魔具師になったら何をつくろう?

アマクニノタスク

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町おこし編

第46話 闇のオークション

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「続きまして、ナンバー3。戦闘奴隷になります。年齢は23歳、ご覧の通り立派な肉体に得意な武器は戦斧、魔法は使えませんが、力は申し分ございません。」

ステージの上でノッポの黒服がマイクの様な物で案内している。おそらくあのマイクは魔導具だろう。奴隷よりもそっちが気になる所である。

鎖に繋がれた色黒マッチョがビキニパンツ一丁で筋肉をアピールしている。


「30!」

貴婦人っぽい女性が声を上げた。
すると別のマダムが35と叫ぶ。
何人かの熟女が競り合っていく。
色黒マッチョは熟女に人気なのだろうか?


「出ました、50金貨で落札です!」

黒服ノッポが木槌を叩く。
50金貨か、日本円だと500万か。
俺にとっては高いが、ここに来ている人達には安いのだろう。
その後もオークションは続く、これまでの最高値は300金貨、幼い美少年にしか見えないが18歳らしい。本当だろうか?
マダム達のデッドヒートにより瞬く間に金額が上がっていった。
色々とアウトだと思うが、お盛んな事だ。

女性はほぼ性奴隷としてセクシーな下着姿で紹介されていた。
総じて女性の奴隷は高値が付いていく。
Cカップ、Bカップ、Eカップ。
俺にできる事はこれぐらいしかなかった。


「どうだ?気になる女はいたか?」

若旦那が楽しそうに聞いてくる。
ちなみに彼も入札に参加していたが落札は出来ていなかった。
この場の雰囲気を楽しんでいる様なので彼的には満足なのだろう。


「続いては本日の目玉でございます。」

「おぉ!来たぞ!!」

若旦那のテンションも最高潮だ。


「ナンバー15。顔はお見せできませんが、とある名家の御令嬢です。一目見て頂ければ納得のプロポーション、もちろん生娘でございます。諸事情により今回出品されました、この様な機会は2度と無いでしょう!後悔なされませぬよう、奮ってご参加ください。」

顔は鉄仮面で覆われているが、下着姿の見事なナイスバディに目を奪われる。
透き通るような白い肌にスラリと長い手脚、細い腰のクビレから突如現れる豊かな双丘。


「凄いな。Fカップか。」

黒服ノッポの開始の合図と同時に入札の声が爆発する。

あっと言う間に先程の最高値を更新し、止まる様子もない。


「1,000が出ました!」

1億を超えるか、凄い世界だ。


「今日の目玉はやはり別格だな。」

「皆さん、顔を隠しているのに凄いですね。」

「ハッハッハッ、顔は形式上だよ。情報は事前に出ていたし、最近に没落した家なんて多くはないからね。」

つまり、熱狂しているこのおっさん達は、あの娘が誰なのか分かって買おうとしているのか。悍ましいな。


ガン ガン

乾いた木槌の音が響いた。


「1,800金貨、1,800金貨で落札です!!」

ワァーっと一斉に会場が沸く。
高額に興奮する者、絵に描いたように落胆する者、狂ったように拍手する者。
会場を渦巻く熱気は狂気と化して加速する。
この後も盗品や珍品のオークションが続く。
金銭感覚が麻痺してしまったのか、高額商品が飛ぶように売れていく。
今日だけでどれ程の大金が動いているんだろうか。ちょっと怖くなってきた。


「でも、こんなに大規模に開催していたら取り締まわれないんですか?」

「大丈夫さ。ここは有力者か一部の金持ちしか入れない会員制だからね。それに万が一の場合には大臣様がついているしね。」

あれ?それ言っちゃダメなやつじゃない?


「私も大臣様に顔が利く、数少ない人物の1人だ。安心して俺と取引すると良いぞ。」

あー、この人は根本的にダメっぽいな。


「今日はありがとうございました。とても勉強になりました。」

「うむ。そうだろう、そうだろう。」

「よく考えましたが、やはりフィルと契約する事にします。」

「何を言っているんだい?正気か?」

「はい。俺たちのような田舎町の人間では住む世界が違いすぎました。」

「まぁ、そうだろうな。」

「ですので、田舎者同士で細々とやっていこうと決めたのです。」

「ほぉう、そうか。我々を敵に回すと?」

「我々とは?」

「さっきも言ったように、私は大臣様に顔が利くのだ。田舎者ではこの意味も理解できぬか?」

「恥ずかしながら、若旦那様が凄い人物だという事ぐらいしか。」

「残念だ。ここまで馬鹿だとは。もう良い。好きにしろ。」

若旦那に手で追い払われたので、一礼してその場を後にする。
帰り道はウエイターさんが案内してくれなかったので、少し迷ってしまったのは秘密だ。

迷いつつも何とか宿まで帰って来れた。
関わり合いたくない人に絡まれてしまったな。これで終わってくれたら良いのだが。
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