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207話 フナールの要塞攻略2
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✿ゲコタ✿
わしはあんまり飛ぶのが得意じゃないんゲコ、それでも今回は主ドンの期待に答えてみせるゲコ……カエルの脚力で跳び上がり、背中にある四枚のトンボの羽根で空へと飛びあがる。カエルやヘビやトカゲ、両生類や爬虫類と呼ばれる生き物が死んだ後に、春、夏、秋、冬と呼ばれる四人の妖精王のうち、秋の妖精王に気に入られて妖精に生まれ変わったのがわしらウオルルと呼ばれる妖精ゲコ。
ウオルルは『背景同化』と呼ばれる特異技能を持つことから、滅多に人前に姿を現すことは無い。
そんなわしが主ドンの従魔になったのは、運命だったと思うゲコ。主ドンが持つ力『従魔の住処』は妖精にとっての楽園ゲコ。
要塞を囲む城壁の登り一休み、それにしても、近くで見ると本当に魚にしか見えないゲコね。すぐ横には弓を構えて外を見張るフナールたちがいる。城壁の中は、どうなっているんゲコ……真ん中にある大きな建物が、この部屋のボスがいるところゲコね、周りには住居や倉庫っぽい建物が沢山あるゲコ。要塞というよりは、城壁に囲まれた村って感じゲコな。
主ドンに、美味しい虫料理を作ってもらうためにも、わしの力をここで示しておくゲコ。燃えるゲコ。
時間が時間だけに寝ている魔物が多いんだろう、要塞の中は静かだ。それでもちらほら魔物の姿はあり、槍を手にフナールの警備兵たちが要塞の中を巡回している。
モーソンの話だと跳ね橋の裏側に、橋を吊り上げておくための巻き上げ機があるはずなんだゲコ、ん……あれゲコか。
跳ね橋の裏側に降りると、砂漠でクジラ釣りをした時に使った巻き上げ機に似た機械が設置されていた。近くに警備兵はいない。目の前にある太いロープを叩いてみたがビクともしない。頑丈ゲコ……いつもなら諦めて主ドンのもとに帰るのだが、今回はスーパーデリシャスな大イナゴの煮つけを食べるためにも諦めないゲコ。
ウオルルは背景同化を使ったまま、固有魔法『イロイロな泡』は使えない。フナール警備兵が遠ざかるのを確認してから、ロープを登り高い位置で『溶ける泡』を口から吐き出した。
何度も繰り返す……なかなか切れないゲコな、でもだいぶ溶けてはきたゲコ。ぜーぜー息を吐きながらロープに掴まったまま、それを続けた。
「ギャガーギャギャアアアアゴオオ」
見つかってしまった。フナールたちが一斉に騒ぎ出す。泡を吐くのに夢中で、ついつい背景同化を切ったままにしていたのだ。
こうなったら自棄ゲコ、大きく口を膨らませて、めいっぱい『燃える泡』を吐く、ロープに掴まるわし目掛けて沢山の矢が射られた。
(ロープに矢が沢山刺さっているゲコよ、バカゲコ、間抜けゲコ……人が話をしている時に矢を射るのはマナー違反ゲコよ)
念話を送るが、フナールたちは一向に攻撃の手を止めない。ロープが燃えはじめたこともあり、急いで手を離すと、そのまま背景同化で姿を消して逃げ出した。要塞から出るのは難しいゲコ。ロープは勢いよく燃えており、跳ね橋が降りるのも時間の問題に見えた。目指せスーパーデリシャスな大イナゴの煮つけゲコ!
姿を消して逃げているはずなのに、行く先々にフナールが待ち構えていた。……なんでゲコ、どうしてゲコ。
(ん?お前たちはレモンの弟子のヨルイチ、ヨルニ、ヨルサンじゃないゲコか、ふむふむ……主ドンが心配してお前たちを寄越したゲコね、助かるゲコ、隠れる場所を一緒に探してほしいゲコ)
ヨルイチ、ヨルニ、ヨルサンは、影に潜ったまま散らばっていく。ゲコタは建物の横にあった壺の中に身を潜めて三匹が戻るのを待った。隠れるのに丁度良い場所が見つかったみたいだ。三匹を追って走る。
三匹が見つけたのは、要塞の端に建つ小さな倉庫だった。中には箒や塵取りといった掃除道具が入れられている。道具使われている形跡はないゲコね。
主ドンは、この要塞は、ダンジョンさんという存在が人間が築いた要塞を真似て創り出したと話していたゲコ、恐らくこの使われていない掃除道具も人間たちの要塞にあったからという理由で置かれたんだろう。本来ダンジョンの中で産まれた魔物は掃除をしない。ここからフナールたちも探しに来ないゲコよ。
主ドンたちが来るまでここで大人しくしているゲコ。
しばらくして、主ドンの報告に戻ったヨルサンが帰って来た。
どうやら、無事、要塞の門となっていた跳ね橋は降りたみたいだ。何もかも順調にいっているゲコ。
続けて、近くの偵察に出ていた影の魔物である影人のヨルニが戻って来る。
(ほんとゲコか、この場所がバレタかもしれないゲコ?兵士がまっすぐこっちに向かってきている……どうして、この場所がバレタんだゲコ)
ひとつの魔法の存在を思い出した。魔法の名称は『探索』。失くしたモノを探すための魔法だ。条件は術者本人が見たことがある物で無ければ探せない、半径十メートルとけして範囲は広くはないが、要塞を歩き回りこまめに魔法を使えば、この隠れ場所を探すのも難しくないかもしれないゲコ。まさか、術者に姿を見られていたとは思わなかったゲコ、反省ゲコ。
落ち込んでも仕方がないゲコ、急いで別の場所に逃げるゲコ。
ヨルサンは、一人別の方向へと移動した。
恐らく主ドンに報告に向かったんだろう。倉庫を出て走り出すも、行く先々にフナールたちが待ち構えていた。魔法を使って先回りとかズルいゲコ!
建物の上から兵士たちに指示を出すローブを着たフナールの姿。フローラルとレモンにもう少し魔法について詳しく聞いておくべきだったゲコ……あんなに沢山の術者に姿を見られてはいないはずだ。考えられるのは『情報共有』の魔法で共有された標的なら、『探索』の対象になる決まりがあるのかもしれないゲコ。
やらかしたゲコ、スーパーデリシャスな大イナゴの煮つけを食べないまま、こんなところで死にたくないゲコ。
兵士たちから必死に逃げる。辿り着いたのは、行き止まりの路地だった。位置がバレているのなら、魔法が使えるように『背景同化』の技能を解除した方が良いゲコ。弓を構えたまま、じりじりと距離を詰めるフナール。行き止まりの路地を囲む建物の上にいる術師たちが、魔法の詠唱をはじめた。一斉に飛んでくる矢と魔法の矢。
風が吹いた。土埃を上げながらわしを庇うように箱が回転する。その箱は、代わりにすべての矢と魔法の矢を受けた。
(棺ドンゲコ、ありがとうゲコ、助けにきてくれたゲコね)
ラフラー砂漠の砂の滝の底、小さな島の集落で暮らすトトルッポたちが、何百年も守り崇め続けてきた空飛ぶ棺。シルバーフライングシャークのアルジェントと共に空を飛ぶ共通点から仲良くなった、わしの大切な友達。棺ドンが助けにきてくれたゲコ。
棺ドンが〝掴まって〟と叫んだ気がしたゲコ。
わしは必死に友人の体に巻かれた銀の鎖に手を伸ばした。
わしはあんまり飛ぶのが得意じゃないんゲコ、それでも今回は主ドンの期待に答えてみせるゲコ……カエルの脚力で跳び上がり、背中にある四枚のトンボの羽根で空へと飛びあがる。カエルやヘビやトカゲ、両生類や爬虫類と呼ばれる生き物が死んだ後に、春、夏、秋、冬と呼ばれる四人の妖精王のうち、秋の妖精王に気に入られて妖精に生まれ変わったのがわしらウオルルと呼ばれる妖精ゲコ。
ウオルルは『背景同化』と呼ばれる特異技能を持つことから、滅多に人前に姿を現すことは無い。
そんなわしが主ドンの従魔になったのは、運命だったと思うゲコ。主ドンが持つ力『従魔の住処』は妖精にとっての楽園ゲコ。
要塞を囲む城壁の登り一休み、それにしても、近くで見ると本当に魚にしか見えないゲコね。すぐ横には弓を構えて外を見張るフナールたちがいる。城壁の中は、どうなっているんゲコ……真ん中にある大きな建物が、この部屋のボスがいるところゲコね、周りには住居や倉庫っぽい建物が沢山あるゲコ。要塞というよりは、城壁に囲まれた村って感じゲコな。
主ドンに、美味しい虫料理を作ってもらうためにも、わしの力をここで示しておくゲコ。燃えるゲコ。
時間が時間だけに寝ている魔物が多いんだろう、要塞の中は静かだ。それでもちらほら魔物の姿はあり、槍を手にフナールの警備兵たちが要塞の中を巡回している。
モーソンの話だと跳ね橋の裏側に、橋を吊り上げておくための巻き上げ機があるはずなんだゲコ、ん……あれゲコか。
跳ね橋の裏側に降りると、砂漠でクジラ釣りをした時に使った巻き上げ機に似た機械が設置されていた。近くに警備兵はいない。目の前にある太いロープを叩いてみたがビクともしない。頑丈ゲコ……いつもなら諦めて主ドンのもとに帰るのだが、今回はスーパーデリシャスな大イナゴの煮つけを食べるためにも諦めないゲコ。
ウオルルは背景同化を使ったまま、固有魔法『イロイロな泡』は使えない。フナール警備兵が遠ざかるのを確認してから、ロープを登り高い位置で『溶ける泡』を口から吐き出した。
何度も繰り返す……なかなか切れないゲコな、でもだいぶ溶けてはきたゲコ。ぜーぜー息を吐きながらロープに掴まったまま、それを続けた。
「ギャガーギャギャアアアアゴオオ」
見つかってしまった。フナールたちが一斉に騒ぎ出す。泡を吐くのに夢中で、ついつい背景同化を切ったままにしていたのだ。
こうなったら自棄ゲコ、大きく口を膨らませて、めいっぱい『燃える泡』を吐く、ロープに掴まるわし目掛けて沢山の矢が射られた。
(ロープに矢が沢山刺さっているゲコよ、バカゲコ、間抜けゲコ……人が話をしている時に矢を射るのはマナー違反ゲコよ)
念話を送るが、フナールたちは一向に攻撃の手を止めない。ロープが燃えはじめたこともあり、急いで手を離すと、そのまま背景同化で姿を消して逃げ出した。要塞から出るのは難しいゲコ。ロープは勢いよく燃えており、跳ね橋が降りるのも時間の問題に見えた。目指せスーパーデリシャスな大イナゴの煮つけゲコ!
姿を消して逃げているはずなのに、行く先々にフナールが待ち構えていた。……なんでゲコ、どうしてゲコ。
(ん?お前たちはレモンの弟子のヨルイチ、ヨルニ、ヨルサンじゃないゲコか、ふむふむ……主ドンが心配してお前たちを寄越したゲコね、助かるゲコ、隠れる場所を一緒に探してほしいゲコ)
ヨルイチ、ヨルニ、ヨルサンは、影に潜ったまま散らばっていく。ゲコタは建物の横にあった壺の中に身を潜めて三匹が戻るのを待った。隠れるのに丁度良い場所が見つかったみたいだ。三匹を追って走る。
三匹が見つけたのは、要塞の端に建つ小さな倉庫だった。中には箒や塵取りといった掃除道具が入れられている。道具使われている形跡はないゲコね。
主ドンは、この要塞は、ダンジョンさんという存在が人間が築いた要塞を真似て創り出したと話していたゲコ、恐らくこの使われていない掃除道具も人間たちの要塞にあったからという理由で置かれたんだろう。本来ダンジョンの中で産まれた魔物は掃除をしない。ここからフナールたちも探しに来ないゲコよ。
主ドンたちが来るまでここで大人しくしているゲコ。
しばらくして、主ドンの報告に戻ったヨルサンが帰って来た。
どうやら、無事、要塞の門となっていた跳ね橋は降りたみたいだ。何もかも順調にいっているゲコ。
続けて、近くの偵察に出ていた影の魔物である影人のヨルニが戻って来る。
(ほんとゲコか、この場所がバレタかもしれないゲコ?兵士がまっすぐこっちに向かってきている……どうして、この場所がバレタんだゲコ)
ひとつの魔法の存在を思い出した。魔法の名称は『探索』。失くしたモノを探すための魔法だ。条件は術者本人が見たことがある物で無ければ探せない、半径十メートルとけして範囲は広くはないが、要塞を歩き回りこまめに魔法を使えば、この隠れ場所を探すのも難しくないかもしれないゲコ。まさか、術者に姿を見られていたとは思わなかったゲコ、反省ゲコ。
落ち込んでも仕方がないゲコ、急いで別の場所に逃げるゲコ。
ヨルサンは、一人別の方向へと移動した。
恐らく主ドンに報告に向かったんだろう。倉庫を出て走り出すも、行く先々にフナールたちが待ち構えていた。魔法を使って先回りとかズルいゲコ!
建物の上から兵士たちに指示を出すローブを着たフナールの姿。フローラルとレモンにもう少し魔法について詳しく聞いておくべきだったゲコ……あんなに沢山の術者に姿を見られてはいないはずだ。考えられるのは『情報共有』の魔法で共有された標的なら、『探索』の対象になる決まりがあるのかもしれないゲコ。
やらかしたゲコ、スーパーデリシャスな大イナゴの煮つけを食べないまま、こんなところで死にたくないゲコ。
兵士たちから必死に逃げる。辿り着いたのは、行き止まりの路地だった。位置がバレているのなら、魔法が使えるように『背景同化』の技能を解除した方が良いゲコ。弓を構えたまま、じりじりと距離を詰めるフナール。行き止まりの路地を囲む建物の上にいる術師たちが、魔法の詠唱をはじめた。一斉に飛んでくる矢と魔法の矢。
風が吹いた。土埃を上げながらわしを庇うように箱が回転する。その箱は、代わりにすべての矢と魔法の矢を受けた。
(棺ドンゲコ、ありがとうゲコ、助けにきてくれたゲコね)
ラフラー砂漠の砂の滝の底、小さな島の集落で暮らすトトルッポたちが、何百年も守り崇め続けてきた空飛ぶ棺。シルバーフライングシャークのアルジェントと共に空を飛ぶ共通点から仲良くなった、わしの大切な友達。棺ドンが助けにきてくれたゲコ。
棺ドンが〝掴まって〟と叫んだ気がしたゲコ。
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