溺愛の花

一朶色葉

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 昔のことを、はっきりと覚えているわけではないけれど。それでも断片的に覚えていることがある。
 ──彼が自分の前で初めて魔力を使ったのは、綻ぶ直前に手折られてしまった花を優しく咲かせたときだった。
 実際に蕾が開いたわけではないし、むしり取られた花が戻ったわけでもない。
 ただ、ふわりと。空から淡い花が舞い降りた。
 触れてしまえばその体温故に儚く溶けてしまう花。
 暖かくなってきたその時期にはいささか季節外れな六花ふゆのはな
 白い綿毛のようなその風花は、本来咲くはずだった色とりどりの花とは反対の素朴なもので。「偽物でごめんね」と申し訳なさそうにはにかむ彼に、何故か悲しみが倍増した。
 幼い自分の目から見ても綺麗な花のかんばせに、色素の薄い銀色の髪。初めて見たとき天使か何かだと思ったけれど、彼はどうやら花の精だったらしい。
 成長した今、流石にもうそんなことは思わないけれど、それでも彼は彼女にとって一番綺麗な〝花〟だった。
 そんな彼はいつからか、彼女のことをルレと呼んでいる。



***



 広い温室は、土と薬草、僅かに甘い花の香りに満たされている。
 しんとした広い空間に水の循環する音が響く。誰かが踏み入らない限り、音はそれだけ。大勢で騒ぐ場所でもないし、ここに立ち入るのはもっぱら宮廷薬剤師ばかりだ。
 そんな静かな温室の隅で、ルレインは膝を抱えて水音と自分の呼吸音をひたすらに聞いていた。

 ──〝君にとってヴィスタ=ノスコルグは唯一無二〟

 ウォズリト=ハルバンの言葉が脳内を巡る。どんなに頭を振っても耳の奥で反響して離れてくれない。大きく溜息を吐き出して、ルレインは抱えていた膝に顔を埋めた。
(・・・・・・・・・言われなくても、わかってる)
 ヴィスタが故郷を離れるまでずっと一緒にいた。彼が故郷を離れてからも、水鏡を通して顔を合わせていた。
 きっとヴィスタは知らない。水鏡の凪いだ水面に波紋が浮かんで、収まるころには近くにはないその姿が浮かび上がる──その瞬間を、ルレインがどれだけ待ち望んでいたか。
 知っているはずがない。寂しさを紛らわせる水鏡の時間が終わった途端に、どうしようもない寂しさが積もっていたなんて。
 水鏡ではわからなかった。あんなにも、背が伸びていただなんて。自分よりも一回りほど大きい手が、あんなにも剣を握る無骨なものになっていただなんて。
 ルレインにとってヴィスタは唯一無二。当たり前だ、そんなこと。他人に言われなくてもわかっている。直に再会できる日を、あんなにも焦がれていたのだから。
 静かな温室には、ルレインの溜息ばかりが響く。ひとりの空間は安らぎだ、たとえ思考がどんどんマイナスな方向に走っていようとも。
(そろそろ戻らないと。・・・・・・嫌だなぁ、本当に嫌だ)
 仕事に戻ることが。ファイとナーシェに心配そうな顔をされるのが。・・・ヴィスタのいるであろう合同訓練に救護班として行かなければならないことが。
 今は誰にも会いたくない。何もしたくない。──けれどそんなときに限って神は無情だ。
 ガラッと温室の扉が開く音がした。誰も来ないと思っていたからこそ、ルレインの肩は大きく跳ねる。うなだれていた顔を上げて近づいてくる姿を琥珀の眸に映し、ルレインは目を剥いた。
「ヴィスタ、なんで・・・!?」
「薬室にいなかったからここにいるのかと思って」
 よかった、合ってた。そう言って笑う彼にルレインは「そうじゃなくて」と僅かに語調を強める。
「なにその怪我!? ナーシェたちが先に向かったはずで・・・、なんで手当てしてもらってないの?」
 愕然とするルレインの目はヴィスタの利き手に固定されている。「あれ? せっかく手袋してきたのに気づいたんだ?」と彼は肩を竦めたが、むしろ何故血の滲んでいる白の手袋に気づかないと思ったのか。そこが疑問でならない。
 思わず睨みつけると、ヴィスタは幾度か瞬きをした後拗ねたようにそっぽを向いた。
「・・・忘れたのかよ。俺が怪我したら必ずルレが手当てしてくれるって前に約束したのに」
「い、つの話を」
「君が育ててた花を近所の悪餓鬼どもがすべて手折ったときだよ。俺が君の前で初めて魔力を使ったとき。あの後報復に行って、血も出ないような掠り傷を負って帰ったとき」
「っ、・・・」
 ああそうだ、忘れていた。あのとき、ヴィスタの頬に微かに走った裂傷に自分はとても狼狽して。
 ──〝これからヴィスタがけがしたら、わたしがなおすの〟
 小さな傷でも痛いはずなのに、何でもないという顔をする彼の頬を両手で挟んでそう言った。
 何故か目の奥がじわりと温かくなったのを無視して、ルレインは常日頃から腰に巻き付けているポーチを漁った。手当て用の道具は一式そこに入れてある。
 未だむくれているヴィスタを傍に座らせて、手袋を外す。何かが突き刺さったような傷痕からは血が溢れ、見ているだけで痛い。思わず顔をしかめながら「傷口は洗った?」と聞くと首肯が返ってきた。
 薬を塗って、包帯を巻く。その間中どちらも喋らない。積もった沈黙は普段ならばさほど苦でもなかったはずだが、今日だけは違った。
 ──〝何故離婚したんだ?〟
 ウォズリトの問いが蘇る。彼と同じような疑問を感じている人間は少なからずいるとも言っていた。では目の前のこの幼馴染は、当事者である彼は、どう思っているのだろうか。
「・・・・・・・・・聞かないのはどうして?」
「? ・・・ああ、もしかしてウォズリトに何か言われた?」
「それもある。けど、ずっとわからなかった。──なんで私が離婚してって言ったのかを聞かないのはどうして?」
 巻き終えた包帯の結び目をじっと見つめながら問う。紫苑の眸を見返しながら聞く勇気は今のルレインにはない。そんな彼女の弱さを知ってか知らずか、頭上から微かに笑いを含んだ声がした。
「訊いてはないけど、ルレが言ったんだろ。俺が旦那だと周りからのやっかみが酷くて面倒だって」
 言った。確かに言った。今聞けばなかなか酷い言い草をしている。でもあの時は、嫌われることだって許容範囲で。むしろ嫌ってくれればとすら思っていた。
「・・・そんな理由じゃないって知ってるくせに」
「うん」
「・・・・・・私を甘やかしすぎだよ、ヴィスタ」
「ルレだって俺には甘いだろ?」
 無意識に膝の上で握りしめていた拳が力を込めすぎて白くなっている。それを解すように撫でて、ヴィスタはふいに立ち上がった。俯いていたルレインは背後に回った気配に目を伏せる。
 数秒と待たずに、背に温もりが重なる。背中合わせに座ったヴィスタが僅かに体重をかけてきて、ルレインは彼の意図が自分の予想するところにあることを理解した。

 吐かせるつもりだ。

 この言い方だと誤解が生じそうだが、昔からヴィスタはそうだった。ルレインが人前で感情を吐露するのを躊躇う気質であることを早くから見抜いていた彼はルレインが心に溜め込んでいるものが限界に来次第、こうして吐き出させようとする。ある程度は放っておくくせに、溜め込みが限界値を突破しそうになった途端にこれである。おそらく、限界に来ない限りルレインが口を割らないということも把握されているのだろう。
(ああもう、本当に敵わない・・・・・・)
 徐々に、溜め込めなくなった感情が零れ落ちていく。
「・・・ウォズリト=ハルバン魔術師長に聞かれたの、どうして離婚したのかって」
 彼はルレインがヴィスタのことを考えて離婚したのだろうと予想をつけていたが、まさかそんなことはない。──本当は、もっと醜くて汚い。
「最初から知ってた。この国で生まれた魔力のない人間わたしは、他の人たちのように長くは生きられない。・・・知ってたよ、ちゃんとわかってたし受け入れてた。せいぜい長く生きて四十年。充分だった、充分だったの。確かに他の人たちに比べると短くて、物足りない。でも長い寿命に執着なんてなかった。短いなら短いでよかった。その分、やりたいことができればいいって思ってた」
 だって嘆いても仕方がない。魔力を持って生まれなかった。最初から持っていないものを羨んだって意味がない。隣の芝生はどんなに青く見えても他人のものだ、自分にないものはどうしたってない。ルレインはそれを知っていた。
「・・・でも、怖くなった」
 その恐怖は自分を早くに迎えに来てしまう死に対してではない。
「怖くなったんだ。・・・だって、私がいなくなってからもヴィスタの世界は続くんだもの。私は思い出ヴィスタを抱えて死ぬのに、あなたが死ぬとき私はきっとあなたの中にほんのちょっとも残ってない。私がいなくなってからの人生の方があなたにとっては長いのに、そこに私はいないの。・・・・・・・・・それが、とても怖い」
 忘れられることが。
 自分のいない世界でも、彼が普通に生きていけると知ることが。
「だから、逃げた。・・・私はあなたから逃げたんだよ」
 夫婦なんて関係は、よほどのことがない限り死ぬまで続く。それはつまり、思い出が増えるということ。未来を約束された関係で、歩む道を交わらせるどころか重ねるもので。その重ねた道の途中で、ルレインの道は途絶えてしまう、消えてしまう。一緒に進むことなんてどんなに焦がれてもできない。
 ルレインの世界にはいつでもヴィスタがいるのに、ヴィスタの世界から自分はいつかいなくなる。──それが、堪らなく悔しい。
 いつか彼を置いて逝ってしまうからだなんて、そんな殊勝な理由じゃない。いつか自分が消えた世界で、ヴィスタの中からルレインという存在まで消えてしまう。それが怖いから、恐ろしいから、彼女はヴィスタから逃げた。
 そんな考えを持ってしまったことが嫌で、逃げたのだ。
(・・・・・・醜い。どこまでも醜くて、汚い)
 直に会うことを焦がれていたはずなのに、それが叶って共にいるようになれば欲が深まった。
 一緒にいたい。ずっと。もっと長く。
 忘れられるなんて絶対に嫌だ。怖い、嫌だ、怖くて怖くてたまらない。
 こんな感情、自分の中にはなかったはずなのに。再会して、同じ時間を生きる内に芽生えてしまった。

 彼に焦がれて仕方がない。

 膝に顔を埋めて瞼を固く閉ざす。自分が、こんなに弱いだなんて知らなかった。
「・・・あーあ、甘やかしたいと思ってたんだけどなぁ」
 ぐぐっとさらにルレインに体重を預けて来たヴィスタが、ふいに間延びした声でそう言った。大きく息をついて、彼はルレインから身を離す。
 そしてそのまま彼女の前に回った。
「こればっかりはね、甘やかしてあげられない」
 自分の殻に閉じこもるように顔を伏せていたルレインの両頬を包んで持ち上げる。僅かに潤んだ琥珀の眸が見上げてくる。それでも頬に濡れた形跡はなく、それが少しだけ、ヴィスタには残念だった。
「ヴィス・・・」
「君は弱ってるところをひとに見られるのを嫌うから遠慮してたんだけど。でも駄目だよ、ルレ。これからはもう、これに関しては甘やかしてやらない」
「は、なして」
「だめ。あのね、ルレ。君は最初俺と会ったとき俺に怯えてたんだよ。覚えてる?」
 ルレインは大きく目を瞠る。いつの話だ。まったく身に覚えがない。
 どんなに記憶を辿っても、ルレインの中に彼に怯えた記憶はひとつもない。
「覚えてないのが普通だよ。俺が覚えてるのはそれだけ衝撃的だったからってだけだし。君は昔から生まれ育った環境のせいか他人の表情を読むのに長けていて、初めて会ったとき俺の〝作った笑顔〟に君は怯えてた。きっと、普段からそんなものばかり向けられてたんだろうね。・・・俺の知ってるルレは、最初から弱いんだ」
 ヴィスタの知っているルレインは。この幼馴染は。その生まれた境遇ゆえに、弱さを抱えていた。
「君に自覚があったかは知らないけど。でも、二度目に会ったとき。君は最初のことなんか全部忘れたみたいにけろりとしてた、たぶん俺が無理に笑わなかったからってのもあるんだろうけど・・・。君は、俺が最初に思ったよりも強い子だった」
「ヴィスタ・・・?」
「ルレ、君の抱えるその醜くて汚いものは誰にだってあるんだ。俺はもっと酷いかも。・・・でも俺は、その醜さが嬉しい」
 ルレインの額に自分の額を重ねて、彼は頬を緩める。
「君のその醜さは、俺に対しての執着だろ? ・・・全部知ってたよ、でも君の口から聞けたことがこんなに嬉しい」
「わ・・・わたしは、卑怯なんだよ。向き合えなくて逃げた。怖くなって逃げ出した。こんな卑怯者」
「卑怯なのは俺も一緒。ねえルレ、聞いてくれる? 俺はね、君が欲しくてたまらない。君の手を離すなんて出来ない。──君が、君のいなくなった俺の世界に妬いてくれたように、俺は君を連れていく死にさえ嫉妬するんだ」
 遠くで水の流れる音がする。温室の水を循環させるために造られた小さな水車の音も、耳が拾ってしまう。
 右手を取られ、指を搦めるように握りこまれる。くっつけていた額を離して、ヴィスタが苦く笑った。
「俺がこれから話すことは、君を泣かせるかもしれない。苦しめるかもしれない。でも俺はたぶん、君の泣き顔を見たって後悔なんてしないんだ」
「な、に言って」
 訳がわからないという顔をするルレインの左胸の鎖骨の下辺りをヴィスタの指が這う。そのこそばゆさに身を竦めたルレインの耳朶に直接言葉を送り込むように、彼は囁いた。
「俺と君の間に魔力の道を繋いだ」
「は、・・・」
「召喚魔術の応用だよ。後は門を開いて君に俺の魔力を流し込めば、君は魔力を持つことが出来る」
 見開かれた琥珀の眸がヴィスタを凝視する。
「流し込む、って私に・・・?」
「うん」
「魔力を持たせる・・・?」
「うん」
「なんで・・・?」
 茫然とするルレインにヴィスタは答えない。ただ困ったように笑うだけだ。
 その笑みが、ルレインの神経を逆撫でした。
「なんで? ねえ、ヴィスタ。魔力は無限じゃない。どんなに量が多くても有限で、その消費が異常だと命に係わるっていうのは魔力のない私よりあなたのほうが知ってるはずだよ・・・? ねえ、ひとひとりの寿命を延ばすのにどれくらいの魔力が必要かなんて私にはわからない。でも、あなたの命を確実に削るってことくらいは、私にだってわかる・・・! なんでそんな無茶しようとするの!? 私はヴィスタに自己犠牲なんて望んでない!」
「うん」
「うん、じゃない!」
 ぼろっと眸から何かが零れ出た。一度決壊すると止まらないそれは、ルレインがひとに見せるのをとても厭うもので。
 けれど今はそれを隠そうともせずにヴィスタを睨み付ける。
「大丈夫だよ、ルレ。幸いにも俺の魔力は枯渇を知らない泉だなんて言われてるんだから」
「そういうことじゃない!」
 感情のままに叫ぶ。そういうことではないのだ。ルレインは、ヴィスタが少しでも命を削ろうとしていることがどうしても赦せない。
「そういうことじゃ、ない」
「うん、でも俺は言ったよ。俺は、君を連れていく死にさえ妬くんだ。君の手を離すなんてできない」
 頬を流れる涙を拭った手が、そのままルレインの腕を引く。
 腕の中で震える彼女の細い肢体を掻き抱いて、ヴィスタは僅かに青を含んだ黒髪に唇を落とした。
「俺はこの先の未来を君と一緒に生きる権利が欲しい」
「っ、・・・」

「・・・ねえ、ルレ。特別な理由がなくても君に触れられる、そんな立場を──俺にちょうだい」



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