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5章
夫婦生活の喧嘩大騒動1
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「時雨ばかりずるいわ」
「けど、理由は話したよ?限定的ならと条件はつくけど許したじゃないか!」
「私は全部許しているわ!」
「僕だって許したいけど、そうもいかないんだ!」
あの心臓が壊れそうだった日から一ヶ月も過ぎた。そんな今、見た通りに喧嘩中。これを説明する前に少しお話を。
あの日以来時雨は時々ソファで寝る。離れるのがいい気もせず、一緒に寝てはみても互いに寝不足になるからだ。
眠いはずなのに落ち着かず、目が冴えてしまう。会話もままならず、結局友人二人に相談にも乗ってもらい、話し合う機会であったあの日も無駄にしてしまった。私は確かにあの日逃げてしまったのを自覚している。
あのまましっかり話していれば違う結果だっただろうかと思うそんな日々に私は何だか重苦しく感じてきていた。
私は私自身に何が起こっているのかもわからなければ、時雨があの日私を抱き締めながら何を話すつもりだったのか、逃げたようにお風呂へ行ってひとりで寝たことに何を思ったのか、今彼は何を考えているのか、思うことは時雨ばかりで、ただ募るばかりの時雨しか考えないそれが重く感じてきたのだ。
それを軽くしたくて考えたのがわからないならわかる努力をすること。そしてその見本が時雨だった。なんせ、時雨は私をストーカーし、全部ではなくても、私を理解しているナンバーワン。なら、私も同じことをすればわかるかもしれない。
そう思い久方ぶりに思いきって時雨に頼みごと。
『私も貴方を監視したいわ』
そう言ったら仕事以外ならば可能とのこと。意味がないのだ。仕事以外では。
なんせ、仕事がなければ今の状況でもお風呂と別に寝る時以外絶対的に一緒にいるのだから。どんなに気まずかろうと一緒にいる姿勢はさすがだなと思う。私なら距離をとっていただろう。意味のわからない感情から逃げるために。
それが嫌に思えないのがなんとも言えないのだけれど。まあ、それはそれなわけで、つまりはどうしても私と一緒にいられない仕事風景を見たいのに許してもらえないことが今の現状で、初めての喧嘩かもしれない。
結愛との時以上に時雨が拒絶するからつい私の本来の自分の意見を通そうとしてしまう癖が出てしまって、余計に喧嘩を発展させてしまっているのを理解しながらも、止められない。
時雨はわかるように言ってくれた。仕事内容は時に機密にもなるから下手に監視されて外に漏れることがあると困るという言い分は。会話は瑠璃と結愛くらいしかしないけれど、それでも何かの拍子で思わぬ機密を漏らして聞かれてはならない人が聞いてしまうかもしれない。
意地になることでもないし、時雨を困らせているのが私にだってわかる。これじゃあ、結愛との時と同じ二の舞になってしまう。
理解しているのに言葉が勝手に出てきて時雨の怒鳴り声も大きくなっていく。だめ、止まれと思うのに今までの私が染み付いて言葉が止まらない。
「時雨なんて・・・っ!」
「美世!」
これは言っては一番だめな言葉。そう思い、思わず出そうになったその言葉は、ようやく止め方を思い付いたかのように、両手で口を塞ぐ。どうしていいかわからず混乱した私はまた逃げた。
時雨が私を怒鳴ってか、焦るようにか、どちらとも言えない声で私を呼ぶも、これ以上何を言ってしまうかわからない私は家を出て走る。ジャージだから動きやすいものの、靴も履かず出て行ったものだから、足が痛い。
でも、それよりも思わず言ってしまいかけた言葉に涙した。
『大嫌い!』
この両手が口を塞がなければ出ていた言葉。時雨の今までの好意の言葉を否定する言葉だ。
言ってはいない。言ってはいないけど、勢いに任せて言いそうになった自分が嫌で嫌でたまらなかった。
「けど、理由は話したよ?限定的ならと条件はつくけど許したじゃないか!」
「私は全部許しているわ!」
「僕だって許したいけど、そうもいかないんだ!」
あの心臓が壊れそうだった日から一ヶ月も過ぎた。そんな今、見た通りに喧嘩中。これを説明する前に少しお話を。
あの日以来時雨は時々ソファで寝る。離れるのがいい気もせず、一緒に寝てはみても互いに寝不足になるからだ。
眠いはずなのに落ち着かず、目が冴えてしまう。会話もままならず、結局友人二人に相談にも乗ってもらい、話し合う機会であったあの日も無駄にしてしまった。私は確かにあの日逃げてしまったのを自覚している。
あのまましっかり話していれば違う結果だっただろうかと思うそんな日々に私は何だか重苦しく感じてきていた。
私は私自身に何が起こっているのかもわからなければ、時雨があの日私を抱き締めながら何を話すつもりだったのか、逃げたようにお風呂へ行ってひとりで寝たことに何を思ったのか、今彼は何を考えているのか、思うことは時雨ばかりで、ただ募るばかりの時雨しか考えないそれが重く感じてきたのだ。
それを軽くしたくて考えたのがわからないならわかる努力をすること。そしてその見本が時雨だった。なんせ、時雨は私をストーカーし、全部ではなくても、私を理解しているナンバーワン。なら、私も同じことをすればわかるかもしれない。
そう思い久方ぶりに思いきって時雨に頼みごと。
『私も貴方を監視したいわ』
そう言ったら仕事以外ならば可能とのこと。意味がないのだ。仕事以外では。
なんせ、仕事がなければ今の状況でもお風呂と別に寝る時以外絶対的に一緒にいるのだから。どんなに気まずかろうと一緒にいる姿勢はさすがだなと思う。私なら距離をとっていただろう。意味のわからない感情から逃げるために。
それが嫌に思えないのがなんとも言えないのだけれど。まあ、それはそれなわけで、つまりはどうしても私と一緒にいられない仕事風景を見たいのに許してもらえないことが今の現状で、初めての喧嘩かもしれない。
結愛との時以上に時雨が拒絶するからつい私の本来の自分の意見を通そうとしてしまう癖が出てしまって、余計に喧嘩を発展させてしまっているのを理解しながらも、止められない。
時雨はわかるように言ってくれた。仕事内容は時に機密にもなるから下手に監視されて外に漏れることがあると困るという言い分は。会話は瑠璃と結愛くらいしかしないけれど、それでも何かの拍子で思わぬ機密を漏らして聞かれてはならない人が聞いてしまうかもしれない。
意地になることでもないし、時雨を困らせているのが私にだってわかる。これじゃあ、結愛との時と同じ二の舞になってしまう。
理解しているのに言葉が勝手に出てきて時雨の怒鳴り声も大きくなっていく。だめ、止まれと思うのに今までの私が染み付いて言葉が止まらない。
「時雨なんて・・・っ!」
「美世!」
これは言っては一番だめな言葉。そう思い、思わず出そうになったその言葉は、ようやく止め方を思い付いたかのように、両手で口を塞ぐ。どうしていいかわからず混乱した私はまた逃げた。
時雨が私を怒鳴ってか、焦るようにか、どちらとも言えない声で私を呼ぶも、これ以上何を言ってしまうかわからない私は家を出て走る。ジャージだから動きやすいものの、靴も履かず出て行ったものだから、足が痛い。
でも、それよりも思わず言ってしまいかけた言葉に涙した。
『大嫌い!』
この両手が口を塞がなければ出ていた言葉。時雨の今までの好意の言葉を否定する言葉だ。
言ってはいない。言ってはいないけど、勢いに任せて言いそうになった自分が嫌で嫌でたまらなかった。
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