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アーガルクルム
4 ゾンビアタック
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協力者専用練習用ダンジョン『ハルカゼ』、神様の手で創られた唯一無二のダンジョンであり、アーガルクルムに来てから一年以内の新人協力者しか入ることが出来ない不思議なダンジョンである。
それ故、万が一ダンジョン内で行方不明者が出たとしても捜索隊を出すことも出来ない。早々に仕官する国が決まった協力者たちは、国からハルカゼには入るなと忠告を受けるそうだ。
毎年このダンジョンで、二十~三十人の協力者が命を落とす。
ダンジョンへの入場許可が下りたのは、申請を出した二日後だった。部屋の鍵に付与された道案内の魔法に新たな目的地『ダンジョンの入口』が書き足される。
僕が思い描いていた魔法とは少し違うが、道に迷わなくて済むのは助かる。
ダンジョンの入口には商店があり、武器や防具の装備品の他にも、衣類など日用品を扱う店も並ぶ。協力者たちの姿も見えた。といってもウインドーショッピングだろう、仕官する国が決まらない限り、僕たちには自由に使える金が無い。
ダンジョンの入口のすぐ横にある店の店員から、使い古された革鎧と錆びだらけのメイス、刃こぼれした採取用のナイフが支給品として手渡された。受け取ったことを台帳に記入する。
これ以上の物が欲しいのなら、魔物を倒して自分たちで金を工面しろってことらしい。ダンジョンがひとつしかないこの町では、魔物の素材は他の町に比べて高値で取引されている。
アーガルクルムのダンジョンは、一般的な地下遺跡タイプのものではない。ダンジョンは、様々な顔を見せる異空間であり、それ自体が小さな世界なのだ。目の前の光の扉を潜ればそこはもうダンジョンである。
練習用ダンジョンハルカゼのテーマは『森』だ。入口はひとつだけだが、パーティーを組んでいない限り、入った人間はばらばらの場所に飛ばされる。広大な森の中で協力者同士が顔を合わせる確率はかなり低いそうだ。
一歩踏み出して光の扉を潜る。
目の前には大きな森が広がっていた。練習用ダンジョンだけあって魔物が森から出ることはない。僕がいる森の手前の草原は、このダンジョンの安全エリアだ。後ろには森を囲むように光の壁があり、光の壁に触ることでダンジョンから外に出ることが出来る。
「初代様、いますか?」
僕は自分の中で称号として大人しくする。黄金龍の長、初代千龍皇帝様に声をかけた。
(おお、何か用か?)
「はい、近くに魔物がいるか教えてほしいんですが」
(ふむ、ダンジョンから生まれたモノは全て魔物という話だったな。かなりの数がいるな……小さいのは恐らく餌だろう、コガネと同じくらいの大きさのものも沢山いるぞ)
初代様の声は、僕にしか聞こえない。
「餌用の小さな魔物まで湧くんですね。僕と同じくらいの大きさで、僕でも倒せそうな魔物のいる場所を教えてもらってもいいですか」
(ん?そんな魔物は一匹もいないぞ。どれもコガネより遥かに強い魔物ばかりだ)
「いまの僕って狼よりも弱いんですか……落ち込みます。不老不滅はアーガルクルムでも使えますよね」
(問題ない。再生速度が落ちて少し違うものにはなっているが、コガネが死ぬことはないはずだ)
「それを聞いて安心しました。ありがとうございます」
準備が出来た僕は森へ進んだ。
永遠に滅びることのない化け物じみた体。前世の知識の中から、狼を倒せそうな方法を探す。様々なゲームで強敵と挑むために編み出された必殺技『ゾンビアタック』、死んでも死んでも復活して相手の命を少しずつ削っていく禁断の技だ。
そのはずだったんだけど……想定していた以上に、僕自身が弱過ぎた。左手を噛まれたまま、残った右手に握る錆びたメイスでひたすら狼の頭を殴る。最初の敵なら一撃で倒せそうな気もするのだが、僕の力が弱いのか一向に狼は倒れない。
そのうち、別の狼が背後から現れて僕の首を噛んだ。辺りに血を撒き散らそうとも僕の手は止まらない。黄金龍に頭を吹き飛ばされた状態で戦い続けたことだってあるんだ。このくらいまだまだ想定内である。
予想外のことが起きた。意識がブラックアウトしたのだ。
不老不滅は、肉体がその場から消滅したとしても、意識だけは幽霊のようにその場に留まり続ける。それなのに……。
完全に意識が消えた。
(コガネ……コガネ、起きたか?)
「初代様おはようございます」
なんとか体を起こした。陽が暮れ始めているのか、空は既に朱色に染まっていた。僕の周りには四匹の狼の死体が転がっている。
「僕はどれくらい寝ていたんでしょうか?」
(三~四時間ほどだ。肉体の損傷が一定量を越えると意識を失うように、この世界に来て不老不滅も変化をしたようだな)
「それで、記憶が途切れているんですか、この千年、肉体が消滅したとしても……寝ている時でさえ意識が途切れたことがなかったので驚きました。ところでナゼ狼たちは死んでいるんですか?」
(それは、コガネの体を食べたからだろう。黄金龍の肉は弱い生物にとっては毒だからな)
ゾンビアタックは失敗だ。もう少し再生が早ければ使えると思うんだけど、意識を失ってしまっては意味がない。何度かこの状況を繰り返すことで、耐性がついて意識を失う時間が短くなればいいんだけど、収穫は、意識を失った状態でも死とは判定されずに狼が死んだことで経験値が加算されたことだ。1だったレベルが5になってるし、ある程度のレベルになるまで殺され続けるしかないのかもしれない。
問題は、この狼の死体をどうやって運ぶか……だ。
狼の死体はお金になるから全部持ち帰りたいんだけど、一人で四匹を運ぶのは無理だよね。僕の心を読むように初代様が口を挟んだ。
(コガネよ、箱舟世界もほんの少しだが成長したみたいだぞ)
目を閉じて箱舟世界を覗き見る。島の大きさに変化はないみたいだ。何が変わったんだろう?あーこれか……箱舟世界への物の出し入れが出来るようになっていた。入れたい物に触れながら島のどこに物を置くかをイメージするだけで即収納。厄介なのは取り出す時で、入れた物の上に穴を開き、自分の力だけで引き上げなくてはならない。
住人がいれば中から物を渡してくれそうだけど、箱舟世界の住人の登録方法は、僕自身のレベルが低いためかまだ分かっていない。
狼の死体を箱舟世界に入れて出口に向かう。ハルカゼダンジョンは、外に出て三十分以内であれば同じ場所に戻ることが出来るという。それを確かめるためにも、外に出る際、支給品のナイフを目印で置いてきた。
ダンジョンの外に出ると、革鎧がボロボロに破れ服が血塗れだったからだろう、近くの店から大勢の人が僕に向かって駆け寄って来る。
「キミ、大丈夫かい?血塗れじゃないか」
「大丈夫です。見た目はアレですが……これでも無傷なんですよ。魔物の死体を運びたいので荷車を一台お貸しいただけないでしょうか?戻れなくなってしまうと困るので」
周囲が止めるのを聞かずに、荷車を受け取ると僕はもう一度光の扉を潜った。
魔物の死体を運ぶための荷車は無料で借りることができる。この世界には時計がある。一日二十四時間と地球と同じ速さで時間が進む。
採取用のナイフも転がったままだった。同じ場所に戻れるという話は真実なんだろう。
四匹の狼を箱舟世界から取り出すと荷車に積んでいく。黄金龍たちと暮らしていた世界では、お金は必要なかった。しかし、この世界で生きていくためにはお金が必要だ。
使われている硬貨を日本円に換算するなら、おおよそだが、一枚あたり銅貨は十円、銀貨は千円、大銀貨は一万円、金貨は十万円、大金貨は百万円となる。
僕が狼の死体を載せてダンジョンの外に戻ると、店の前には僕の姿を見ようと人だかりが出来ていた。
ダンジョンから魔物の死体を持ち帰ったのは、僕がはじめてだったようで、よく分からないまま祝福の拍手を受けた。しかも、三人でパーティーを組みダンジョンに挑んだ協力者たちが、未だに一組戻ってこないという。僕のように死なない人間なら平気だが、この世界に来たばかりの協力者にとって、このダンジョンは本当に危険な場所なんだろう。
集まった人々の興味は、僕よりも持ち込まれた狼にあったようだ。
「一匹は頭がぐちゃぐちゃに潰れているが、残りの三匹は傷も無く綺麗な状態だ。初物だし一匹大銀貨一枚はかたいんじゃないのか」
商人たちの声が響く。
血だらけの僕を見て医者を呼んでくれたのだろう、白衣を着た三人ほどの大人が遠くから駆けて来る。鏡を見ていなかったため気付かなかったのだが、僕の容姿は十二、三歳と若く、子供の面倒でも見るように周りの大人たちは甲斐甲斐しく世話を焼く。
中身は千歳をとっくに越えた化け物なのだが、医者たちは無傷の僕にただただ目を丸くしていた。大人たちはそれを心から喜んだ。
ご祝儀価格として、狼の死体は四匹大銀貨四枚で買い取ってもらえた。
部屋に戻り、箱舟世界からリュックを取り出して、破けて血塗れになった服から着替える。まだ、箱舟世界の中に建つ小屋の中には入れないみたいだ。リュックの中の服がすべて血塗れになる前に小屋の中に入れればいいんだけど。
着替えてシャワーを浴びた後、食堂へと向かう。とっくに夕食の時間は終わっているが、パンなら夜食として貰うことも出来る。食堂には、まばらだが人がいた。
恐らく混み合っている時間を避けているんだろう、その大半は人以外の顔をした協力者たちだ。彼らは、どこかおどおどしているようにも見えた。
それ故、万が一ダンジョン内で行方不明者が出たとしても捜索隊を出すことも出来ない。早々に仕官する国が決まった協力者たちは、国からハルカゼには入るなと忠告を受けるそうだ。
毎年このダンジョンで、二十~三十人の協力者が命を落とす。
ダンジョンへの入場許可が下りたのは、申請を出した二日後だった。部屋の鍵に付与された道案内の魔法に新たな目的地『ダンジョンの入口』が書き足される。
僕が思い描いていた魔法とは少し違うが、道に迷わなくて済むのは助かる。
ダンジョンの入口には商店があり、武器や防具の装備品の他にも、衣類など日用品を扱う店も並ぶ。協力者たちの姿も見えた。といってもウインドーショッピングだろう、仕官する国が決まらない限り、僕たちには自由に使える金が無い。
ダンジョンの入口のすぐ横にある店の店員から、使い古された革鎧と錆びだらけのメイス、刃こぼれした採取用のナイフが支給品として手渡された。受け取ったことを台帳に記入する。
これ以上の物が欲しいのなら、魔物を倒して自分たちで金を工面しろってことらしい。ダンジョンがひとつしかないこの町では、魔物の素材は他の町に比べて高値で取引されている。
アーガルクルムのダンジョンは、一般的な地下遺跡タイプのものではない。ダンジョンは、様々な顔を見せる異空間であり、それ自体が小さな世界なのだ。目の前の光の扉を潜ればそこはもうダンジョンである。
練習用ダンジョンハルカゼのテーマは『森』だ。入口はひとつだけだが、パーティーを組んでいない限り、入った人間はばらばらの場所に飛ばされる。広大な森の中で協力者同士が顔を合わせる確率はかなり低いそうだ。
一歩踏み出して光の扉を潜る。
目の前には大きな森が広がっていた。練習用ダンジョンだけあって魔物が森から出ることはない。僕がいる森の手前の草原は、このダンジョンの安全エリアだ。後ろには森を囲むように光の壁があり、光の壁に触ることでダンジョンから外に出ることが出来る。
「初代様、いますか?」
僕は自分の中で称号として大人しくする。黄金龍の長、初代千龍皇帝様に声をかけた。
(おお、何か用か?)
「はい、近くに魔物がいるか教えてほしいんですが」
(ふむ、ダンジョンから生まれたモノは全て魔物という話だったな。かなりの数がいるな……小さいのは恐らく餌だろう、コガネと同じくらいの大きさのものも沢山いるぞ)
初代様の声は、僕にしか聞こえない。
「餌用の小さな魔物まで湧くんですね。僕と同じくらいの大きさで、僕でも倒せそうな魔物のいる場所を教えてもらってもいいですか」
(ん?そんな魔物は一匹もいないぞ。どれもコガネより遥かに強い魔物ばかりだ)
「いまの僕って狼よりも弱いんですか……落ち込みます。不老不滅はアーガルクルムでも使えますよね」
(問題ない。再生速度が落ちて少し違うものにはなっているが、コガネが死ぬことはないはずだ)
「それを聞いて安心しました。ありがとうございます」
準備が出来た僕は森へ進んだ。
永遠に滅びることのない化け物じみた体。前世の知識の中から、狼を倒せそうな方法を探す。様々なゲームで強敵と挑むために編み出された必殺技『ゾンビアタック』、死んでも死んでも復活して相手の命を少しずつ削っていく禁断の技だ。
そのはずだったんだけど……想定していた以上に、僕自身が弱過ぎた。左手を噛まれたまま、残った右手に握る錆びたメイスでひたすら狼の頭を殴る。最初の敵なら一撃で倒せそうな気もするのだが、僕の力が弱いのか一向に狼は倒れない。
そのうち、別の狼が背後から現れて僕の首を噛んだ。辺りに血を撒き散らそうとも僕の手は止まらない。黄金龍に頭を吹き飛ばされた状態で戦い続けたことだってあるんだ。このくらいまだまだ想定内である。
予想外のことが起きた。意識がブラックアウトしたのだ。
不老不滅は、肉体がその場から消滅したとしても、意識だけは幽霊のようにその場に留まり続ける。それなのに……。
完全に意識が消えた。
(コガネ……コガネ、起きたか?)
「初代様おはようございます」
なんとか体を起こした。陽が暮れ始めているのか、空は既に朱色に染まっていた。僕の周りには四匹の狼の死体が転がっている。
「僕はどれくらい寝ていたんでしょうか?」
(三~四時間ほどだ。肉体の損傷が一定量を越えると意識を失うように、この世界に来て不老不滅も変化をしたようだな)
「それで、記憶が途切れているんですか、この千年、肉体が消滅したとしても……寝ている時でさえ意識が途切れたことがなかったので驚きました。ところでナゼ狼たちは死んでいるんですか?」
(それは、コガネの体を食べたからだろう。黄金龍の肉は弱い生物にとっては毒だからな)
ゾンビアタックは失敗だ。もう少し再生が早ければ使えると思うんだけど、意識を失ってしまっては意味がない。何度かこの状況を繰り返すことで、耐性がついて意識を失う時間が短くなればいいんだけど、収穫は、意識を失った状態でも死とは判定されずに狼が死んだことで経験値が加算されたことだ。1だったレベルが5になってるし、ある程度のレベルになるまで殺され続けるしかないのかもしれない。
問題は、この狼の死体をどうやって運ぶか……だ。
狼の死体はお金になるから全部持ち帰りたいんだけど、一人で四匹を運ぶのは無理だよね。僕の心を読むように初代様が口を挟んだ。
(コガネよ、箱舟世界もほんの少しだが成長したみたいだぞ)
目を閉じて箱舟世界を覗き見る。島の大きさに変化はないみたいだ。何が変わったんだろう?あーこれか……箱舟世界への物の出し入れが出来るようになっていた。入れたい物に触れながら島のどこに物を置くかをイメージするだけで即収納。厄介なのは取り出す時で、入れた物の上に穴を開き、自分の力だけで引き上げなくてはならない。
住人がいれば中から物を渡してくれそうだけど、箱舟世界の住人の登録方法は、僕自身のレベルが低いためかまだ分かっていない。
狼の死体を箱舟世界に入れて出口に向かう。ハルカゼダンジョンは、外に出て三十分以内であれば同じ場所に戻ることが出来るという。それを確かめるためにも、外に出る際、支給品のナイフを目印で置いてきた。
ダンジョンの外に出ると、革鎧がボロボロに破れ服が血塗れだったからだろう、近くの店から大勢の人が僕に向かって駆け寄って来る。
「キミ、大丈夫かい?血塗れじゃないか」
「大丈夫です。見た目はアレですが……これでも無傷なんですよ。魔物の死体を運びたいので荷車を一台お貸しいただけないでしょうか?戻れなくなってしまうと困るので」
周囲が止めるのを聞かずに、荷車を受け取ると僕はもう一度光の扉を潜った。
魔物の死体を運ぶための荷車は無料で借りることができる。この世界には時計がある。一日二十四時間と地球と同じ速さで時間が進む。
採取用のナイフも転がったままだった。同じ場所に戻れるという話は真実なんだろう。
四匹の狼を箱舟世界から取り出すと荷車に積んでいく。黄金龍たちと暮らしていた世界では、お金は必要なかった。しかし、この世界で生きていくためにはお金が必要だ。
使われている硬貨を日本円に換算するなら、おおよそだが、一枚あたり銅貨は十円、銀貨は千円、大銀貨は一万円、金貨は十万円、大金貨は百万円となる。
僕が狼の死体を載せてダンジョンの外に戻ると、店の前には僕の姿を見ようと人だかりが出来ていた。
ダンジョンから魔物の死体を持ち帰ったのは、僕がはじめてだったようで、よく分からないまま祝福の拍手を受けた。しかも、三人でパーティーを組みダンジョンに挑んだ協力者たちが、未だに一組戻ってこないという。僕のように死なない人間なら平気だが、この世界に来たばかりの協力者にとって、このダンジョンは本当に危険な場所なんだろう。
集まった人々の興味は、僕よりも持ち込まれた狼にあったようだ。
「一匹は頭がぐちゃぐちゃに潰れているが、残りの三匹は傷も無く綺麗な状態だ。初物だし一匹大銀貨一枚はかたいんじゃないのか」
商人たちの声が響く。
血だらけの僕を見て医者を呼んでくれたのだろう、白衣を着た三人ほどの大人が遠くから駆けて来る。鏡を見ていなかったため気付かなかったのだが、僕の容姿は十二、三歳と若く、子供の面倒でも見るように周りの大人たちは甲斐甲斐しく世話を焼く。
中身は千歳をとっくに越えた化け物なのだが、医者たちは無傷の僕にただただ目を丸くしていた。大人たちはそれを心から喜んだ。
ご祝儀価格として、狼の死体は四匹大銀貨四枚で買い取ってもらえた。
部屋に戻り、箱舟世界からリュックを取り出して、破けて血塗れになった服から着替える。まだ、箱舟世界の中に建つ小屋の中には入れないみたいだ。リュックの中の服がすべて血塗れになる前に小屋の中に入れればいいんだけど。
着替えてシャワーを浴びた後、食堂へと向かう。とっくに夕食の時間は終わっているが、パンなら夜食として貰うことも出来る。食堂には、まばらだが人がいた。
恐らく混み合っている時間を避けているんだろう、その大半は人以外の顔をした協力者たちだ。彼らは、どこかおどおどしているようにも見えた。
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