前世の名は決してただ知っているでは済まない名で、私はその名にひそかに安堵した。兄妹ならば、双子ならばと。

元ヒロイン・デスガは間違っても元コーカイ・ジンセーにもう一度恋をすることはない。私の最大の過ちはこの人に恋をしたこと。婚約者がいるとわかっていた。アイ様に会うまではこんな素敵な人がいるのに浮気なんて酷い人だと。

浮気が確定していないからこそコーカイ様は悩んでいたというのに。コーカイ様を悩ませている名の知らぬ婚約者に私は嫉妬していたのだ。

どうしようもない理由だというのに。それを知ろうともしなかった。

彼女と気づいたとたん彼女が気を失ってまた私はあの日と同じように何もできないまま彼女を失うのかと、心が冷えるようだった。彼女の近くにいる少年が咄嗟に抱えて運び出したので兄今はツグナイである彼と一緒についていこうとすれば少年から一言。

『そんな大勢で来られては迷惑です』

その言葉に私たちはまた前世と変わらず彼女のことを考えられていなかったことに胸が痛んだ。二人して着いてこないでほしいと言えば何故か全員青ざめた様子だったのは気分が悪かったけれど、今や愛想もない私たちは幼くとも人を怖がらせてしまうのかもしれない。王族の中では身分が低いといえど私たちは確かに王族。その身分もまた怖がらせる要因だろうか。

せめて彼女が目を覚ました時怖がられないことを祈るばかり。もし叶うなら今のアイと次こそ友達になりたいという想いが諦めきれないから。私はなんて我が儘なのだろうかと思わなくもない。だけど、前世のようにもう気持ちを隠して後悔はしたくないから私は私の想いを必ず伝えると誓う。例え前世の記憶がなくても今のアイに。まずは今の名を聞くことから始めて。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

只今真面目版作成中につき今日7月10日の更新はここまでになります!

たくさんの方の励みに仕事休憩中なのに泣きそうになりました。この作品をものすごく愛せます。これからもがんばりますので応援よろしくお願いいたします!

名前普通派読者様は今日、明日励むためしばしお待ちを!作者ネーミング派もまた真面目版は雰囲気変わるかと思うので公開後それはそれで楽しんでいただけたらと思います!

by復活作者
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