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第3章
6 言霊
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「ん…」
かすかな気配を感じた方にディルは視線を向けた。先を歩くシャドウも歩みを止める。
「…何だ?」
「なんか変な気分だ。気持ち悪い」
ディルは口元を押さえた。うまく表現ができないが、明らかに空気の流れが変わった。異質で陰気なおどろおどろしさがわかる。視界の端から何かが蠢く気配を感じた。それは黒い煙や霧のようで、形を成さず風に乗って天空へと運ばれていった。二人が見上げた空の先に、暗雲が立ち込めていた。明らかにあの一部分だけ世界が違った。
「何だあれは!」
その下に伸びる白亜の塔。塔の先にだけ黒く影を落とす。
「…あそこは祭壇だったはずだ」
シャドウは記憶を探る。神官見習いの時に一度だけ入ったことがあった。神への供物や祈りを捧げる場所だ。婚礼の儀式もここを使う。式の後に塔の先から降り注がれるリュリュトゥルテの花のシャワーは、神からの祝福としていた。この花を浴びることで幸福をもたらすのだという。
「でも、結婚式ていう空気じゃないよね。こんな禍々しいもの。地上からも天空からも変なモノ呼び出してたりしてるんじゃないの?」
冗談ぽく茶化すディルだが、顔は笑えてない。邪悪な気配に身震いをするほどだ。
「神殿で召喚術なんて」
聞いたことがなかった。御使いを派遣することはあっても、それは自然界にいるものを調教して使役するのだ。それに反して、召喚した獣は、人の手によって創り出されたモノだ。自然界の理りを逆らって生み出されたモノを御使いとは呼べない。御使いは神と神官を繋ぐ架け橋のような役目を担う。あんな邪悪なモノでは神の声は聞けないだろう。
「とにかく行こう。こんな状況を見逃すわけにはいかない」
神殿側も気づかない筈がない。
二人は駆け出した。
*
雪はしばらく床に寝転んだまま茫然としていた。体が硬直して動けなかったのだ。かろうじて胸の上に手を置き、首から下げていた魔除け石を握りしめた。その手は小刻みに震えていた。目を閉じてもすぐに開けた。
「っは、っっは、」
うまく呼吸ができなかった。思い浮かべたのは、自分の身の上に起きたことだ。
チドリに掴まれた腕や、唇に触れた感触が消えなかった。腕には指の跡が残る。力づくに組み敷かれたことも含めて、怒りと恐怖と憎しみが入り混じった感情が渦巻いていた。レアシスの怪我の状態も気になるが不安で頭がついていかなかった。自分の身に起きたことさえ、混乱が治らない。
「…」
気を緩めていたせいだ。自分にはこんなことは起こりえないものだと過信していた。
あの男は普通に見えても正常な精神ではないのだ。シャドウを追放し、マリーのような幼い子の成長を止めてしまう非道な男だ。遠く離れたレアシスにまでも攻撃を仕掛けた。気安く話しかけて間合いを詰められ、力づくで捩じ伏せられた。まだキスだけで済んだのはよかったのかもしれない。あのまま先を進められたかと思うと恐ろしくて吐き気がした。
いや、いっそのこと吐き出してしまいたい。あの時起きたこと全てを。全てを決してしまいたい。
雪は喉元を抑え嗚咽をかき出す。けれど酒を飲みすぎた後のようにすぐには込み上げて来ず、苦しさだけが残った。
「ぐ…うっ、うっ」
苦しさと悔しさだけが波打つばかりだった。
「……許さない、あんな男、死ねばいい!こ、殺してやりたい!!」
硬く握りしめた拳に爪が食い込む。嗚咽と共に絞り出した言葉は強く深く念がこもった。強く念じれば、それだけ力も伴う。負の言葉は魔を含む。そのものを呼び寄せる起爆剤になる。
塔を囲む靄がより一層、禍々しさを放った。塔は白から黒く姿を変えていった。
* *
「…いつものことだけど、今日は更にうわの空ね。私の何が気に入らないっていうのよ」
サリエは腰の辺りまで衣服をずらし、長い髪を垂らしながら、チドリの上で妖艶な微笑みを浮かべた。剥き出された体はしわもたるみも無く色白で美しかった。やや分厚い唇の横に小さく黒子が居座る。これだけは気に入らないようだが、あとは申し分のない体だ。形の整った胸も括れた腰も、締りのある臀部も普段の衣服では想像もできない。巫女は神の前でしか素肌を見せてはいけない決まりがある為、普段は長袖長ズボンを身につけていた。
「あなたはいずれ大神官になる。神により近い身となる。その為に、私もあなたを支えられるように神に近づきたい。あなたと混じり、力が欲しい」
サリエはチドリに口づけをした。妖艶さは笑みだけでは治らず、口づけにも蔓延していった。唇を食み、吸い、舌を絡ませては体をくねくねと動かす。舌の先から滴り落ちる唾液を指にからめ、指のまたを舐める仕草を見せる。
「…また私にばかりさせるなんて悪い人ね」
サリエはその手のひらをチドリの身体に乗せ、体のあちこちに這わせた。首筋をなぞり、鎖骨を渡り、胸元にたどり着く。それと同じ道を舌でも舐め回す。
サリエは唇の端に自分の髪の毛が入っているのにも気づかずに、チドリの体を啄ばんでいく。頬を赤らめて、しっとりと汗を含んだ体を擦り付けてくる。時に溢れる吐息に身震いまでする。そんなサリエをチドリは何の感情も湧かずに眺めていた。自分の体の上で勝手に悦に入っていく卑しい女がいるとしか思えなかったのだ。
拒否をしても回避できない結婚話。日に日にサリエは大神官の妻であることを全面に押し出してきて、半ば強引に体を繋ぎに来た。しかし、繋いでもチドリの気持ちは変わらなかった。サリエと結婚をする気はさらさらない。
毎回上から見下ろしてきては好き勝手に弄くり回していく。支配されているようで、体の自由がきかなくなる。
ああ、そうか。あの子にもこんな気持ちにをさせてしまったのか。それは悪いことしたな。
チドリは雪に手をかけたことを少なからず後悔し始めていた。忌み嫌うサリエと同じことをしたのだと確信した。
あの子には、気にかける人がいる。心配してくれる人がいる。それが羨ましいと思ったのかもしれない。ぼくにはもうそんな人はいないから。
謝って済むとは思えないけど、謝らなきゃ。あの子と話しているのは楽しいんだ。一日の嫌なことを取り払ってくれるから。あの子とマリーとシャドウがいたら、ぼくはもっと楽しい人生を送れる気がする。
そうか。ぼくのお嫁さんにすればいい。そうすればあの子の身柄は神殿が身請けられる。ヴァリウスにも手出しはさせない。
チドリは寝台から起き上がり、サリエから離れた。
「ちょっと!どうしたのよ」
「どいてくれ。行くところが出来た」
「何いってるのよ!まだ何も」
サリエは瞳を見開いた。髪は乱れ、荒い息をしていた。
「きみに支配されるのはうんざりだ」
チドリは衣服に袖を通した。体に染み付いたサリエの香りを洗い流したいと思ったが、そのまま部屋を出た。部屋の中から、サリエのけたたましい叫びがドア越しに響いた。その矢先に見回りをしていた信者がチドリの元に飛び込んできた。かなり切迫している様子だ。
「申し上げます!天空に異変が!白亜の塔に悪鬼が蠢いております!!」
「ん…」
かすかな気配を感じた方にディルは視線を向けた。先を歩くシャドウも歩みを止める。
「…何だ?」
「なんか変な気分だ。気持ち悪い」
ディルは口元を押さえた。うまく表現ができないが、明らかに空気の流れが変わった。異質で陰気なおどろおどろしさがわかる。視界の端から何かが蠢く気配を感じた。それは黒い煙や霧のようで、形を成さず風に乗って天空へと運ばれていった。二人が見上げた空の先に、暗雲が立ち込めていた。明らかにあの一部分だけ世界が違った。
「何だあれは!」
その下に伸びる白亜の塔。塔の先にだけ黒く影を落とす。
「…あそこは祭壇だったはずだ」
シャドウは記憶を探る。神官見習いの時に一度だけ入ったことがあった。神への供物や祈りを捧げる場所だ。婚礼の儀式もここを使う。式の後に塔の先から降り注がれるリュリュトゥルテの花のシャワーは、神からの祝福としていた。この花を浴びることで幸福をもたらすのだという。
「でも、結婚式ていう空気じゃないよね。こんな禍々しいもの。地上からも天空からも変なモノ呼び出してたりしてるんじゃないの?」
冗談ぽく茶化すディルだが、顔は笑えてない。邪悪な気配に身震いをするほどだ。
「神殿で召喚術なんて」
聞いたことがなかった。御使いを派遣することはあっても、それは自然界にいるものを調教して使役するのだ。それに反して、召喚した獣は、人の手によって創り出されたモノだ。自然界の理りを逆らって生み出されたモノを御使いとは呼べない。御使いは神と神官を繋ぐ架け橋のような役目を担う。あんな邪悪なモノでは神の声は聞けないだろう。
「とにかく行こう。こんな状況を見逃すわけにはいかない」
神殿側も気づかない筈がない。
二人は駆け出した。
*
雪はしばらく床に寝転んだまま茫然としていた。体が硬直して動けなかったのだ。かろうじて胸の上に手を置き、首から下げていた魔除け石を握りしめた。その手は小刻みに震えていた。目を閉じてもすぐに開けた。
「っは、っっは、」
うまく呼吸ができなかった。思い浮かべたのは、自分の身の上に起きたことだ。
チドリに掴まれた腕や、唇に触れた感触が消えなかった。腕には指の跡が残る。力づくに組み敷かれたことも含めて、怒りと恐怖と憎しみが入り混じった感情が渦巻いていた。レアシスの怪我の状態も気になるが不安で頭がついていかなかった。自分の身に起きたことさえ、混乱が治らない。
「…」
気を緩めていたせいだ。自分にはこんなことは起こりえないものだと過信していた。
あの男は普通に見えても正常な精神ではないのだ。シャドウを追放し、マリーのような幼い子の成長を止めてしまう非道な男だ。遠く離れたレアシスにまでも攻撃を仕掛けた。気安く話しかけて間合いを詰められ、力づくで捩じ伏せられた。まだキスだけで済んだのはよかったのかもしれない。あのまま先を進められたかと思うと恐ろしくて吐き気がした。
いや、いっそのこと吐き出してしまいたい。あの時起きたこと全てを。全てを決してしまいたい。
雪は喉元を抑え嗚咽をかき出す。けれど酒を飲みすぎた後のようにすぐには込み上げて来ず、苦しさだけが残った。
「ぐ…うっ、うっ」
苦しさと悔しさだけが波打つばかりだった。
「……許さない、あんな男、死ねばいい!こ、殺してやりたい!!」
硬く握りしめた拳に爪が食い込む。嗚咽と共に絞り出した言葉は強く深く念がこもった。強く念じれば、それだけ力も伴う。負の言葉は魔を含む。そのものを呼び寄せる起爆剤になる。
塔を囲む靄がより一層、禍々しさを放った。塔は白から黒く姿を変えていった。
* *
「…いつものことだけど、今日は更にうわの空ね。私の何が気に入らないっていうのよ」
サリエは腰の辺りまで衣服をずらし、長い髪を垂らしながら、チドリの上で妖艶な微笑みを浮かべた。剥き出された体はしわもたるみも無く色白で美しかった。やや分厚い唇の横に小さく黒子が居座る。これだけは気に入らないようだが、あとは申し分のない体だ。形の整った胸も括れた腰も、締りのある臀部も普段の衣服では想像もできない。巫女は神の前でしか素肌を見せてはいけない決まりがある為、普段は長袖長ズボンを身につけていた。
「あなたはいずれ大神官になる。神により近い身となる。その為に、私もあなたを支えられるように神に近づきたい。あなたと混じり、力が欲しい」
サリエはチドリに口づけをした。妖艶さは笑みだけでは治らず、口づけにも蔓延していった。唇を食み、吸い、舌を絡ませては体をくねくねと動かす。舌の先から滴り落ちる唾液を指にからめ、指のまたを舐める仕草を見せる。
「…また私にばかりさせるなんて悪い人ね」
サリエはその手のひらをチドリの身体に乗せ、体のあちこちに這わせた。首筋をなぞり、鎖骨を渡り、胸元にたどり着く。それと同じ道を舌でも舐め回す。
サリエは唇の端に自分の髪の毛が入っているのにも気づかずに、チドリの体を啄ばんでいく。頬を赤らめて、しっとりと汗を含んだ体を擦り付けてくる。時に溢れる吐息に身震いまでする。そんなサリエをチドリは何の感情も湧かずに眺めていた。自分の体の上で勝手に悦に入っていく卑しい女がいるとしか思えなかったのだ。
拒否をしても回避できない結婚話。日に日にサリエは大神官の妻であることを全面に押し出してきて、半ば強引に体を繋ぎに来た。しかし、繋いでもチドリの気持ちは変わらなかった。サリエと結婚をする気はさらさらない。
毎回上から見下ろしてきては好き勝手に弄くり回していく。支配されているようで、体の自由がきかなくなる。
ああ、そうか。あの子にもこんな気持ちにをさせてしまったのか。それは悪いことしたな。
チドリは雪に手をかけたことを少なからず後悔し始めていた。忌み嫌うサリエと同じことをしたのだと確信した。
あの子には、気にかける人がいる。心配してくれる人がいる。それが羨ましいと思ったのかもしれない。ぼくにはもうそんな人はいないから。
謝って済むとは思えないけど、謝らなきゃ。あの子と話しているのは楽しいんだ。一日の嫌なことを取り払ってくれるから。あの子とマリーとシャドウがいたら、ぼくはもっと楽しい人生を送れる気がする。
そうか。ぼくのお嫁さんにすればいい。そうすればあの子の身柄は神殿が身請けられる。ヴァリウスにも手出しはさせない。
チドリは寝台から起き上がり、サリエから離れた。
「ちょっと!どうしたのよ」
「どいてくれ。行くところが出来た」
「何いってるのよ!まだ何も」
サリエは瞳を見開いた。髪は乱れ、荒い息をしていた。
「きみに支配されるのはうんざりだ」
チドリは衣服に袖を通した。体に染み付いたサリエの香りを洗い流したいと思ったが、そのまま部屋を出た。部屋の中から、サリエのけたたましい叫びがドア越しに響いた。その矢先に見回りをしていた信者がチドリの元に飛び込んできた。かなり切迫している様子だ。
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