目醒めたら武闘家でした。俺だって魔術が使いたい!

アマクニノタスク

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第4話

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「俺も魔術を使いたい!」

「俺も俺も!」

「アタシも使ってみたい。」

「おいおい、坊主たちは武闘家だろ?」

「そうだけど、使ってみたいんだもん!」

「俺たちじゃ使えないのかな?」

「うーん、魔術の才があれば使えるだろうが、武闘家は魔力を別の使い方をしているかならなぁ。」

「別の使い方?どう言う事?」

「武闘家は闘気とかオーラとか使うだろ?あれは魔力と一緒だよ。魔術はその力を精霊に捧げているんだよ。」

「へぇー、そうなんだ。じゃあ俺たちにも魔術の才ってのがあれば使えるんだ?」

「使い方の感覚が分かれば使えるんじゃないか?」

「おぉー!魔術の才があるかなんて、どうやって調べられるの?」

「ふむ、なら俺が診てやろう。」

おっさんは俺の背中に手を当てた。
そのままおっさんは黙っている。

「これだけで分かるの?」

「ふむ、坊主には魔術の才はないな。」

「えー!そうなの?」

「あぁ。さっき、お前さんの体に各属性の魔力を流してみた。魔術の才があれば才のある属性の魔力が循環して俺に戻って来るんだがな。お前さんからは全部ダメだった。」

「マジかよ。。。」

俺はショックで自失した。

「次は俺も診てよ!」

おっさんがリズムの背中に手を当てる。

「ほうほう。なるほどな。」

「どうだった?」

「ふむ、お前さんは火と風に才があるな。」

「おぉ!マジで?やった!」

「そっちの嬢ちゃんも診てやろうか?」

「うん。」

ビビり気味のメロディの背中におっさんが手を当てると微妙に震えている。

「なんと!」

急におっさんがデカイ声を上げたもんだからメロディがビックリして固まっている。

「嬢ちゃんは全属性持ちだな!いやぁ、武闘家にしとくのは勿体無いな。」

「マジかよ、スゲーなメロディ。」

「いいなぁ。。。」

「全属性って珍しいの?」

「あぁ、魔術の才のある者の中でも一握りだな。俺もそんな全属性持ちなんだかな、ハッハッハッ!」

「くそ~、俺だって魔術を使いたい!」

「坊主には才がないからなぁ。才がないとその属性の精霊を感じ取れないんだよ。だから使えないんだがな。」

俺がガックシ肩を落としていると。

「そうか、これなら坊主にも使えるかもな。」

「え!? どれどれ?」

「俺はあまり詳しくないが魔術陣ってやつだ。見てろ。」

おっさんが木の枝で地面に何かを描き出した。簡単な図形の組み合わせだ。

「これはファイアの魔術陣だ。これにイメージを持って魔力を流すと。」

ボッっと火が出た。

「こんな感じで魔術を発動させる事が出来る。」

「へぇー、凄いね!これなら俺にもできるかな?」

「魔力の操作やイメージが重要だが練習すればできるだろう。」

「やってみても良い?」

「ああ、すぐには無理だろうがな。」

俺は木の枝でおっさんの描いた魔術陣を真似して描いて突いてみる。

しかし何も反応しない。

「まぁ、最初はそんなもんだ。」

「んー、練習してみる!」

「おっちゃん、俺たちにも何か教えてよ。」

「だから、俺はお兄さんだ。まぁ、そうだな、こっちの坊主たちは才があるから魔力を高める訓練法を教えてやろう。」

「やったぜ!」

「簡単な訓練だ。精神を落ち着かせて、指先に意識を集中させる。魔力が集まると指先が淡く光る。それを維持させるんだ。」

「へぇー、やってみよ。」

「私もやってみる。」

「魔力も使い込めば体力と同じで増えていくからな。魔力を扱えるようになれば自然と精霊を感じ取れるようになるさ。」

「あーダメだ。魔術陣が全然反応しないぞ!」

「魔力を流すのもコツがいるからな。坊主もこの訓練をやった方がいいぞ。」

2人は真剣な顔で指先を見つめている。

「慣れればこんな使い方もできるぞ。」

おっさんの指先が淡く光り、空中に魔術陣を描くと、光の魔術陣が出来上がった。
おっさんが指先で軽く触れると、先程と同じ様に火が出た。

「おー!何それカッコいい!」

「ハッハッハッ、すぐに消えてしまうし、1回しか発動させられないが、どこにでも描けるから便利だぞ。」

「指先に魔力を集めるんだっけ?」

「ああ、そのままイメージを持って魔術陣を描けば魔力を流しているのと同じ効果になるんだよ。」

俺は指先に意識を集中させる。
俺は武術の鍛錬でもフィジカルなものよりも瞑想などメンタルなものが得意だった。
師範にもあと少しで身体活性を会得できるだろうと言われている。

「む~~~ おっ!」

俺の指先が淡く光り出した。

「おっ、坊主は魔力操作のセンスが良いな。」

俺は集中を切らさないようにして、さっき見た火をイメージして魔術陣を描く。

「描けた。」

「おぉ、坊主やるな! 消える前に発動させてみろ。」

「うん!」

魔力を集中させた指先で恐る恐る触れてみる。

ボッ

「火が出たーーーー!!!」

「ブルース、すごい!」

「スゲー!俺もやってみてぇー!」

「ハッハッ、これは驚いたね。いきなりここまでできるとは。魔力操作のセンスに魔力量も多いとみえる。本当に才が無いのが悔やまれるな。」
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