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六月限定公開父の日編~限定理由はもうおわかりですね?~
6月30日まで公開!
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「………」
ちらっと魔王を見てはもじもじとするミーア。
「………」
そしてミーアが何か言うまで待ってあげる魔王。ちなみにこの状態はかれこれ2時間経過していたりする。実のところちらっと見てはもじもじするミーアが可愛いがために魔王は何も言わないわけだが……そこはもはや何も言うまい。
「あ、あの、ね」
「どうした?」
そしてようやく決心した様子でミーアが声を出す。思わず優しく問いかける魔王はもはやミーア限定の反射的なものである。しかし、その優しさによってミーアは勇気が出た。
「ぱぱって……よんでいい?」
「ぱ……ぱ」
「ぱぱって……よんでいい?」
1カメ
「ぱぱって……よんでいい?」
2カメ
「ぱぱって……よんでいい?」
3カメ
《久々にいい仕事した!》
なんかカメラを大量に持った変なくまがいたが、これは無視しましょう。
「だ、だめ……?」
「す、好きにしろ……」
話を戻すとして、ミーアの突然の発言に固まった魔王に不安になったミーアが不安そうに目を潤ませて首を傾げれば魔王ノックアウト!………ではなく、断れるはずもなく許可を出す。
「えへへ……あのね、ぱぱ……きょうね、ちちのひ、なんだよ」
「父の日……?人間の行事か」
「わ、わたしのおとうさんは……わたし、きらいだから……だからね」
「……ミーア、俺はお前を嫌いになった覚えはないが?」
「あ……うん!」
自分で言って気持ちを沈ませていく魔王はミーアを軽々と抱き上げて自分がミーアの父だと父親面……いや、パパに成りきってミーアを励ますかのように言葉を紡ぐ。
そんな言葉にはっとしたミーアは次第に嬉しさが込み上げて笑顔を見せる。そんなミーアに内心ほっとしながらも抱き上げた時点で離す気のない魔王はそのままミーアを抱っこしたままパチンとひとり椅子を出しては座り、ミーアを膝に乗せた。
「で?父の日とは何をするんだ?」
そして話の話題にあがっていた父の日のことを聞けばそうだったとばかりにミーアがポケットから何やら取り出す。
「あのね、これ、かいたの……ぱぱにね、あげる」
「これは……」
それはメッセージカードと言える代物。そこには……
『まおうぱぱ だいすき いつもありがとう』
と拙いながらも一生懸命書いたとわかるそれに魔王は思わず片手で目元を覆い、天井を仰いだ。
「ぱぱ?」
「………」
「い、いやだった?」
「それはない」
魔王の心情はともかく、ミーアが不安そうに言えば即座に否定する辺りミーアを無視する気はなかったと言える。そしていつもの魔王の表情に戻ってはメッセージカードを大事そうに懐へ入れた。
「よかった……ふふ、ぱぱ、だいすき」
「……そうか…………そうか」
こうしてその日のことは魔王にとって生涯忘れられぬ日となった。翌日パパ呼びでなくなったことを魔王は内心酷く落ち込んだそうだが、翌年父の日にまたパパと呼ばれたことで毎年父の日を楽しみにするようになった魔王がいたとかいないとか。
そんなわけでおしまい!
本編が一向に進まなくてごめんなさい!
ちらっと魔王を見てはもじもじとするミーア。
「………」
そしてミーアが何か言うまで待ってあげる魔王。ちなみにこの状態はかれこれ2時間経過していたりする。実のところちらっと見てはもじもじするミーアが可愛いがために魔王は何も言わないわけだが……そこはもはや何も言うまい。
「あ、あの、ね」
「どうした?」
そしてようやく決心した様子でミーアが声を出す。思わず優しく問いかける魔王はもはやミーア限定の反射的なものである。しかし、その優しさによってミーアは勇気が出た。
「ぱぱって……よんでいい?」
「ぱ……ぱ」
「ぱぱって……よんでいい?」
1カメ
「ぱぱって……よんでいい?」
2カメ
「ぱぱって……よんでいい?」
3カメ
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なんかカメラを大量に持った変なくまがいたが、これは無視しましょう。
「だ、だめ……?」
「す、好きにしろ……」
話を戻すとして、ミーアの突然の発言に固まった魔王に不安になったミーアが不安そうに目を潤ませて首を傾げれば魔王ノックアウト!………ではなく、断れるはずもなく許可を出す。
「えへへ……あのね、ぱぱ……きょうね、ちちのひ、なんだよ」
「父の日……?人間の行事か」
「わ、わたしのおとうさんは……わたし、きらいだから……だからね」
「……ミーア、俺はお前を嫌いになった覚えはないが?」
「あ……うん!」
自分で言って気持ちを沈ませていく魔王はミーアを軽々と抱き上げて自分がミーアの父だと父親面……いや、パパに成りきってミーアを励ますかのように言葉を紡ぐ。
そんな言葉にはっとしたミーアは次第に嬉しさが込み上げて笑顔を見せる。そんなミーアに内心ほっとしながらも抱き上げた時点で離す気のない魔王はそのままミーアを抱っこしたままパチンとひとり椅子を出しては座り、ミーアを膝に乗せた。
「で?父の日とは何をするんだ?」
そして話の話題にあがっていた父の日のことを聞けばそうだったとばかりにミーアがポケットから何やら取り出す。
「あのね、これ、かいたの……ぱぱにね、あげる」
「これは……」
それはメッセージカードと言える代物。そこには……
『まおうぱぱ だいすき いつもありがとう』
と拙いながらも一生懸命書いたとわかるそれに魔王は思わず片手で目元を覆い、天井を仰いだ。
「ぱぱ?」
「………」
「い、いやだった?」
「それはない」
魔王の心情はともかく、ミーアが不安そうに言えば即座に否定する辺りミーアを無視する気はなかったと言える。そしていつもの魔王の表情に戻ってはメッセージカードを大事そうに懐へ入れた。
「よかった……ふふ、ぱぱ、だいすき」
「……そうか…………そうか」
こうしてその日のことは魔王にとって生涯忘れられぬ日となった。翌日パパ呼びでなくなったことを魔王は内心酷く落ち込んだそうだが、翌年父の日にまたパパと呼ばれたことで毎年父の日を楽しみにするようになった魔王がいたとかいないとか。
そんなわけでおしまい!
本編が一向に進まなくてごめんなさい!
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