46 / 157
第3章「魔法大会予選 ‐エルクの秘められた力‐」
第5話「予選の方針」
しおりを挟む
「最初の週の中央予選で良いでしょ?」
「リンは参加しないので、どれでも良いです」
「中央予選で良いと思う」
うん、予想通りと言えば予想通りの反応。
激戦区になる理由の一つが「よくわからないから、とりあえず最初の中央予選で良いや」って感じなんだろうな。
最初の週の中央予選は一番少ない所と比べて、毎年3倍近い参加者になってるみたいだし。
でもここで「強い人が多いから別の予選にしましょう」なんて言えば不信感を持たれかねない。
彼女達からしたら侮辱されたと思われてしまうかもしれないし。
だから慎重に、そしてさりげなく誘導しよう。
「いえ、僕は最初の週の予選に出るのは反対です」
彼女達が「なんで?」と言う目で僕を見ている。
「ヴェル魔法大会は初めての参加になります。だからまずはどんな感じか見ておいた方が良いと思うんだ」
「別に見ても見なくても一緒じゃない?」
「一緒じゃありませんよ。試合会場の下見とルールは確認しましたが、実際にやるとなるとどんな雰囲気になるかわかりません」
「雰囲気?」
サラが頭に「?」を浮かべ小首をかしげる。
「はい、大会当日はお客さんが一杯います。そんな大勢の前で戦うとなれば当然緊張するはずです」
「う、う~ん? リンとアリアはどう思う?」
「私は大勢の前に立ったことがないから、わからない」
「確かに沢山の人に見られる時は、ビックリするです」
意外にリンは大勢の前に立ったことがあるようだ。
見られてたと言う事は、何かの発表会だろうか? 発表……あっ……
「それってもしかして」
「リンが奴隷の競りに出された時です」
軽く重い事言いだした!?
そして僕は黙ってしまった。何と声をかければ良いかわからない。
サラもアリアも何とも言えない表情をしている。
リンはそんな僕たちをキョロキョロと見て、苦い顔になった。
多分リンにとっては軽く話せるくらい、気にならない過去の話だったんだろう。
もしくは僕らに対して軽く話せるほど、信頼を感じていたのかもしれない。
それが、僕たちにとっては更に重く感じる。
リンの助けを求める視線に、サラが「えっ……あっ……」と何かを言おうとして。やはり何も言えない。
おろおろし始めたリンの目に涙が溜まり出した。どうすればわからなくなって泣いちゃうパターンだこれ。
その後にサラが僕に怒鳴ってくるまでがワンセットだ。実際に僕が言いだしたのが原因だから相手を間違えてるわけじゃないんだけど。
ならアリアは……ダメだ。無言でじーっと僕を見てるだけだ、「リンが泣いたら私も泣く」と言わんばかりに、もうすでに目が赤くなってきている。
何かないか? 何か……そうだ!
「リン、僕もリンとお揃いにゃ」
そう、先日リンの服を買いに行くついでに購入した猫耳と尻尾だ!
僕は猫耳と尻尾を装着し、ハートのエプロンもついでに装着だ。
彼女達はドン引きしてるだろうけど。もうどうにでもな~れ。
「リン大好きにゃ」
そしてリンに飛びかかり抱き着く、そして頬ずり。
猫耳に付いた鈴を「チリンチリン」と鳴らしながら、何度も「大好きにゃ」と言って力いっぱい抱きしめてみる。
何をしているのかって? 僕にもそれはわからない!
リンを泣かしてはいけない。その衝動が僕を突き動かしているんだ!
……あれ? いつものリンなら舌打ちしてくると思ったんだけど、舌打ちされないぞ?
やばい、流石にやり過ぎたか?
恐る恐るリンの顔を見ると、リンの顔が真っ赤になっていた。
湯気でも噴き出しそうなくらいに顔を赤くして、なすがままになっていた。
そこで僕は正気に戻った。
「えっと……」
完全に固まっているリンを抱きしめながら、二人を見てみる
アリアは普段の無表情が完全に崩れ、眉間にしわを寄せて頭に「?」を浮かべている。
そしてサラの顔がヤバイ、鬼や悪魔ですら裸足で逃げ出しそうなレベルでヤバイ。
あぁ、死んだな僕。
いいや、まだ手はある。
恐怖をコントロールするんだ、もう一度理性を飛ばすんだ。
「サラはリンとお揃いにしないのかにゃ?」
そう言って猫耳と尻尾を、彼女の前に投げてよこす。
近づいて渡そうものなら命の保証はないだろう。
「アリアの分もあるにゃ」
「なんで!?」と言う顔をされた。それはサラに言ってほしい、3人分買ったのは彼女だから。
どうしようもなくカオスな状況だ。後は乗らざる得ない状況に持ち込むだけだ。
「二人はリンが好きじゃないにゃ?」
情に訴える。まるで「ここで猫耳付けないとリンが好きじゃない」みたいな空気を出して。
そして僕の言葉に反応して、リンが二人と足元にある猫耳を交互に見つめる。
多分状況がわからずに見回しただけなのだろうが、彼女達にとってはその視線が愛情を試されているように感じたのだろう。
「アリアもリンが大好きにゃ」
戦士の直観と反応速度によるものなのだろう。
リンの視線を受け、即座に猫耳と尻尾を拾い上げ装着して抱き着いてきた。
僕と反対側のリンの頬に頬ずりしながら。
「リンも、大好きにゃ」
気づけば語尾の「にゃ」が伝染していた。
普段と違い顔を赤らめ素直になっている。凄く新鮮だ。
「サ、サラもリンが大・大・大好きにゃ!」
チリンチリンと鈴を鳴らし、笑顔で僕を殴り飛ばし、リンに抱き着くサラ。
「ゴフッ」
普段の彼女と比べて明らかに力が強くなっている。補助魔法か何かで身体能力を強化して殴ったのだろうか。
そのまま錐揉み状態で吹き飛び、僕はベットの上に落下した。
「本当はリンに、一杯一杯こうしたかったにゃ」
ドサクサに紛れて本音をぶちまけていくサラ。
リンの体を撫でまわし、頭を撫でながら頬ずりをしたり、首筋や胸に顔をうずめたりしてクンカクンカと匂いを嗅いだりしている。
「あぁん、もうリン可愛い、チュッチュ」
「サラやめるです。わかったからもうやめるです」
腕の中でもがくリンの頬に、これでもかと言わんばかりにキスし始めた。
だめだ、サラが完全に暴走している。もはや理性は完全に吹き飛んだようだ。
そのおかげで僕とアリアは正気に戻れたけど。
暴走しているサラに恐怖を感じたのか、リンが助けを求めて僕に手を伸ばすが、目をそらすしかなかった。リンと同じように僕も今のサラに恐怖を感じているからね。
先ほどからずっとリンが本気でもがいてるのに、一向にサラの腕からは全然逃れられない。
「多分、サラは無意識で補助魔法を自分にかけ続けてる。すごい」
「確かに凄いけど……」
今の彼女は魔術師ではなく、狂戦士だ。
とても僕の手には負えそうにない、ならやる事はただ一つ。
「僕も入れるにゃ」
彼女の狂化が解けた時が、僕の最期だろう。
ならば僕も理性を吹き飛ばして今を楽しもうじゃないか!
両手を高く上げ、行進でもするようなわざとらしい足取りで近づく。
アリアが僕の肩をトントンしてる、彼女も理性なんて取っ払うべきだ。
さぁ一緒にやるにゃ!
「エルク、ドア」
ドアがどうしたんだ? あっ……
「一応ノックはしたんだが、取り込み中だったようだ。すまない」
そこには物凄く申し訳なさそうな顔をした、シオンさん達が居た。
「……いえ、気にしてませんので。あの、サラの暴走止めるの手伝ってもらって宜しいですか?」
この後冷静になったサラとリンに涙が出るほど殴られた。
「リンは参加しないので、どれでも良いです」
「中央予選で良いと思う」
うん、予想通りと言えば予想通りの反応。
激戦区になる理由の一つが「よくわからないから、とりあえず最初の中央予選で良いや」って感じなんだろうな。
最初の週の中央予選は一番少ない所と比べて、毎年3倍近い参加者になってるみたいだし。
でもここで「強い人が多いから別の予選にしましょう」なんて言えば不信感を持たれかねない。
彼女達からしたら侮辱されたと思われてしまうかもしれないし。
だから慎重に、そしてさりげなく誘導しよう。
「いえ、僕は最初の週の予選に出るのは反対です」
彼女達が「なんで?」と言う目で僕を見ている。
「ヴェル魔法大会は初めての参加になります。だからまずはどんな感じか見ておいた方が良いと思うんだ」
「別に見ても見なくても一緒じゃない?」
「一緒じゃありませんよ。試合会場の下見とルールは確認しましたが、実際にやるとなるとどんな雰囲気になるかわかりません」
「雰囲気?」
サラが頭に「?」を浮かべ小首をかしげる。
「はい、大会当日はお客さんが一杯います。そんな大勢の前で戦うとなれば当然緊張するはずです」
「う、う~ん? リンとアリアはどう思う?」
「私は大勢の前に立ったことがないから、わからない」
「確かに沢山の人に見られる時は、ビックリするです」
意外にリンは大勢の前に立ったことがあるようだ。
見られてたと言う事は、何かの発表会だろうか? 発表……あっ……
「それってもしかして」
「リンが奴隷の競りに出された時です」
軽く重い事言いだした!?
そして僕は黙ってしまった。何と声をかければ良いかわからない。
サラもアリアも何とも言えない表情をしている。
リンはそんな僕たちをキョロキョロと見て、苦い顔になった。
多分リンにとっては軽く話せるくらい、気にならない過去の話だったんだろう。
もしくは僕らに対して軽く話せるほど、信頼を感じていたのかもしれない。
それが、僕たちにとっては更に重く感じる。
リンの助けを求める視線に、サラが「えっ……あっ……」と何かを言おうとして。やはり何も言えない。
おろおろし始めたリンの目に涙が溜まり出した。どうすればわからなくなって泣いちゃうパターンだこれ。
その後にサラが僕に怒鳴ってくるまでがワンセットだ。実際に僕が言いだしたのが原因だから相手を間違えてるわけじゃないんだけど。
ならアリアは……ダメだ。無言でじーっと僕を見てるだけだ、「リンが泣いたら私も泣く」と言わんばかりに、もうすでに目が赤くなってきている。
何かないか? 何か……そうだ!
「リン、僕もリンとお揃いにゃ」
そう、先日リンの服を買いに行くついでに購入した猫耳と尻尾だ!
僕は猫耳と尻尾を装着し、ハートのエプロンもついでに装着だ。
彼女達はドン引きしてるだろうけど。もうどうにでもな~れ。
「リン大好きにゃ」
そしてリンに飛びかかり抱き着く、そして頬ずり。
猫耳に付いた鈴を「チリンチリン」と鳴らしながら、何度も「大好きにゃ」と言って力いっぱい抱きしめてみる。
何をしているのかって? 僕にもそれはわからない!
リンを泣かしてはいけない。その衝動が僕を突き動かしているんだ!
……あれ? いつものリンなら舌打ちしてくると思ったんだけど、舌打ちされないぞ?
やばい、流石にやり過ぎたか?
恐る恐るリンの顔を見ると、リンの顔が真っ赤になっていた。
湯気でも噴き出しそうなくらいに顔を赤くして、なすがままになっていた。
そこで僕は正気に戻った。
「えっと……」
完全に固まっているリンを抱きしめながら、二人を見てみる
アリアは普段の無表情が完全に崩れ、眉間にしわを寄せて頭に「?」を浮かべている。
そしてサラの顔がヤバイ、鬼や悪魔ですら裸足で逃げ出しそうなレベルでヤバイ。
あぁ、死んだな僕。
いいや、まだ手はある。
恐怖をコントロールするんだ、もう一度理性を飛ばすんだ。
「サラはリンとお揃いにしないのかにゃ?」
そう言って猫耳と尻尾を、彼女の前に投げてよこす。
近づいて渡そうものなら命の保証はないだろう。
「アリアの分もあるにゃ」
「なんで!?」と言う顔をされた。それはサラに言ってほしい、3人分買ったのは彼女だから。
どうしようもなくカオスな状況だ。後は乗らざる得ない状況に持ち込むだけだ。
「二人はリンが好きじゃないにゃ?」
情に訴える。まるで「ここで猫耳付けないとリンが好きじゃない」みたいな空気を出して。
そして僕の言葉に反応して、リンが二人と足元にある猫耳を交互に見つめる。
多分状況がわからずに見回しただけなのだろうが、彼女達にとってはその視線が愛情を試されているように感じたのだろう。
「アリアもリンが大好きにゃ」
戦士の直観と反応速度によるものなのだろう。
リンの視線を受け、即座に猫耳と尻尾を拾い上げ装着して抱き着いてきた。
僕と反対側のリンの頬に頬ずりしながら。
「リンも、大好きにゃ」
気づけば語尾の「にゃ」が伝染していた。
普段と違い顔を赤らめ素直になっている。凄く新鮮だ。
「サ、サラもリンが大・大・大好きにゃ!」
チリンチリンと鈴を鳴らし、笑顔で僕を殴り飛ばし、リンに抱き着くサラ。
「ゴフッ」
普段の彼女と比べて明らかに力が強くなっている。補助魔法か何かで身体能力を強化して殴ったのだろうか。
そのまま錐揉み状態で吹き飛び、僕はベットの上に落下した。
「本当はリンに、一杯一杯こうしたかったにゃ」
ドサクサに紛れて本音をぶちまけていくサラ。
リンの体を撫でまわし、頭を撫でながら頬ずりをしたり、首筋や胸に顔をうずめたりしてクンカクンカと匂いを嗅いだりしている。
「あぁん、もうリン可愛い、チュッチュ」
「サラやめるです。わかったからもうやめるです」
腕の中でもがくリンの頬に、これでもかと言わんばかりにキスし始めた。
だめだ、サラが完全に暴走している。もはや理性は完全に吹き飛んだようだ。
そのおかげで僕とアリアは正気に戻れたけど。
暴走しているサラに恐怖を感じたのか、リンが助けを求めて僕に手を伸ばすが、目をそらすしかなかった。リンと同じように僕も今のサラに恐怖を感じているからね。
先ほどからずっとリンが本気でもがいてるのに、一向にサラの腕からは全然逃れられない。
「多分、サラは無意識で補助魔法を自分にかけ続けてる。すごい」
「確かに凄いけど……」
今の彼女は魔術師ではなく、狂戦士だ。
とても僕の手には負えそうにない、ならやる事はただ一つ。
「僕も入れるにゃ」
彼女の狂化が解けた時が、僕の最期だろう。
ならば僕も理性を吹き飛ばして今を楽しもうじゃないか!
両手を高く上げ、行進でもするようなわざとらしい足取りで近づく。
アリアが僕の肩をトントンしてる、彼女も理性なんて取っ払うべきだ。
さぁ一緒にやるにゃ!
「エルク、ドア」
ドアがどうしたんだ? あっ……
「一応ノックはしたんだが、取り込み中だったようだ。すまない」
そこには物凄く申し訳なさそうな顔をした、シオンさん達が居た。
「……いえ、気にしてませんので。あの、サラの暴走止めるの手伝ってもらって宜しいですか?」
この後冷静になったサラとリンに涙が出るほど殴られた。
6
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。@田中子樹
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる
家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。
召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。
多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。
しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。
何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる