20 / 51
3章
夫婦生活の恋の宿敵4
しおりを挟む
「なんでそれがわかって強要したの?振り向く可能性皆無の中、わざわざ傷つけにいけと言っているようなものだよ、これは。好きな人に拒否られるのってきっと物凄く辛いこと。拒否したのは自分のためでもあったことに気づいてる?好きな人が自分のせいで嫌な思いをするのは誰だって嫌に決まってる。それを無視する人もいるけど、元婚約者さんは本当に時雨さんが好きだから理由をつけて拒否し続けた。当て馬が嫌なんじゃない。時雨さんが嫌がるようなことをしたくなかったんだよ、彼女は。なのに美世ちゃんは強要したから踏みにじる行為だと私は言ったの」
きつくなった目の中には睨みもあってか、怒りがちらついているのがわかる。ここまで瑠璃を怒らすようなことを私はしてしまったということだろうか。でもそんな気持ち、私は知らない。
「恋をしたら、相手の傍にいたいものじゃないの?」
だから当て馬の時間だけでも一緒にいられるならいいじゃないかと思った。
「いたいけど、叶わないこともある。だからヤケになる人もいれば、相手を想って身を引くこともあるんだよ」
「振られるのはそんなに辛いこと?」
一度あれば二度も変わらない。慣れてしまうものだと思っていた。
「何度されても辛いと思う。恋はただ、私が美世ちゃんを友人として好意を抱くようなものとは違うから。」
「ごめんなさい、わからないわ」
理解が、できない。その気持ちに。
「美世ちゃんが人の気持ちがわからないことなんてよくあることじゃん。恋に必死になるのはいいけど、それで他人を巻き込むのは違うよ。時雨さんにも好きな気持ちを利用して嫌な思いさせるのはよくないと思う。」
素直に謝ったためか、いつもの瑠璃が戻ってくる。それでも言い聞かせるような言葉はなくならない。
「私は・・・時雨に同じじゃなくても愛を少しでも返したくて・・・でも、私はわからないから・・・」
そう言ったとたん、胸が締め付けられるように痛んだ気がしたが、すぐに消えた。
恋すら知らない私に愛を知る術はない。だからわかりやすく時雨の言っていたヤキモチを妬くような出来事でもあればなんて思ってしまったからこそ、二人に今回のことを強要させた。
瑠璃の言葉は理解できない。あえて言えば悪いことをしたのだということはわかった。
私は屑だと理解しながら、問い詰められた瞬間これだ。本当の人の気持ちの深い部分を理解していなかった。瑠璃に言われなければ恐らく今だ理解できない私はこんなに素直に悪いことをしたと認めず続けただろうと思う。
「美世ちゃん、焦らないで。恋ってするものじゃなくて落ちるものなんだよ?意識してなるものじゃないの」
「落ちる・・・」
そんな私を励ますようにする瑠璃は、いつも私に感情を教えてくれようとする。誰もが冷たいと、人の気持ちに疎い私から離れていったのに、この友人だけは。
「それに時雨さんの好きな気持ちを利用してって私が言った返事に、恋を知りたかったからじゃなく、時雨さんに愛を返したいと言えた時点で、もう既に落ちかかってるんじゃないかな?」
どこまでも私に希望をくれる。
「それ言った時の美世ちゃん、苦しそうにしてたよ」
「恋は苦しいの?」
「恋って難しいの。私、まだ経験ないからえらそうなこと言えないけどね!」
そう言った瑠璃は、眩しいくらいの笑顔で沈んだ姿の私に言った。
きつくなった目の中には睨みもあってか、怒りがちらついているのがわかる。ここまで瑠璃を怒らすようなことを私はしてしまったということだろうか。でもそんな気持ち、私は知らない。
「恋をしたら、相手の傍にいたいものじゃないの?」
だから当て馬の時間だけでも一緒にいられるならいいじゃないかと思った。
「いたいけど、叶わないこともある。だからヤケになる人もいれば、相手を想って身を引くこともあるんだよ」
「振られるのはそんなに辛いこと?」
一度あれば二度も変わらない。慣れてしまうものだと思っていた。
「何度されても辛いと思う。恋はただ、私が美世ちゃんを友人として好意を抱くようなものとは違うから。」
「ごめんなさい、わからないわ」
理解が、できない。その気持ちに。
「美世ちゃんが人の気持ちがわからないことなんてよくあることじゃん。恋に必死になるのはいいけど、それで他人を巻き込むのは違うよ。時雨さんにも好きな気持ちを利用して嫌な思いさせるのはよくないと思う。」
素直に謝ったためか、いつもの瑠璃が戻ってくる。それでも言い聞かせるような言葉はなくならない。
「私は・・・時雨に同じじゃなくても愛を少しでも返したくて・・・でも、私はわからないから・・・」
そう言ったとたん、胸が締め付けられるように痛んだ気がしたが、すぐに消えた。
恋すら知らない私に愛を知る術はない。だからわかりやすく時雨の言っていたヤキモチを妬くような出来事でもあればなんて思ってしまったからこそ、二人に今回のことを強要させた。
瑠璃の言葉は理解できない。あえて言えば悪いことをしたのだということはわかった。
私は屑だと理解しながら、問い詰められた瞬間これだ。本当の人の気持ちの深い部分を理解していなかった。瑠璃に言われなければ恐らく今だ理解できない私はこんなに素直に悪いことをしたと認めず続けただろうと思う。
「美世ちゃん、焦らないで。恋ってするものじゃなくて落ちるものなんだよ?意識してなるものじゃないの」
「落ちる・・・」
そんな私を励ますようにする瑠璃は、いつも私に感情を教えてくれようとする。誰もが冷たいと、人の気持ちに疎い私から離れていったのに、この友人だけは。
「それに時雨さんの好きな気持ちを利用してって私が言った返事に、恋を知りたかったからじゃなく、時雨さんに愛を返したいと言えた時点で、もう既に落ちかかってるんじゃないかな?」
どこまでも私に希望をくれる。
「それ言った時の美世ちゃん、苦しそうにしてたよ」
「恋は苦しいの?」
「恋って難しいの。私、まだ経験ないからえらそうなこと言えないけどね!」
そう言った瑠璃は、眩しいくらいの笑顔で沈んだ姿の私に言った。
0
あなたにおすすめの小説
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
夫が運命の番と出会いました
重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
優しい雨が降る夜は
葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン
無自覚にモテる地味子に
余裕もなく翻弄されるイケメン
二人の恋は一筋縄ではいかなくて……
雨降る夜に心に届いた
優しい恋の物語
⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡
風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格
雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
《完結》金貨5000枚で売られた王太子妃
ぜらちん黒糖
恋愛
「愛している。必ず迎えに行くから待っていてくれ」
甘い言葉を信じて、隣国へ「人質」となった王太子妃イザベラ。
旅立ちの前の晩、二人は愛し合い、イザベラのお腹には新しい命が宿った。すぐに夫に知らせた イザベラだったが、夫から届いた返信は、信じられない内容だった。
「それは本当に私の子供なのか?」
英雄の可愛い幼馴染は、彼の真っ黒な本性を知らない
百門一新
恋愛
男の子の恰好で走り回る元気な平民の少女、ティーゼには、見目麗しい完璧な幼馴染がいる。彼は幼少の頃、ティーゼが女の子だと知らず、怪我をしてしまった事で責任を感じている優しすぎる少し年上の幼馴染だ――と、ティーゼ自身はずっと思っていた。
幼馴染が半魔族の王を倒して、英雄として戻って来た。彼が旅に出て戻って来た目的も知らぬまま、ティーゼは心配症な幼馴染離れをしようと考えていたのだが、……ついでとばかりに引き受けた仕事の先で、彼女は、恋に悩む優しい魔王と、ちっとも優しくないその宰相に巻き込まれました。
※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しています。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる