2度目の人生は、公爵令嬢でした

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第一章

17話 6歳になりました

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――あれから月日が経ち、私は6歳になりました。

この3年間、私は勉強に力を入れてきました。
なぜなら、この世界の文字はまるで日本語のように《漢字・ひらがな・カタカナ》が使われているからです。読み書きにはまったく苦労しなかったのですが……お父さまたちはその速さに驚いていました。

「本当に6歳なのか?」と、何度も確認されるたびに、私は内心で焦りました。「これ、変に思われてない?」と。

でも幸いなことに、親バカ(兄妹《けいまい》バカ?)な家族のおかげで、「さすがクリスティア!」とひたすら褒められるだけで済みました。何も疑われなかったのは本当に幸運でした。

ただ、数学だけは苦手です……
異世界の数学はあまり発展していないみたいで、ホッとしました。「これなら私でもなんとかついていけそう」と少し安心です。でも、点Pが動く問題とか、本当に苦手なんですよね。

「点Pよ、動くな!」って心の中で何度叫んだことか……。

それでもさらっと復習を終え、今は魔法の勉強を始めています。まだ実際には魔法を使えませんが、学ぶこと自体がとても楽しいです!

これでも大学は卒業してるんですからね!なんて胸を張りつつ、知識をどんどん蓄えていきたいと思います。

――さて、話は変わりますが、6歳になると洗礼とお茶会に参加するのがこの国の慣習です。

洗礼は毎月行われており、今月はリリアと一緒に受けることになりました。多くの人が集まる場所で何か問題を起こしてはいけないので、私はいつも以上に慎重になっています。

洗礼は位の低い貴族から順番に受ける決まりなので、公爵家の私たちは最後の方。さらに、一番最後には第3皇子であるラインハルト殿下が控えています。

待ち時間が長いことはわかっていたので、私は事前に準備万端! 薬草の本を持参し、席で紅茶を飲みながら読書を楽しむことにしました。会場には本棚もあり、紅茶やお菓子も準備されています。とはいえ、ただただ待つ時間は退屈です。

しばらく本を読んでいると、突然声をかけられました。

「やぁ、オルベスティ公爵令嬢。少しいいかな?」

驚いて顔を上げると、そこには第3皇子ラインハルト殿下が立っていました。

「でっ、殿下……!」

私は慌てて本を閉じ、立ち上がって深々と頭を下げました。

「失礼いたしました。お初にお目にかかります、皇子殿下。オルベルティス公爵家長女、クリスティアと申します。殿下におかれましてはご機嫌麗しゅう。」

「……あぁ。」

ラインハルト殿下は微妙に困ったような、照れたような顔で返事をされました。

(え? 何か私、失礼なことを言った? でもそんな記憶はないし……どうしよう!)

「どうかされましたか、殿下?」

恐る恐る尋ねると、殿下は急に目をそらしながら小声で答えました。

「いや、その……僕たちは同じ歳だし、仲良くなれたらいいなと思って……」

「あ、そういうことでしたのね!」

思わず胸を撫で下ろしました。驚かせないでほしいです!

「ぜひ仲良くさせていただきたいですわ、殿下。」

「それは良かった。」

殿下が少し笑ったその時、別の声が飛んできました。

「おいっ! いたいた!」

声の方を見ると、少し髪が乱れた少年が息を切らしながらこちらに向かってきます。

「はぁ……やっと見つけた、ライン。こんなところにいたら父上に怒られるぞ?」

「悪かったな、探させて。」

ラインハルト殿下は軽く肩をすくめて笑いましたが、少年は特に怒る様子もなく、気にした風でもありませんでした。そして私を見て、少し目を丸くします。

「ところで、このお嬢さんは誰だ?」

「あぁ、彼女はオルベルティス公爵の娘だよ。」

紹介され、私は慌てて礼を取りました。

「お初にお目にかかります。クリスティアと申します。」

「俺はグランサール公爵家次男のアランだ。よろしく。」

アラン様は気さくに手を差し出しながら、爽やかに笑いました。

「はい、よろしくお願い致します!」

こうして、私は洗礼の場で二人の少年――第3皇子ラインハルト殿下とグランサール公爵家の次男アラン様と出会いました。この出会いが、これからの運命にどう影響するのかは、まだ知る由もありません……。

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