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姉姫 3
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なかなか話し出せずにいる弟の気持ちを知ってか知らぬか、翠蘭は、あぁ、そうだ、と付け加える。
「愛麗には、もう会ってきたの?久しぶりなんでしょ、あんたが都に戻るの」
愁陽は一つ息を吐き出し、意を決したように顔をあげた。
「姉さん、実は、その愛麗のことなんです」
「何?とうとう求婚でもしたの?」
「はぁっ!?ど、どうして私が!?」
慌てて勢いよく立ち上がった彼は耳まで真っ赤だ。
「……弟。誰も、あんたが、なんて言ってないわよ」
翠蘭はしれっと涼しい顔して言った。
愁陽は身を乗り出したまま、開いた口が塞がらない。
っ!……姉にしてやられた。
顔を引きつらせ何も言い返せないでいる愁陽の横で、マルがケラケラと笑う。
いつも冷静で慌てることもなく、ましてからかわれてる姿など普段見ることの出来ない、そんな面白い主の姿が見られて、愁陽の上をいく姉姫という人物はなかなかにすごい!と思う。
マルが大笑いしていると、ふと、わが主と目が合った。
ひえぇぇぇぇぇ~~~!!
ごめんなさい、笑いすぎました。
主は従者を冷ややかに睨んで凍りつかせると、椅子に座りなおしてひとつ咳払いをした。
「昨日、彼女に会ってきました」
「あら、そう。元気にしてた?」
「元気と言えばそうなのかもしれませんが、愛麗としては元気ではないような気がしました」
翠蘭は瞬きをひとつし、まっすぐに愁陽の顔を見た。
「おかしなことを言う子ね」
「私の知っている彼女は、決して姫だからといってやりたいことを諦めて、屋敷の奥でおとなしくしているような姫ではありません」
きっぱりと言って、愁陽は数年ぶりに再会した昨日の幼馴染みを思い出すように、木々の向こう側に見える青い空へと目を向けた。
「確かに。あんなお転婆な姫、他にいないわよ」
「他人のこと、言えませんよ」
「私の知っているあの子は、白い猫をお洒落にするんだぁーなんて言いながら、猫のあとを墨持って追っかけては、ブチつけまくってたもの」
「げっ!最悪……」
マルは身を竦め、白猫に同情した。
「ああ。あと、あれはなかなかの武勇伝よね!ほら、宮廷でかくれんぼしていて、あの子、屋根の上に隠れてたのよ」
「げ!もはや何者!?」
「お前も屋根くらい登るだろう?」
「オオカミのボクと一緒ってどうなんですか。それに、一応これでもボクは山神さまの元で修行もしましたからね」
「夕飯時まで見つからなくて大騒動になったんだけど、結局、屋根の上で昼寝してたのよね」
「はぁ……。もう少しマシなこと、覚えておいてあげてください」
愁陽も想い出して、ため息混じりに言った。
猫の件も幼い彼女には悪戯しようなどと悪気はまったくなかったのだ。ただ純粋に、白一色の姿をお洒落にしてあげたいという本当に親切心からだったのだ。彼女のため一応弁明しておく。
「でも、ボクには全然そんなふうには見えませんでしたよ。清楚で可憐でお美しくて、絵物語に出てくるような、どこから見ても、良家のお姫様って感じでしたけど」
「問題はそこなんだ」
「あり得ないわ」
姉弟が速攻、揃って否定する。
「そんな力強く否定しなくても。愛麗さまって、いったい……」
二人のあまりの言い様に、マルも顔をひきつらせた。
なかなかに変人だと思える二人が、そこまで変わっているという愛麗って、どんだけ変わってるのだろうか。かなりぶっ飛んだ姫なのだろうか……
けれど、昨日マルが見た彼女からはまったく想像もつかない。
大きな屋敷の奥に棲む深層のお姫様ってイメージそのままのお姫様だった。
マルはうーん、と首をかしげる。
「でも、愛麗さまも仰ってましたけど、そりゃあ成長して大人になれば、人も変わるんじゃないですか?」
「私の見た彼女は、自分の本当の姿を隠そうとしているような、無理に押し込めようとしているように見えたんだ」
「フフ…、よく、あの短時間でわかりましたねぇ~」
少しからかうマルのそれには乗らず、彼は幼馴染みの姫のことを気遣うように言う。
「私たち二人は子供の頃、兄弟のように仲が良かったんだ。だから、愛麗が感じることや思うことは何となく解るつもりだ。今の彼女は、何かに怯えている。そんな気がするんだ」
「何に?」
「それがわからないんです、姉さん」
三人の間にふと沈黙が落ちる。
外の庭から薪を割る音が聞こえる。茶を出した後、席を外していた羅李が割っているのだろう。
「姉さん、私が遠征に出ている間、愛麗の周りで何かありませんでしたか?いや、もしかして、その前かも知れませんが」
「さあ、私も彼女には久しく会っていないわ。いつからか屋敷の外に出てこなくなったもの。宮中行事に出てきても、ほとんど誰とも話さないし。いつのまにかいなくなってるわ。まあ、私も行事は好きではないから、あまり寄り付かないし、私がいない間に来ているのかも知れないけど」
「私が遠征に出る際にも彼女の屋敷へ挨拶に行きましたが、そのときも御簾越しに二言三言交わしただけでした」
「不甲斐ない」
「私も反省してます。って、今はどうでもいいでしょう!……そう言えば……、彼女は一時ですが体調を崩している時期がありました」
「そうね、珍しくそんなこともあったわね」
「あの、外で元気に走り回っていた愛麗がですよ。……急にだったな。あれは、確か、私が国を離れるよりも前でした」
「……彼女の姉が死んで、喪が明けた後じゃないかしら」
愛麗にはひとつ違いの姉がいた。生まれつき身体が弱く屋敷の奥で大切に育てられていたが、今から六年程前の夏に急に体調を崩し、あっという間に亡くなったのだ。
「っ!……そうですね、一年が過ぎて喪が明けた後も、愛麗は外に出ることはなくなった。私もあの頃は武将になるため毎日武芸や勉学が忙しくて。なかなか思うように外へ出られなくて、月日だけが過ぎていきましたが。そのことを思う余裕もなく、気が付けば出征で」
「あんたが遠征に出て二年程で私も城を出てしまったし。新年の祝賀と王の誕生日くらいの行事には出るけれどね。彼女が参列しても、離れた場所から彼女の姿を見かけるくらいよ」
彼女の姉の死。
愛麗が別人のように変わったと感じた核心に近づいたような、大事な何かがわかりそうな気がする。
体が弱くて屋敷の奥で大切に育てられていた病死した姉……。まるで今の愛麗のようではないか?考えすぎだろうか……
けれど、愛麗は姉ではなく、愛麗は愛麗なのだ。幼い姉が病死したからと言って、何年も姉の代わりのように生きるなんて無理だ。それに理由もない。
「姉さん、愛麗の姉姫の死が関係あるのでしょうか」
「分からないわ。でも、愛麗は愛麗よ」
「もちろんです。他人になる必要はありません」
そう言って空を見上げる愁陽の前髪を、さらりと優しく風が揺らしていく。
なぜだろう、ひどく胸騒ぎがして仕方がない。
「気になるんです……時折、彼女の瞳が悲しげに見えるのが……」
「愛麗には、もう会ってきたの?久しぶりなんでしょ、あんたが都に戻るの」
愁陽は一つ息を吐き出し、意を決したように顔をあげた。
「姉さん、実は、その愛麗のことなんです」
「何?とうとう求婚でもしたの?」
「はぁっ!?ど、どうして私が!?」
慌てて勢いよく立ち上がった彼は耳まで真っ赤だ。
「……弟。誰も、あんたが、なんて言ってないわよ」
翠蘭はしれっと涼しい顔して言った。
愁陽は身を乗り出したまま、開いた口が塞がらない。
っ!……姉にしてやられた。
顔を引きつらせ何も言い返せないでいる愁陽の横で、マルがケラケラと笑う。
いつも冷静で慌てることもなく、ましてからかわれてる姿など普段見ることの出来ない、そんな面白い主の姿が見られて、愁陽の上をいく姉姫という人物はなかなかにすごい!と思う。
マルが大笑いしていると、ふと、わが主と目が合った。
ひえぇぇぇぇぇ~~~!!
ごめんなさい、笑いすぎました。
主は従者を冷ややかに睨んで凍りつかせると、椅子に座りなおしてひとつ咳払いをした。
「昨日、彼女に会ってきました」
「あら、そう。元気にしてた?」
「元気と言えばそうなのかもしれませんが、愛麗としては元気ではないような気がしました」
翠蘭は瞬きをひとつし、まっすぐに愁陽の顔を見た。
「おかしなことを言う子ね」
「私の知っている彼女は、決して姫だからといってやりたいことを諦めて、屋敷の奥でおとなしくしているような姫ではありません」
きっぱりと言って、愁陽は数年ぶりに再会した昨日の幼馴染みを思い出すように、木々の向こう側に見える青い空へと目を向けた。
「確かに。あんなお転婆な姫、他にいないわよ」
「他人のこと、言えませんよ」
「私の知っているあの子は、白い猫をお洒落にするんだぁーなんて言いながら、猫のあとを墨持って追っかけては、ブチつけまくってたもの」
「げっ!最悪……」
マルは身を竦め、白猫に同情した。
「ああ。あと、あれはなかなかの武勇伝よね!ほら、宮廷でかくれんぼしていて、あの子、屋根の上に隠れてたのよ」
「げ!もはや何者!?」
「お前も屋根くらい登るだろう?」
「オオカミのボクと一緒ってどうなんですか。それに、一応これでもボクは山神さまの元で修行もしましたからね」
「夕飯時まで見つからなくて大騒動になったんだけど、結局、屋根の上で昼寝してたのよね」
「はぁ……。もう少しマシなこと、覚えておいてあげてください」
愁陽も想い出して、ため息混じりに言った。
猫の件も幼い彼女には悪戯しようなどと悪気はまったくなかったのだ。ただ純粋に、白一色の姿をお洒落にしてあげたいという本当に親切心からだったのだ。彼女のため一応弁明しておく。
「でも、ボクには全然そんなふうには見えませんでしたよ。清楚で可憐でお美しくて、絵物語に出てくるような、どこから見ても、良家のお姫様って感じでしたけど」
「問題はそこなんだ」
「あり得ないわ」
姉弟が速攻、揃って否定する。
「そんな力強く否定しなくても。愛麗さまって、いったい……」
二人のあまりの言い様に、マルも顔をひきつらせた。
なかなかに変人だと思える二人が、そこまで変わっているという愛麗って、どんだけ変わってるのだろうか。かなりぶっ飛んだ姫なのだろうか……
けれど、昨日マルが見た彼女からはまったく想像もつかない。
大きな屋敷の奥に棲む深層のお姫様ってイメージそのままのお姫様だった。
マルはうーん、と首をかしげる。
「でも、愛麗さまも仰ってましたけど、そりゃあ成長して大人になれば、人も変わるんじゃないですか?」
「私の見た彼女は、自分の本当の姿を隠そうとしているような、無理に押し込めようとしているように見えたんだ」
「フフ…、よく、あの短時間でわかりましたねぇ~」
少しからかうマルのそれには乗らず、彼は幼馴染みの姫のことを気遣うように言う。
「私たち二人は子供の頃、兄弟のように仲が良かったんだ。だから、愛麗が感じることや思うことは何となく解るつもりだ。今の彼女は、何かに怯えている。そんな気がするんだ」
「何に?」
「それがわからないんです、姉さん」
三人の間にふと沈黙が落ちる。
外の庭から薪を割る音が聞こえる。茶を出した後、席を外していた羅李が割っているのだろう。
「姉さん、私が遠征に出ている間、愛麗の周りで何かありませんでしたか?いや、もしかして、その前かも知れませんが」
「さあ、私も彼女には久しく会っていないわ。いつからか屋敷の外に出てこなくなったもの。宮中行事に出てきても、ほとんど誰とも話さないし。いつのまにかいなくなってるわ。まあ、私も行事は好きではないから、あまり寄り付かないし、私がいない間に来ているのかも知れないけど」
「私が遠征に出る際にも彼女の屋敷へ挨拶に行きましたが、そのときも御簾越しに二言三言交わしただけでした」
「不甲斐ない」
「私も反省してます。って、今はどうでもいいでしょう!……そう言えば……、彼女は一時ですが体調を崩している時期がありました」
「そうね、珍しくそんなこともあったわね」
「あの、外で元気に走り回っていた愛麗がですよ。……急にだったな。あれは、確か、私が国を離れるよりも前でした」
「……彼女の姉が死んで、喪が明けた後じゃないかしら」
愛麗にはひとつ違いの姉がいた。生まれつき身体が弱く屋敷の奥で大切に育てられていたが、今から六年程前の夏に急に体調を崩し、あっという間に亡くなったのだ。
「っ!……そうですね、一年が過ぎて喪が明けた後も、愛麗は外に出ることはなくなった。私もあの頃は武将になるため毎日武芸や勉学が忙しくて。なかなか思うように外へ出られなくて、月日だけが過ぎていきましたが。そのことを思う余裕もなく、気が付けば出征で」
「あんたが遠征に出て二年程で私も城を出てしまったし。新年の祝賀と王の誕生日くらいの行事には出るけれどね。彼女が参列しても、離れた場所から彼女の姿を見かけるくらいよ」
彼女の姉の死。
愛麗が別人のように変わったと感じた核心に近づいたような、大事な何かがわかりそうな気がする。
体が弱くて屋敷の奥で大切に育てられていた病死した姉……。まるで今の愛麗のようではないか?考えすぎだろうか……
けれど、愛麗は姉ではなく、愛麗は愛麗なのだ。幼い姉が病死したからと言って、何年も姉の代わりのように生きるなんて無理だ。それに理由もない。
「姉さん、愛麗の姉姫の死が関係あるのでしょうか」
「分からないわ。でも、愛麗は愛麗よ」
「もちろんです。他人になる必要はありません」
そう言って空を見上げる愁陽の前髪を、さらりと優しく風が揺らしていく。
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