〜トラウマを乗り越え進化する〜出来損ない人間

雷川 ヤスケ

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宗善の第三章 シンプルライフから外れた世界

道から外れたからこその経験

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7ヶ月経過

俺は今、刺繍をやっている

刺繍でなんか花の模様をしている飾り物、
ハンドメイド作品を作っている……なぜか?

他には、音楽の授業が週4もあったり
音楽とは別で、お琴を演奏したり
木材を削るところから椅子を作ったり
あとは、1500mを陸上部並みに
バスケットボールをバスケ部並みに
やらされる

不思議だ!

意外と居心地がいい

小学生の時は、家が借金してたから、明日を生きるために我慢することが、色々あったのだが

ここでは、我慢していた、ほとんどの事ができる

スパルタ先生の元で
みっちりしごかれるのだが…

まぁ何にしても順調といってもいいんじゃないか?

少なくともあの、周りの大人から、
罵詈雑言と暴力を振るわれるよりは全然良い

実はこの学級、厳しすぎる事がかなり有名らしく、通常の学級にいる生徒すら恐れられるほどだと聞いている

不思議な感じだ

周りが恐れている環境をこの俺はすんなり受け入れてしまっている

周りの人は、ほとんど避けて通る道なのに
俺はこの道を歩んでいる…

普通とは違う、レールから外れたこの生活

◆◇◆◇◆◇

一応クラスには俺以上の障害者もいる
同級生で自閉症を抱えている石井くん
俺よりも身長がある人だ

この人はうまく言葉が喋れないそれに自分をコントロールできないようだ

もちろん、スパルタ先生方は石井くんに手を焼きまくる

「おい!」

1年生の担任、古市先生が俺に話かける

「これからちょっと出てくるから、石井の面倒、見てやってくれ」

「はい……」(不安だ)

俺は相変わらず
この学級でも、話せないでいる

やっぱり、人と話すのは怖いのだ…

その辺に関しては俺も石井くんと同類だな

だとしても、やっぱり不安だ…

石井くんは周りが見えなくなると、何かしら強く握る、という動作をする
そのせいか握力がとんでもなく強い
格闘技を長年やっている人と同等なのだ!

先生方は石井くんに手を焼いているのは、
わかっている
俺も一回、思いっきり肩を強く握られた事があるから……
確かに痛かったのだ!

しかし!、俺と2人っきりになった瞬間……

「へへへ」

《ずっと笑ってる》


先輩や他の同級生がなんとかしようと話しかけたりするのだが
大体すぐに暴走してしまうのだが…

なぜだ?
なぜ俺といる時はいつもニコニコしてるんだ?

俺が何もしないからか?

違うな……

《俺も君と同じだから》…かな…

そうだったな

この学級にある時点で俺も石井くんも
《同じだった》


だから何?て話だけどね(笑)

とりあえず、演奏の練習を石井と2人きりでやる

あ、石井くんが音を外した

面倒みろって言われたからな~
でも、指摘すると、不機嫌になるからな~~
まぁ、やるしかないか!

「石井くん
そこは、こうゆうふうにすれば
上手くいくよ」

「へへへへ」

通じてるのか?

そう思い、もういっかい、やってみる

あ!!
上手くできた

少し指摘しただけなのに…

言葉もちゃんと理解できてる…
ひょっとして、この人、
教えれば普通にできるんじゃ……

そう思い、俺は慣れない指導で石井くんに
演奏を教える…
意外だ!

何が意外って、
他のクラスメイトが教えても、
不機嫌になるだけであまり進歩しないのだ

そいえば、毎朝やっている
1500mの最初のはなんだかんだって
1年生の中だけだと石井くんが先頭走ってたな

楽器を使った演奏も覚えるのは早い方だ

あれ?この人、言葉が上手く喋れないだけで
本当は何やっても器用にできてしまうのでは?

あ~~~

俺は障害に対して何か誤解をしていたようだ

短い時間だったとはいえ、関わってみると初めて分かる事実

石井くんは今、今、どんな感情なのだろう?

もう少し、理解できるようになりたい

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