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番外編
頑張る雑魚キャラ
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昼食のために食堂に向かう途中、窓の外に視線を向けるとそこには訓練場があった。窓から見える光景を見て私は思わず呟いた。
「こうして見ると、魔族って色んな種類がいるのね…」
「言われてみればそうですね」
私の呟きに対して隣にいたアウルが答えた。
「我々はあの訓練場で日々鍛錬を重ねているのです」
訓練場の一画に設けられたプロレスリング。そこでは筋肉モリモリのミノタウロスとサイクロプスがスパーリングを繰り広げていた。その近くにある鉄棒ではゴブリンとスケルトンが懸垂をしている。こういった訓練で人間との戦いに備えているわけね。
「でも、ああいうのは役に立つの?」
私が指さした方向にはスライムや大ねずみがいた。彼らはのそのそとランニングに励んでいる。こう言ってはひどいかもしれないが、ああいうのはRPGでいうところの雑魚キャラだ。序盤の冒険者の経験値になるのがオチではないだろうか。
「人間から見ればそう見えるかもしれません。しかし、彼らも立派な戦力として貢献していますよ」
私の疑問に答えるようにアウルは説明を始めた。
「最近の冒険者はああいう弱小な魔物は逆に相手しません。大した素材も所有していませんし、報酬もほとんどありません。相手するだけ時間の無駄です」
「…ひどい言われようね…」
雑魚とはいえ仲間にもけっこうボロクソに言うのねこの鳥。まぁ、RPGでもレベルが上がったらああいう雑魚は魔法を使ってでも無視するもんね。
「逆に言えば彼らは冒険者に狙われない。そこを利用します」
「利用?」
「冒険者が目もくれないということはその分隠密活動がしやすいということ。その隙をついて屋外に落ちている冒険者に有用なアイテムの奪取や破壊を行います」
なるほど、そういう手もあるのね。
「他にも案内用の看板の破壊や停車中の馬車の車輪の破壊などの妨害活動を行っています」
「地味ながら厄介な活動ね…」
やられる側にとってはたまったもんじゃないわね。
「とまぁこんな感じで個人個人の能力に合わせた任務を魔王様があてがって下さるのです」
「魔王があてがってんの?」
意外と部下のこと考えているのねアイツ。まぁ、実力に差のある冒険者に特攻同然にぶつけられるよりはるかにマシね。
「あそこにいる彼をご覧ください」
私が考え事をしている途中、アウルが訓練場の端の方を指さした。そこには赤色のスライムがスクワットらしき動作をしていた。なんか三倍の速さで走りそう。
「彼はそういった任務を重ね、幾多のアイテムの奪取や破壊に成功し、同任務遂行者の中では業績トップを記録。今や給料も二倍となっております」
「二倍?めっちゃもらってんじゃん!」
「しかし彼は元々質素な生活スタイルゆえ、大金もらっても使い道がないと困っているそうです」
「だめじゃん!」
「その結果、冒険者から命は狙われないけど同期や怪しい商人からお金を狙われるようになったそうです」
「なにそのラノベのタイトルみたいな展開…」
「こうして見ると、魔族って色んな種類がいるのね…」
「言われてみればそうですね」
私の呟きに対して隣にいたアウルが答えた。
「我々はあの訓練場で日々鍛錬を重ねているのです」
訓練場の一画に設けられたプロレスリング。そこでは筋肉モリモリのミノタウロスとサイクロプスがスパーリングを繰り広げていた。その近くにある鉄棒ではゴブリンとスケルトンが懸垂をしている。こういった訓練で人間との戦いに備えているわけね。
「でも、ああいうのは役に立つの?」
私が指さした方向にはスライムや大ねずみがいた。彼らはのそのそとランニングに励んでいる。こう言ってはひどいかもしれないが、ああいうのはRPGでいうところの雑魚キャラだ。序盤の冒険者の経験値になるのがオチではないだろうか。
「人間から見ればそう見えるかもしれません。しかし、彼らも立派な戦力として貢献していますよ」
私の疑問に答えるようにアウルは説明を始めた。
「最近の冒険者はああいう弱小な魔物は逆に相手しません。大した素材も所有していませんし、報酬もほとんどありません。相手するだけ時間の無駄です」
「…ひどい言われようね…」
雑魚とはいえ仲間にもけっこうボロクソに言うのねこの鳥。まぁ、RPGでもレベルが上がったらああいう雑魚は魔法を使ってでも無視するもんね。
「逆に言えば彼らは冒険者に狙われない。そこを利用します」
「利用?」
「冒険者が目もくれないということはその分隠密活動がしやすいということ。その隙をついて屋外に落ちている冒険者に有用なアイテムの奪取や破壊を行います」
なるほど、そういう手もあるのね。
「他にも案内用の看板の破壊や停車中の馬車の車輪の破壊などの妨害活動を行っています」
「地味ながら厄介な活動ね…」
やられる側にとってはたまったもんじゃないわね。
「とまぁこんな感じで個人個人の能力に合わせた任務を魔王様があてがって下さるのです」
「魔王があてがってんの?」
意外と部下のこと考えているのねアイツ。まぁ、実力に差のある冒険者に特攻同然にぶつけられるよりはるかにマシね。
「あそこにいる彼をご覧ください」
私が考え事をしている途中、アウルが訓練場の端の方を指さした。そこには赤色のスライムがスクワットらしき動作をしていた。なんか三倍の速さで走りそう。
「彼はそういった任務を重ね、幾多のアイテムの奪取や破壊に成功し、同任務遂行者の中では業績トップを記録。今や給料も二倍となっております」
「二倍?めっちゃもらってんじゃん!」
「しかし彼は元々質素な生活スタイルゆえ、大金もらっても使い道がないと困っているそうです」
「だめじゃん!」
「その結果、冒険者から命は狙われないけど同期や怪しい商人からお金を狙われるようになったそうです」
「なにそのラノベのタイトルみたいな展開…」
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