伝説の霊獣達が住まう【生存率0%】の無人島に捨てられた少年はサバイバルを経ていかにして最強に至ったか

藤原みけ@雑魚将軍2巻発売中

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VSベルクマンモス

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 ネロには中級ポーションをありったけ飲ませて、傷口にかけた。
 このレベルの重傷になるとあまり効果はないが、少しだけでも顔色が良くなったのが救いだった。

「ありがとうな、ネロ。ネロのお陰で俺はまだ生きているよ。だから、次は俺が救うから、もう少し待っててくれ」

 ネロの頭を優しく撫でた後、俺は立ち上がる。

「ケルベロスを仕留めたんだ。爪の獣化を覚えたのか?」

「完全獣化を」

 俺の言葉を聞いて、師匠の表情が驚きに変わる。

「まさか……その年で完全獣化を覚えるとはな。それができるなら、一パーセントは可能性がある。絶対に真っ向から立ち向かうな。牙だけを狙う。分かっているな?」

「はい」

「時間があれば、ゆっくり策を練るところだが、あいにく時間がない。すぐにベルクマンモスを探し、不意打ちで牙を砕く」

 俺達は昔見たベルクマンモスを探すために北へ向かった。
 島を駆けること、一時間程。
 ベルクマンモスを探すことはそんなに難しくなかった。

 森よりも明らかに大きいため、すぐに見つけられるからだ。
 奴が通った跡には、大きな道ができるのも大きい。
 奴のテリトリー内は、木が少ない。全てをなぎ倒し移動するからである。

 奴を見据えた第一印象は、まさしく山である。
 全長五十ユードを超える巨体に、大木より太く大きい鼻。
 二つの曲がった牙は巨大すぎて、恐ろしさよりも雄大さすら感じさせる。
 生物というより、自然の一部、まるで歩く災害をみているような錯覚に陥る。

 今も奴は鼻を使いゆっくりと大量の植物を食べている。
 俺はこっそりと奴の近くまで進むと、大きく深呼吸をした。
 すまないが、その牙を貰う。

「完全獣化」

 俺はそう呟くと、体を龍へと変える。
 手足が、顔が龍へと変わり、背中からは翼が生える。
 完全獣化した途端、ベルクマンモスの大きな目がこちらに向いた。

 およそ人が勝てるとは思えない巨大な霊獣に、敵として見られた恐怖が襲う。
 だけど、退く訳には行かない。
 俺はその翼を広げ、一気に距離を詰める。
 俺は口から炎を、奴の目をめがけて放つ。

 視界を潰して、牙を狙う! 
 だが、次の瞬間、目の前に巨大な鼻が鞭のようにしなり襲ってきた。

「はやっ……」

 咄嗟に両腕で体を守るも鼻での一撃を受け、一瞬で何十ユードも吹き飛んだ。
 地面に転がり、血を吐く。
 俺は一瞬、自分がなぜここに居るのか分からなくなる。
 そして、すぐベルクマンモスと戦っていたことを思い出す。

 意識が完全に飛んでいた。
 完全獣化した状態でなければ、間違いなく死んでいた。
 俺はすぐにベルクマンモスを探すと、金狼となった師匠が牙の目前まで迫っていた。

「戯雷戯雷」

 師匠の口から、雷が放たれた。
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