転生百景

萩原穂

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かつては、原始生命が生を生み出したのはメタンやアンモニアにあふれていた大気だという説が有力視されていた。一九五三年、ハロルド・ユーリーとスタンリー・ミラーは、メタン・水素・アンモニアからなる気体に放電を行ない、アミノ酸などの高分子が生成されることを示した。原始地球の大気は実際には全く異なっていたことが後にわかったため、地球生命の起源ではないが、宇宙のどこかにはきっとこのような大気から生命が誕生した星も存在するだろう。とはいえ人間にとってはメタンもアンモニアも毒である。
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