好きだったよ。~どんなに辛くてもあなたの傍にいれるのなら~

幸せの時間~1週間目~

１時間目が始まる少し前に席を移動させた。
私達は前後になると何故かお互いの存在を確認し合い席についた。
私は最初好きな人の後ろの席なんてこんな幸せなことはないと思っていた。
だけど実は、好きな人の後ろの席は色んな意味で拷問だということに席替えをして3日後に気づき始めたのである。
それに気づくまで私は鼻歌を歌ったり、マスクの下でにやけながら授業を受けたりしていた。

~3日後~
朝学校にいつものように行って、いつものように勉強をしてるふりをしてカイトを待っていた。
するとカイトの隣の席の女子。裕子(ひろこ)がカイトに話しかけたのだ。
するとカイトは滅多に笑わず発言も女子の前じゃしないのに、裕子の話に爆笑し何か裕子と盛り上がっていた。
私はその光景を真後ろで見るのだ。
正直とってもキツかった。
でも、裕子には裕子の前の席に両思いの健(けん)がいる。
健とカイトは同じ部活で仲もいい。しかも2人が両思いだということも知っている。
だからなのかなぁ？と私はショックを受けながらも自分を納得させた。

英語の時間。
ペアワークの時。
私とカイトは前後だからペアになることはない。
そして、運が悪くその日に裕子とカイトがペアになってやった。
カイトはこのペアワークの時だけは何故か距離をみんなと縮める。
多分声を聞き取りやすくするためだろうが。
私はその15cmくらいの近さでペアワークをされるのがとっても嫌だった。

この嫌だなぁっていう思いをするのは給食の時間にもすることになった。
よく、飲み物を近づけて相手とのパーソナルスペースをはかるという心理テストみたいなのがあるのを思い出して私はカイトとの牛乳の距離をはかろうとした。
が、何故かカイトは右手で牛乳を飲むはずなのに左側に置いてある。
元々牛乳の置いてある距離が遠かったのだ。
そして裕子との牛乳の距離がとても近かった。
しかも牛乳だけじゃなくて、給食全体の距離が私と離れていた。
それを見て私は振られた時以上のショックを受けた。
多分、カイトは無意識なんだろうけど逆に無意識の方が傷つくんだなぁって改めて感じた。