3 / 3
デート?いいえ、恋敵です2
しおりを挟む.+゚*。:゚+◆─∞─◇.+゚*。:゚+◆─∞─◇.+
花園に戻ると赤髪の少年は居なくなっていた。
レオンは席に戻っているエリナを見つけ駆け寄る。
「彼はどうしたんですか?」
「私と婚約破棄する事を報告しに帰られましたわ」
「…はっ?」
何故そうなったのか…。
婚約破棄の話をされて悲しむどころか喜んでいる彼女にレオンは嫌な予感がした。
「その予感は当たっているかと」
「っ……!」
「焦るなんて…その子に惚れてしまったような顔……やだ、そうなんですの?」
エリナとの婚約破棄をお願いしに行ったという事は、きっと自分に刃向かった彼女に惚れたのであろう。
焦るレオン。
先程追い掛けた時にしっかりみた彼女の姿は綺麗だった。
陽の光を浴びてキラキラと煌めく白く綺麗な長髪。
そして白い肌に苺のように赤い小さな唇。
彼女の小さな体に合わせられた淡いピンク色のワンピースが良く似合っていた。
「彼女、とてもお可愛らしい顔立ちでしたわね…私気に入ってしまいましたわ」
招待名簿を確認しなければと話すエリナに、レオンは口を固く閉じた。
安易に心を開いて話してはいけないと知っているからだ。
テーブルに置いていた書物を手に取ると、レオンは足早にその場を立ち去った。
「…負けませんわよ…クスッ…」
エリナが背に向けてにやりと笑った事をレオンは知る由もなかった──。
.+゚*。:゚+◆─∞─◇.+゚*。:゚+◆─∞─◇.+
(まぁ、その後も大変でしたが…一番の誤算は、サラに俺とエリナの仲を勘違いされている事ですね…)
ふぅー。と小さく溜め息を付いたレオンは、少し離れた茂みから時々見え隠れする小さな白い頭を見つけた。
静かに立ち上がるとそのまま茂みへと向かう。
─ガサッ。
「レオン様っ!?どうしてここがっ!」
「おや、こんな場所で何をしているのですか?」
「えっ!?えと…その……あ!ひ、日向ぼっこを少ししようかなと場所探しを…していまして……」
突然現れたレオンに慌てふためくサラに目を細め小さく笑みを浮かべる。
レオンはそのまま茂みの中へと入ると、サラの座る隣に自身も腰を落とした。
「あのー…レオン様…エリナ様がお待ちでは…?」
「何故俺がエリナと居る事をご存知なんですか?」
「え……っと、その、後ろに……」
「私を置いて行くなんて酷いですわ」
後ろから掛けられた言葉にレオンがサラに聞こえない程小さく舌打ちをした。
そんな事お構いなしにレオンを突き飛ばす形で間に入ったエリナ。
ちゃっかりサラの隣をGETし悪い笑みをレオンに向けた。
(ぐっ…!)
サラが居なければ今すぐにでも嫌味の一つでも言っただろう。
しかし、サラの前で本性を出すわけにもいかずぐっと堪えるレオン。
「あの…デートの邪魔してしまってごめんなさい…」
「もう解散する所でしたので構いませんわ。私のお願いを聞いて下さって感謝してますの」
「エリナ様……あのっ!レオン様!」
「はい、何でしょうか」
泣きそうな表情をしたエリナを見たサラが、自分よりも想い合う2人が一緒になるべきだと確信して少し離れた場所に座るレオンを呼ぶ。
名前を呼ばれたレオンは甘い表情を向け何を言われるのか期待する。
しかし、落とされたのは……
「私との婚約を破棄して下さい!」
「なっ!?」
「やった!」
爆弾でした───。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
婚約破棄が国を亡ぼす~愚かな王太子たちはそれに気づかなかったようで~
みやび
恋愛
冤罪で婚約破棄などする国の先などたかが知れている。
全くの無実で婚約を破棄された公爵令嬢。
それをあざ笑う人々。
そんな国が亡びるまでほとんど時間は要らなかった。
追放された悪役令嬢は辺境にて隠し子を養育する
3ツ月 葵(ミツヅキ アオイ)
恋愛
婚約者である王太子からの突然の断罪!
それは自分の婚約者を奪おうとする義妹に嫉妬してイジメをしていたエステルを糾弾するものだった。
しかしこれは義妹に仕組まれた罠であったのだ。
味方のいないエステルは理不尽にも王城の敷地の端にある粗末な離れへと幽閉される。
「あぁ……。私は一生涯ここから出ることは叶わず、この場所で独り朽ち果ててしまうのね」
エステルは絶望の中で高い塀からのぞく狭い空を見上げた。
そこでの生活も数ヵ月が経って落ち着いてきた頃に突然の来訪者が。
「お姉様。ここから出してさし上げましょうか? そのかわり……」
義妹はエステルに悪魔の様な契約を押し付けようとしてくるのであった。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
初夜の床で「愛はない」と言った自分に返ってきたのは「愛はいらない食はくれ」と言う新妻の言葉だった。
いさき遊雨
恋愛
「僕に君への愛はない。」
初夜の床でそう言った僕に、
「愛はいらないから食事はください。」
そう言ってきた妻。
そんな風に始まった二人の夫婦生活のお話。
※設定はとてもふんわり
※1話完結 の予定
※時系列はバラバラ
※不定期更新
矛盾があったらすみません。
小説家になろうさまにも登録しています。
初夜った後で「申し訳ないが愛せない」だなんてそんな話があるかいな。
ぱっつんぱつお
恋愛
辺境の漁師町で育った伯爵令嬢。
大海原と同じく性格荒めのエマは誰もが羨む(らしい)次期侯爵であるジョセフと結婚した。
だが彼には婚約する前から恋人が居て……?
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる