戦場のガゼルアイン 少年兵トマ=アデライドの選択。

たゆ

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0話 第百五十三小隊の紹介とはじまり

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 バルガス王国。この国では、昨年まで十年に及ぶ大きな内戦が続いていた。
 発端は後継者問題だ。王が後継者を決めずに流行り病で急死、長男が世襲制で王位を継ぐ国もあるのだが、バルガス王国は、生まれ順に関係なく優秀な者こそ王位を継ぐべしと考える実に頭の柔らかい国だった。
 結果。第一王子と第三王子が共に自分こそが王位に相応しいと名乗りを上げ、国は一気に混乱に包まれる。
 第一王子は南方の貴族の後ろ盾を多く持ち、第三王子は北方の貴族からの後ろ盾を持っていた。これにより、第一王子派と第三王子派は、己の優秀さを競うように国を南北に分けて戦争を開始したのである。
 戦争により恩恵を得たのは、ごく一部の貴族と死の商人と呼ばれる武器を中心に扱う商人ばかり、国民の多くはこの戦争によって多くの痛みを負ってしまった。
 その中でも特に平民たちの状況は目も当てられないほどで、働き盛りの男たちが、容赦なく徴収されて兵役へと就かせられたのだ。
 結局、この十年で得られたのは、国力の低下と空席の王位。国内には多くの反政府組織を生み、今も小競り合いが続いている。周辺諸国が反政府組織へと資金を流してるなんて噂も聞く。
 二人の王子とその取り巻きの貴族たちは、戦争を続ける体力を失い。終いには国を二つに割ってしまった。
 国の情勢を見る限り、第一王子も第三王子も王位を継ぐには力が足りなかったのだろう。

     ✿

 『この戦争の一番の被害者は、国に親を盗られた子供たちだ。俺らは運が良い方さ、拾ってくれる人がいたんだから……』と、一緒の任務で同行した少年は言った。
 その言葉を思い出しながら、僕は、先日の戦いで使った武器の整備をしている。国で起きている小競り合いの中心に、僕たちはいるのだ。
 僕は少年兵として反政府組織に所属している。

「おい、お前ら!二日後に政府の食糧輸送車を襲う。得物はきっちり整備しておけよ、それとヤス、お前は今回の仕事が終われば卒業だ。よく頑張ったな、オヤジもお前のことを褒めていたぞ」
「グルノーさんありがとうございます。最後の仕事でもオヤジに褒めてもらえるよう沢山敵を殺してみせます」
「そうだ、その意気だ頑張れよ!人の価値は、バカ王子共の兵士を殺した数で決まる。お前の夢は牧場主だったな、卒業後はオヤジがお前の夢のために資金を融通してくれるそうだ。良かったな」
「ありがとうございます」

 気合を入れるようにグルーノ=ヤーシスは大声を出した。それに応えるヤス=マリノルトも嬉しそうだ。

 オヤジ――親のいない孤児だった僕たちを拾って、居場所を与えてくれた恩人の愛称だ。本当の名前は知らない。僕たちはバルガス王国にある砂漠地帯を中心に活動する反政府組織で、子供六人と監督者である大人一人、合計七人でチームを組み活動している。作戦の際には、同じ人数の五、六チームが集まり協力して任務をこなすのだ。

 ヤス=マリノルト。一週間後十五度目の誕生日を迎える僕らの兄貴分である。この部屋にいるのは全員がバルガス王国の出身で、体格や髪型や性別は違えど、みな黄色みがかった肌と、濃い茶色の髪と虹彩をしている。
 僕らは〝オヤジ〟が創始者である反政府組織『千の蜘蛛』の少年兵であり、唯一の大人、グルノー=ヤーシスは、監督者として僕らに指示を出すためにここにいる。

 卒業除隊という話が出たが、僕らが少年兵として戦うのは十五歳までなのだ。十五になれば自分のやりたいことを選び、千の蜘蛛は、その支援も惜しまない。もちろん望めば兵士として残ることも出来る。
 ここにいる全員が孤児であり、国をボロボロにした二人の王子と貴族への強い恨みを抱いている。
 除隊が十五歳というのにもワケがある。十五年目に人は魔力転換期を迎えるのだ。体の中の魔力が大人へと変貌を遂げる年齢。
 魔力転換期とは、新しい能力ちからを授かる瞬間のことだ。力を得る代償として、生まれてから当たり前のように持っていた魔力の大半を失う。いま僕らが整備している武器は、魔導銃マドウガンと呼ばれる古代遺跡から発掘される失われた技術ロストテクノロジーで作られた武器で、鉄の弾を物凄い速度で撃ち出すことが出来る人殺しの道具だ。大人になると、魔導銃マドウガンは扱えなくなる。この世界で少年兵が求められるのも、これが理由である。

 魔力とは――人が生まれながらに持つ未知の力であり、過去、その力の秘密を解き明かした古代人たちは、遺跡に多くの人工遺物アーティファクトを残した。現代人は、魔力が何なのかを知らない。唯一知っているのが、人工遺物アーティファクトを使うための力であるということだけだ。

 十五歳に起こる魔力転換期――体の中の魔力が膨張して一気に砕け散る現象。その現象と共に人の体には聖痕と呼ばれる紋章が浮かび、紋章の種類によって人工遺物アーティファクトへの適性も決まる。

「ヤスニイ卒業しちゃうのー寂しくなるよ」
「そう言うなって、ポコルが卒業したら俺の牧場で雇ってやるからよ」
「本当、約束だよ。やったー!そのためにも僕も頑張って沢山敵を殺さなきゃだね」
「ああ、そうだ。オヤジのためにも頑張れよ」

 ポコル=ジフリールは、僕らの中で一番背が小さく幼い。僕らの弟分に当たる最年少の十歳の男の子だ。少しぽっちゃり体型で食いしん坊、甘いお菓子には特に目がない。僕らの中で唯一魔導銃マドウガンの引き金を引くことを躊躇う優しさを残している。ポコルのような存在は、自分が人間だと知るためにも必要なんだろう、僕らは人を殺すことに慣れ過ぎているのだ。
 僕らは物心ついた頃から、敵である王子派の人間を殺せば殺すほど、死んだ後に戦争のない世界……天国に行けると教えられてきた。そのことに一切の疑いは無い。僕らは、救われるために敵を殺す。

「ヤス兄の後、どんな子が来るのかな?女の子だと嬉しいなー」
「うんうん、私とエミリの二人だといつも男子に多数決で負けちゃうんだもん。公平に男女半々にしてほしいわ」
「そうよね!アリスならそう言うと思ってたわ。次は女の子が良い」

 エミリ=カラドリス。十二歳、こう言うと殴られるかもしれないが……一応女の子だ。髪の手入れが面倒だからと髪を短く切ったり、戦場でも常に先頭を行く男らしさ、それでいて短気、僕らの中では一番喧嘩っ早い。もう一度言おう目付きが悪く、胸もあまりないが、これでも女の子なのだ。
 考えたことが顔に出ていたのかもしれない……エミリに睨まれた僕は、慌てて顔を逸らした。
 アリス=シフォン。十一歳、エミリとは正反対の性格で、とにかく女の子らしい。料理が得意で、この部隊の料理担当コック長でもある。僕ら男子は、みながっちり胃袋を掴まれているわけだ。お陰で僕らはアリスには頭が上がらない。

 卒業や戦死者で欠員が出た場合、新しい仲間が配属されるまで作戦からは外される。その間は、他チームの武器や車両の整備が仕事となる。戦場にいた方が良いのか、安全地帯で機械と戯れていた方がいいのか、どっちが得でどっちが損なのかは分からない。後者の方が面倒で退屈な仕事なのは確かだ。

「別に女でも男でも、使える奴ならどっちでもいいだろ」
「ザインは男子が多いから、そう言うんでしょ!食事のメニューだってアリスが作るのに多数決で肉ばっかだし、少しは私たちの美容にも気を配ってほしいものだわ」
「何が美容だよ、気にしたことも無いくせに、このゴリラ女」

 ザイン=ゼルケ。十三歳、六人の中で一番僕と仲が良いのが彼だ。やんちゃな性格をしていて、何かある度にエミリにちょっかいを出しては喧嘩になる。僕とザインは、同い年で配属日も一緒の腐れ縁である。
 そして最後が僕、トマ=アデライド。この六人が千の蜘蛛に所属する『第百五十三小隊』のメンバーだ。

 僕らは、ヤス兄との最後の作戦を誰一人欠ける事無く無事乗り切った。他の小隊と連携して政府の食糧輸送車の襲撃を無事成功させたのだ。もちろん、乗っていた人間は皆殺しにした。
 その夜。細やかなお別れ会を開いて、みんなで泣きながらヤス兄とのお別れを惜しんだ。

 ヤス兄がいなくなってから、三日が過ぎた。僕ら第百五十三小隊のベースキャンプには、他の部隊で使う輸送車両一台と魔導人形マシンドールと呼ばれる人工遺物アーティファクトが二機、ライフル型の魔導銃マドウガン十五丁が運ばれてきた。といっても人工遺物アーティファクトは、自己修復機能を持っているため、僕らの仕事は戦闘時よりスムーズに動くよう油を差したり、可動部に詰まった砂を除去したりと、整備というよりは清掃が中心だ。
 この中で唯一、整備らしい整備をするのが、人工遺物アーティファクトを真似て作られた輸送車両だ。グルノーさんは、整備が面倒と言わんばかりに、他部隊の監督者との会合を言い訳に、ここより車で半日ほど離れた場所にある町へと行ってしまった。あの様子だと三日は帰ってこないだろう。
 砂嵐が起きれば、一週間近く留守になるかもしれない。

 三年前か、一度グルノーさんが町に行っている隙にみんなで逃げ出そうと計画したことがある。
 魔力転換期前の子供には聖痕がない。車もそうだが、失われた技術ロストテクノロジーで作られた人工遺物アーティファクトの多くは、聖痕が無いと動かすことすら出来ないのだ。日中と夜間で大きく気温差のある砂漠を体一つで渡るなど不可能だ。どうして魔導銃マドウガンだけが、その理屈から洩れるのか不思議ではある。
 ここは、陸の孤島で独房のようなものだと、卒業した先輩が言った言葉を思い出す。

 その夜、砂嵐が来た。この地域では、一度大きな砂嵐が来ると一週間は荒れ続ける。グルノーさんは、今頃この砂嵐を言い訳に、町の滞在が長くなったことを喜んでいるだろう。オヤジは尊敬しているが、グルノーさんは単なる仕事のパートナーであり、どちらかといえば嫌いなタイプの人間だ。上の顔色ばかり窺い、気に入らないことがあると僕たちを殴ってストレスを発散した。彼の顔を見ないで済むのは正直嬉しい。

「トマ、亀が心配だからちょっと外みてくるわ」
「了解、何かあったら呼びに来てよ。それと大きな嵐が来そうだからゴーグルも忘れないでね」

 ザインは砂から目を守るゴーグルを付けると、すっぽり頭から布を被り明かりのついたカンテラを手に小屋の外へと出ていった。砂嵐対策で小屋の扉は二重になっているため、砂が僕らのいる部屋まで吹き込んでくることはない。
 ザインが亀と呼んだのは、今回持ち込まれた魔導人形マシンドールの仇名だ。正式名称、〇三式ぜろさんしき汎用型魔導人形タージル。もっとも多く遺跡から発掘されている汎用型魔導人形で、丸い本体と四本の脚が付いていることから、千の蜘蛛では亀と呼んでいる。

「今頃グルーノの奴、嵐が来たことを喜んでるじゃない。顔を見ないでせいせいするけど」
「私もグルノーさん嫌い……嫌らしい目で見てくるんだもん……」
「アリスは、お風呂も覗かれていたもんね……」
「……うん」
「あたしらが孤児だと思って、あいつは見下しているんだ。チョコレートあげるから抱かせろって言うんだよ、そんな安い女じゃないってーの」

 少年兵、特に少女が監督者の大人に乱暴されるなんてことは日常茶飯事だ。大人は異性を無性に求めたくなることがあるんだと、風呂を覗いたのがバレテ、エミリからぼこぼこにされたグルノーさんが、タバコを銜えながら言い訳のようにぼやいていた。グルノーさんはエミリとアリスのことを力づくで乱暴しようとしたことは一度もない。監督者の中では、まともな方なんじゃないだろうか?その分男子が殴られているのだが……僕ら少年兵にとって人権などあってないようなものだ。魔導銃マドウガンの引き金を引けば殴られることもなくなるのだが、何かが邪魔をしてそれは出来なかった。

「ねぇートマ、ザイン遅いよ?」

 ポコルは、甘えた目付きで首を傾けながら僕の膝に抱き付いてきた。ヤス兄がいなくなってから、ポコルは僕に甘えるようになった。まだ十歳だ仕方がない。
 確かに……見回りにしては少し遅い気がする。

 その時、小屋の扉が大きな音を立てて開いた。

「ちょっとザイン、外の扉をキチンと閉めなさいよ。砂が入ってくるじゃない」
「ヤス兄が……ヤス兄が……大変なんだ」

 ザインの顔は真っ青だった。目も涙で潤んでいる。壁に掛かっていたゴーグルを取ると、砂除けの布を被りザインに続いてみんなで外に出た。
 ……凄い砂嵐だ。僕ははぐれないようにポコルの手を握る。
 ザインが向かったのは少し離れた場所にあるグルーノさんが生活する小屋だった。いつもなら扉には大きな錠前が付けられているのだが、忘れたんだろう何もない……ザインがドアに手をかけると、すんなりと扉は開いた。急いで小屋の中に入る。
 ザインが荒らしたんだろう、小屋の中は散らかっていた。テーブルはひっくり返り床に敷かれた絨毯はめくれている。流石にこれはやり過ぎだ。帰ってきたら確実に殴られる。そんな僕の不安を余所に、ザインはそのまま絨毯をどけると床にあった隠し扉を開いた。

「こっちだ……」

 隠し扉があること自体僕らは知らなかった。隠し扉を開けて地下室へと降りる。途端に嫌な臭いがした。

「ちょっと……何よこの臭い……気持ち悪い」

 エミリが鼻と口を手で覆い顔を顰める。地下室には幾つもの鉄格子がはめられた部屋があった。牢屋だ……腐った食べ物から出る異臭が鼻を刺す。
 ザインは、奥の牢屋に向かって走り出した。誰もが聞きたくなかったザインの言葉。

「ヤス兄、起きてよ……ヤス兄」

 涙声が地下牢に響く。急いでザインの後を追った。そこには、部隊を卒業して牧場主を夢見て旅立ったはずのヤス兄が倒れていた。
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