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おまけ小話集
バレンタイン小話 もしもの話
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もしもクリスティアとラインハルトが恋人だったら - バレンタイン編
クリスティアは、目の前の箱を見つめながら、小さく息を吐いた。
――何を緊張しているのだろう。
それは、彼女が昨夜から手作りしたチョコレート。完成度は悪くない。味見もした。でも、問題はそこではない。
「……渡すのが、こんなに難しいなんて」
普段は冷静な自分が、ラインハルトのことになるとどうしてこうも動揺してしまうのか。
そんなことを考えていると、ちょうど彼が廊下の向こうから歩いてくるのが見えた。
「リスティ?」
「……ラント」
言葉をかけられただけで、鼓動が速まる。こんなの、彼に悟られたくないのに。
「どうかしたのか?」
彼の琥珀色の瞳がまっすぐに見つめてくる。クリスティアは意を決して、チョコレートの箱を差し出した。
「……バレンタインの贈り物よ」
ラインハルトの瞳が、一瞬驚いたように見開かれる。
「……俺に?」
「他に誰がいるの?」
少し拗ねたように言うと、彼はくすっと笑った。
「ありがとう、リスティ」
受け取った箱を大切そうに持ちながら、ラインハルトはふと顔を近づける。
「お返しは期待していてくれ。」
「――っ!」
その囁きに、クリスティアは顔を真っ赤に染めた。
———————————————————————————————————————-
もしもクリスティアとアランが恋人だったら - バレンタイン編
「クリスティア~! 今年ももらえるのか?」
朗らかな声とともに、アランが駆け寄ってくる。
「……ええ、一応用意はしているけれど」
「やった! さすが俺のクリスティア!」
「誰があなたのものよ」
呆れたように言いつつも、クリスティアは彼に小さな箱を差し出した。アランは嬉しそうに受け取ると、さっそく包みを開けようとする。
「待って、今開けなくても……」
「いいだろ、早く食べたいし!」
「はぁ……」
クリスティアが呆れている間に、アランはチョコを一つ口に入れた。
「……ん? これ……なんか、いつもと違くない?」
「ええ。今年は少しだけ工夫してみたわ」
「へぇ~……ん? なんか、ちょっと苦――」
「あら? もしかして失敗だったかしら?」
「……いや、美味い! さすがクリスティアだな!」
「本当かしら?」
クリスティアはじっとアランの顔を見つめる。アランは一瞬視線を逸らしたが、すぐに笑って見せた。
「本当だって! でも、来年はもうちょっと甘いのがいいな!」
「……考えておくわ」
そう言いながら、クリスティアは微笑んだ。
それを見て、アランは心の中でほっと息をつく。
――やばい、苦すぎて泣きそうだった、なんて言ったら……来年こそもらえなくなるかもしれないしな。
——————————————————————————————————————————————————————————————————
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!
「面白かった!」「続きが気になる!」と思っていただけたら、
ぜひ投票で応援していただけると、とっても励みになります
本日本編は上がりませんがもう一本バレンタイン小話が上がります!
クリスティアは、目の前の箱を見つめながら、小さく息を吐いた。
――何を緊張しているのだろう。
それは、彼女が昨夜から手作りしたチョコレート。完成度は悪くない。味見もした。でも、問題はそこではない。
「……渡すのが、こんなに難しいなんて」
普段は冷静な自分が、ラインハルトのことになるとどうしてこうも動揺してしまうのか。
そんなことを考えていると、ちょうど彼が廊下の向こうから歩いてくるのが見えた。
「リスティ?」
「……ラント」
言葉をかけられただけで、鼓動が速まる。こんなの、彼に悟られたくないのに。
「どうかしたのか?」
彼の琥珀色の瞳がまっすぐに見つめてくる。クリスティアは意を決して、チョコレートの箱を差し出した。
「……バレンタインの贈り物よ」
ラインハルトの瞳が、一瞬驚いたように見開かれる。
「……俺に?」
「他に誰がいるの?」
少し拗ねたように言うと、彼はくすっと笑った。
「ありがとう、リスティ」
受け取った箱を大切そうに持ちながら、ラインハルトはふと顔を近づける。
「お返しは期待していてくれ。」
「――っ!」
その囁きに、クリスティアは顔を真っ赤に染めた。
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もしもクリスティアとアランが恋人だったら - バレンタイン編
「クリスティア~! 今年ももらえるのか?」
朗らかな声とともに、アランが駆け寄ってくる。
「……ええ、一応用意はしているけれど」
「やった! さすが俺のクリスティア!」
「誰があなたのものよ」
呆れたように言いつつも、クリスティアは彼に小さな箱を差し出した。アランは嬉しそうに受け取ると、さっそく包みを開けようとする。
「待って、今開けなくても……」
「いいだろ、早く食べたいし!」
「はぁ……」
クリスティアが呆れている間に、アランはチョコを一つ口に入れた。
「……ん? これ……なんか、いつもと違くない?」
「ええ。今年は少しだけ工夫してみたわ」
「へぇ~……ん? なんか、ちょっと苦――」
「あら? もしかして失敗だったかしら?」
「……いや、美味い! さすがクリスティアだな!」
「本当かしら?」
クリスティアはじっとアランの顔を見つめる。アランは一瞬視線を逸らしたが、すぐに笑って見せた。
「本当だって! でも、来年はもうちょっと甘いのがいいな!」
「……考えておくわ」
そう言いながら、クリスティアは微笑んだ。
それを見て、アランは心の中でほっと息をつく。
――やばい、苦すぎて泣きそうだった、なんて言ったら……来年こそもらえなくなるかもしれないしな。
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