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第4章
1 歌え 集え①
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”さあさ歌えよ 喜びの歌よ 集え星よ
花の目覚めを 願い聞けよ 示せ道を”
マリーが囀る歌声は、植物に英気を与えていた。さんさんと注ぎ込む太陽の光を浴び、スプリンクラーから弾け出す水に体を湿らせ、心地よい風に身を任すのだ。リュリュトゥルテの硬い殻に縮こまっていた蕾がようやく目を覚ました。マリーは、植物の発育や繁殖させる能力を持っていた。歌や言葉に乗せて、成長を後押しするのだ。禊と称して、塔の中に監禁されていた時は力を制限されていたが、逃げ出した今は一気に解放された。
歌詞などなくとも、フンフンと鼻歌だけでも花芽は膨らんだ。地上に降りたことと、久しぶりの青空を見てマリーの心は弾んでいた。
「わんわんわわーん」
ディルの背中を撫でくりまわしながら、マリーは軽快に歌った。銀色の毛並みは太陽の光を浴びて、より輝きを増していた。が、砂埃にまみれて、お世辞にも綺麗とは言えなかった。が、マリーはお構い無しに顔を突っ伏した。ディルは花壇の中のスプリンクラーに飛び込みたい気持ちを必死に抑えていた。
「…おいチビ。いい加減下りろ」
マリーはディルの背中に跨っていた。塔の下で出会ってからずっと懐かれていた。離れていかなかったマリーをディルは、なんとなく放っておけずにいたが、得体の知れない少女に違和感を感じていた。
ぼさぼさ頭に薄着に素足。肌に浮かぶ切り傷に青あざ。そのくせ対照的に明るい性格。
どこからか逃げ出して来たとか?
ディルの予想はかなり的確だった。
「やだー!もっと乗る~!」
「うるせぇなぁ、わかったよ!」
耳元で騒ぐなとマリーにひとほえした。延々と注意もしたかったが、マリーのあっけらかんとした態度に諦めた。
「にしても、お前何であんな所にいたんだ?一人か?親は一緒じゃないのか?」
神殿で出会ったのだから、礼拝者か神殿に住む神職者だ。でも、こんなチビが神職者?無理ありすぎだろ。礼拝者にしても一人でいるのはおかしい。
「うーんとねぇ…」
口元に指を置いて唸る。答えを考えているのだろうか。
「そうだ!マリーはおねえちゃんを探してるの!わんわん、おねえちゃんを知らない?」
思い出したかのように、ポンと手を打つ。
「質問の答えじゃないな。何だよ。おねえちゃんて」
子どもあるある。質問を質問で返す。
「さっきまでマリーと一緒にいたのよう」
「知るか」
ディルはぶっきらぼうに答えた。背中の上でブーイングが起きる。毛束を鷲掴みにされて引っ張られた。
「わんわんのばかー」
「イテッ!…ったく、知らねえんだからしょうがねえだろ」
根元を強く掴まれたのがヒリヒリして痛い。
「…どんなおねえちゃんだった?顔とか髪とか。特徴があっただろ」
毛を毟り取られる不安があったディルは、マリーのおねえちゃん探しを渋々協力することにした。
「んとね、髪はこのへん。背はあのへん。顔はすっごいやさしいの!」
マリーは身振り手振りで長さや高さを表現するが、ディルはさっぱりわからなかった。
「…うん、そうだなぁ」
知らないと言えばまたブーイングが起きることが目に見えていたので、ディルは返事を濁した。
「マリーのね、髪をね、もじゃもじゃだって笑って、梳かしてくれたの!お話もしてくれたりね、ぎゅーっとしてくれたり、いいこいいこしてくれたりね、いっしょに寝てくれたりね。いっぱいやさしくしてくれたの!」
マリーは短い腕をぐんと伸ばし、自分の体を抱きしめた。目尻が下がり、口角が上がった。
「…いい人だったんだな」
マリーの口ぶりだと、おねえちゃんなる人物は身の回りの世話をしてくれていたようだ。優しく、朗らかな性格でマリーの良き話し相手だったのだろう。
「その人いきなりいなくなったのか?」
マリーを可愛がっていたなら手紙の1つでもあっていいはずだ。
「お前まだ字が読めないだろう?手紙やメモがわからなかったんじゃないか?」
ディルはまだ子どもだから仕方ないよなとフォローを入れた。
「マリーは字は読めるもん!花詞典暗記してるもん!」
「マジかよ?すげえなぁ!」
チビのくせに、とは言わずに飲み込んだ。
花詞典とは、植物図鑑のような物だ。花の品種や名前。花の形、種子の有無、原産地など細々と書かれている。1つ1つに成長速度を早めたり、遅くしたりと歌があり、マリーはその全てを暗記していた。
「おねえちゃんはサリエに捕まって落とされちゃったの」
「は?落とされた?どこから?」
マリーはスッと人差し指を立て、空を見上げた。
「あそこ」
指し示された方向には、白亜の塔がそびえ立っていた。最上階は太陽に邪魔をされてよく見えない。
「あ…んなところから落ちたら、ひとたまりもないぞ」
空へ向けた視線を勢いよく地上に落とす。高低差にめまいがした。地面は固く整地されている。地面に叩きつけられたりしたら、即死は免れない。マリーのおねえちゃんとやらは、もう…
「チドリもおねえちゃんのことをいじめるから、マリーはやだったの。だから、マリーもポーンって」
うんうんと、ディルはマリーの話を上の空で頷いた。
「は?ポーン?」
ディルはマリーを顧みた。
今、すごいことをさらりと言わなかったか?こいつは。
「お前も…落ちたのか?」
「うん」
マリーは平然として、ニコニコと自慢気な顔だ。
「おねえちゃんを追いかけようとして飛び出したんだけど、見つからなくて」
わんわんどうしてぇ?と顔をくしゃくしゃにして泣きそうな顔を見せてくる。
「オレはお前が無事なことに驚いているよ…」
ディルはマリーの顔をまじまじと見つめた。体に浮かぶ痣は落ちた時の衝撃ではないだろう。もっと古そうだ。だとしたら、どうして無傷でいられるのだろう。飛行能力もパラシュートもない。実はこいつは神職者で羽根でも生えてくる能力がある。そんなオチか?
ディルはマリーから視線を反らせずにいた。
こいつを見つけた時に、感じた違和感はこのことだったのか。
初めて見た時は蔓草に絡まって大事そうに囲われていた。マリーは歌で植物を育てることができるというから、植物に守られたから無傷でいられたのだろうか。
とりあえず、今はマリーの探し人の安否が気がかりだった。こんな子どもを連れて確認すべきではないのだろうけど、そんな話を聞いたら黙って見過ごすわけにはいかなかった。マリーは無事でも、先に落ちた人も無事だとは限らない。地面に叩きつけられた衝撃で、体がバラバラに飛散しているかもしれない。血だまりができているかもしれない。ディルは妄想と予想に苛まれながらも塔を目指した。
*
「…神官様。おかげんはいかがですか?」
ソインは寝台に横になっているチドリにそっと声をかけた。衣服はボロボロのままだ。体も満身創痍で動ける状態ではなかった。ただ、意識はあった。ソインの声も届いているはずだが、いっこうに口を開こうとはしなかった。首には締められた指の痕がこびりついていた。それを掻き毟る吉川線もあり、戦慄さを引き立てていた。両目には包帯を巻いていた。血管が切れ、白目が血まみれになったからだ。視界不良と疲れを癒す為に包帯を巻いた。首と両目以外には目立った外傷はなかったが、長く首を締められたせいもあり、呼吸が乱れていた。ここには酸素吸入器も替えの包帯もない。かろうじてあった救急箱の薬や包帯を全て使い治療に当たった。これでは容態が変化した時に困ってしまう。しかも、ソインは医者ではない。血を止めたり包帯を巻くことぐらいしか出来ない。医者を呼ぶべきだと思っていた。
ソインは迷った。チドリを一人置いてこの場を離れていいものかどうか。
体は大きいが性格は消極的で、傷だらけのチドリを前にして狼狽えているばかりだった。
それに花の水やりの時間だった。ソインは花卉農家だ。リュリュトゥルテや神殿の植物のケアの為にリュペシュの市場から連れてこられたのだった。
市場で商人が何人も連れ去られている話はソインのことだった。他にも数人いる。全てサリエの指示で行われたことであり、リュリュトゥルテの世話を任せられていた。水と日照不足で花の生育が悪いと言われては、花卉農家としては黙っていられない。無理矢理とはいえ連れてこられた以上は仕事はちゃんとしようと決めていた。
「…神官様すみません。水やりの時間ですので行ってもよろしいでしょうか?」
ソインはまたチドリに囁く。チドリは微動だにせずにいた。
「医者を連れて、また来ますね」
替えの包帯や食料を取って来ますと声をかけ、ソインはチドリから離れた。
”さあさ歌えよ 喜びの歌よ 集え星よ
花の目覚めを 願い聞けよ 示せ道を”
マリーが囀る歌声は、植物に英気を与えていた。さんさんと注ぎ込む太陽の光を浴び、スプリンクラーから弾け出す水に体を湿らせ、心地よい風に身を任すのだ。リュリュトゥルテの硬い殻に縮こまっていた蕾がようやく目を覚ました。マリーは、植物の発育や繁殖させる能力を持っていた。歌や言葉に乗せて、成長を後押しするのだ。禊と称して、塔の中に監禁されていた時は力を制限されていたが、逃げ出した今は一気に解放された。
歌詞などなくとも、フンフンと鼻歌だけでも花芽は膨らんだ。地上に降りたことと、久しぶりの青空を見てマリーの心は弾んでいた。
「わんわんわわーん」
ディルの背中を撫でくりまわしながら、マリーは軽快に歌った。銀色の毛並みは太陽の光を浴びて、より輝きを増していた。が、砂埃にまみれて、お世辞にも綺麗とは言えなかった。が、マリーはお構い無しに顔を突っ伏した。ディルは花壇の中のスプリンクラーに飛び込みたい気持ちを必死に抑えていた。
「…おいチビ。いい加減下りろ」
マリーはディルの背中に跨っていた。塔の下で出会ってからずっと懐かれていた。離れていかなかったマリーをディルは、なんとなく放っておけずにいたが、得体の知れない少女に違和感を感じていた。
ぼさぼさ頭に薄着に素足。肌に浮かぶ切り傷に青あざ。そのくせ対照的に明るい性格。
どこからか逃げ出して来たとか?
ディルの予想はかなり的確だった。
「やだー!もっと乗る~!」
「うるせぇなぁ、わかったよ!」
耳元で騒ぐなとマリーにひとほえした。延々と注意もしたかったが、マリーのあっけらかんとした態度に諦めた。
「にしても、お前何であんな所にいたんだ?一人か?親は一緒じゃないのか?」
神殿で出会ったのだから、礼拝者か神殿に住む神職者だ。でも、こんなチビが神職者?無理ありすぎだろ。礼拝者にしても一人でいるのはおかしい。
「うーんとねぇ…」
口元に指を置いて唸る。答えを考えているのだろうか。
「そうだ!マリーはおねえちゃんを探してるの!わんわん、おねえちゃんを知らない?」
思い出したかのように、ポンと手を打つ。
「質問の答えじゃないな。何だよ。おねえちゃんて」
子どもあるある。質問を質問で返す。
「さっきまでマリーと一緒にいたのよう」
「知るか」
ディルはぶっきらぼうに答えた。背中の上でブーイングが起きる。毛束を鷲掴みにされて引っ張られた。
「わんわんのばかー」
「イテッ!…ったく、知らねえんだからしょうがねえだろ」
根元を強く掴まれたのがヒリヒリして痛い。
「…どんなおねえちゃんだった?顔とか髪とか。特徴があっただろ」
毛を毟り取られる不安があったディルは、マリーのおねえちゃん探しを渋々協力することにした。
「んとね、髪はこのへん。背はあのへん。顔はすっごいやさしいの!」
マリーは身振り手振りで長さや高さを表現するが、ディルはさっぱりわからなかった。
「…うん、そうだなぁ」
知らないと言えばまたブーイングが起きることが目に見えていたので、ディルは返事を濁した。
「マリーのね、髪をね、もじゃもじゃだって笑って、梳かしてくれたの!お話もしてくれたりね、ぎゅーっとしてくれたり、いいこいいこしてくれたりね、いっしょに寝てくれたりね。いっぱいやさしくしてくれたの!」
マリーは短い腕をぐんと伸ばし、自分の体を抱きしめた。目尻が下がり、口角が上がった。
「…いい人だったんだな」
マリーの口ぶりだと、おねえちゃんなる人物は身の回りの世話をしてくれていたようだ。優しく、朗らかな性格でマリーの良き話し相手だったのだろう。
「その人いきなりいなくなったのか?」
マリーを可愛がっていたなら手紙の1つでもあっていいはずだ。
「お前まだ字が読めないだろう?手紙やメモがわからなかったんじゃないか?」
ディルはまだ子どもだから仕方ないよなとフォローを入れた。
「マリーは字は読めるもん!花詞典暗記してるもん!」
「マジかよ?すげえなぁ!」
チビのくせに、とは言わずに飲み込んだ。
花詞典とは、植物図鑑のような物だ。花の品種や名前。花の形、種子の有無、原産地など細々と書かれている。1つ1つに成長速度を早めたり、遅くしたりと歌があり、マリーはその全てを暗記していた。
「おねえちゃんはサリエに捕まって落とされちゃったの」
「は?落とされた?どこから?」
マリーはスッと人差し指を立て、空を見上げた。
「あそこ」
指し示された方向には、白亜の塔がそびえ立っていた。最上階は太陽に邪魔をされてよく見えない。
「あ…んなところから落ちたら、ひとたまりもないぞ」
空へ向けた視線を勢いよく地上に落とす。高低差にめまいがした。地面は固く整地されている。地面に叩きつけられたりしたら、即死は免れない。マリーのおねえちゃんとやらは、もう…
「チドリもおねえちゃんのことをいじめるから、マリーはやだったの。だから、マリーもポーンって」
うんうんと、ディルはマリーの話を上の空で頷いた。
「は?ポーン?」
ディルはマリーを顧みた。
今、すごいことをさらりと言わなかったか?こいつは。
「お前も…落ちたのか?」
「うん」
マリーは平然として、ニコニコと自慢気な顔だ。
「おねえちゃんを追いかけようとして飛び出したんだけど、見つからなくて」
わんわんどうしてぇ?と顔をくしゃくしゃにして泣きそうな顔を見せてくる。
「オレはお前が無事なことに驚いているよ…」
ディルはマリーの顔をまじまじと見つめた。体に浮かぶ痣は落ちた時の衝撃ではないだろう。もっと古そうだ。だとしたら、どうして無傷でいられるのだろう。飛行能力もパラシュートもない。実はこいつは神職者で羽根でも生えてくる能力がある。そんなオチか?
ディルはマリーから視線を反らせずにいた。
こいつを見つけた時に、感じた違和感はこのことだったのか。
初めて見た時は蔓草に絡まって大事そうに囲われていた。マリーは歌で植物を育てることができるというから、植物に守られたから無傷でいられたのだろうか。
とりあえず、今はマリーの探し人の安否が気がかりだった。こんな子どもを連れて確認すべきではないのだろうけど、そんな話を聞いたら黙って見過ごすわけにはいかなかった。マリーは無事でも、先に落ちた人も無事だとは限らない。地面に叩きつけられた衝撃で、体がバラバラに飛散しているかもしれない。血だまりができているかもしれない。ディルは妄想と予想に苛まれながらも塔を目指した。
*
「…神官様。おかげんはいかがですか?」
ソインは寝台に横になっているチドリにそっと声をかけた。衣服はボロボロのままだ。体も満身創痍で動ける状態ではなかった。ただ、意識はあった。ソインの声も届いているはずだが、いっこうに口を開こうとはしなかった。首には締められた指の痕がこびりついていた。それを掻き毟る吉川線もあり、戦慄さを引き立てていた。両目には包帯を巻いていた。血管が切れ、白目が血まみれになったからだ。視界不良と疲れを癒す為に包帯を巻いた。首と両目以外には目立った外傷はなかったが、長く首を締められたせいもあり、呼吸が乱れていた。ここには酸素吸入器も替えの包帯もない。かろうじてあった救急箱の薬や包帯を全て使い治療に当たった。これでは容態が変化した時に困ってしまう。しかも、ソインは医者ではない。血を止めたり包帯を巻くことぐらいしか出来ない。医者を呼ぶべきだと思っていた。
ソインは迷った。チドリを一人置いてこの場を離れていいものかどうか。
体は大きいが性格は消極的で、傷だらけのチドリを前にして狼狽えているばかりだった。
それに花の水やりの時間だった。ソインは花卉農家だ。リュリュトゥルテや神殿の植物のケアの為にリュペシュの市場から連れてこられたのだった。
市場で商人が何人も連れ去られている話はソインのことだった。他にも数人いる。全てサリエの指示で行われたことであり、リュリュトゥルテの世話を任せられていた。水と日照不足で花の生育が悪いと言われては、花卉農家としては黙っていられない。無理矢理とはいえ連れてこられた以上は仕事はちゃんとしようと決めていた。
「…神官様すみません。水やりの時間ですので行ってもよろしいでしょうか?」
ソインはまたチドリに囁く。チドリは微動だにせずにいた。
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