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第3章「魔法大会予選 ‐エルクの秘められた力‐」
第4話「誤解」
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宿に戻る前にランベルトさんから貰ったメモを暗記しておく。
一回見れば大体覚えれる。念のために2回見て確実に覚えておこう。
覚えたらメモは証拠隠滅に捨てておく。
彼女達が勝つために僕が勝手にやっていることだ、もしこのメモを見られたらどう思われるかわからない。
下手をすれば「もしかして信頼されていない?」なんて思われかねない。
内容を確認。
メモに書かれた評価の上位5人は最初の週にそれぞれ別の予選会場で参加するようだ。
―――中央予選会場―――
バン 評価S
キースの弟にして空剣術の使い手。全ての魔法を中級までは使える魔法戦士型。
「実はこっちのが最強じゃないか?」と言われるくらい強いが、キースを兄として、エンターテイナーとして尊敬しているのでキースと当たるといつもすぐに降参している。
キースが途中で敗退した場合は、バンかマーキンが優勝している。
―――西予選会場―――
マーキン 評価S+
キースとは旧知の仲で空剣術、地剣術、補助魔法の使い手。
冒険者にしては珍しい理論派。全ての行動が理に適っているが、プレッシャーに弱く。
理論が一度崩れると評価はBまで落ちる。
ゴチンコとマーキン両名が本戦に出場すると???
―――東予選会場―――
ゴチンコ 評価A
棒術やヌンチャクその他色々な武器を状況に合わせて使い分ける戦士型
理論はわからんが、魔法を素手でかき消したりしている。なんというか脳筋を突き詰めたタイプ。
補助魔法は使えないが、気功とやらで自己強化が出来る。マーキンとはライバル関係にある(本人談)
―――北予選会場―――
ゼクス 評価A+
かつてはSランク冒険者、現在は冒険者ギルドのマスターを務めている。
地剣術の腕前は達人クラスだが、歳のせいか全盛期と比べれば相当衰えていると本人は言っている。
―――南予選会場―――
ヴァレミー 評価A+
ヴェル魔法学園の学園長にして、かつてはゼクスと共にSランク冒険者。
全ての魔法が上級まで無詠唱で即座に発動出来る上に、補助魔法の効果が高く近接戦闘もこなす魔法戦士型。
ちなみに最強の男キースさんの評価はSだから、バンさんは同じ位、マーキンさんはそれ以上になるのか。
ギルドマスターと学園長はSランクの冒険者なのに評価A+って、S以上の3人はどれだけ強いんだ!?
他はA評価とB+が10人づつで残りB~Dが均等に分けられている。
アリアとサラの評価はCだった、彼女達の評価が低くないか? と思ってメモを見たけど、C以上の選手は1次予選を抜けた事があると書かれた選手ばかりだ。
彼女達は1次予選突破程度の実力はあるという評価なら、別に評価が低いというわけでは無さそうだ。
他の出場予定の選手を見る限り、最初の週の予選が激戦区になっている。
予選に出て負けたらすぐに街を出るという人が多いのだろう。大会の時期は宿代高くなるし。
狙い目は2週目の東予選会場が殆どC以下、3周目の北予選会場もBとCばかりでA以上は居ない。
出来ればこの2つに彼女達がそれぞれ出場する方向になるよう、さりげなく話を進めてみよう。
☆ ☆ ☆
「ただいま」
宿に戻ると、彼女達は何やら不機嫌な顔をしている。何かあったのだろうか?
アリアは僕をチラっと見ては俯き、サラとリンは明らかにむくれた顔をしている。
「どうかしたの?」
「どうかしたの? じゃないわよ!」
僕の質問に対し、サラが若干キレ気味だ。
もしかしてメモの件がばれたか? でもバレるには流石に早すぎる。
かと言って他に思い当たる事もないんだけど。
考え込む僕にムッとした顔でリンが聞いてくる。
「昼間、どこに行ってたですか?」
「昼間はグレンって子達と、ゴブリン討伐の依頼をしてたけど?」
街の外には出たけど、変な所には行っていない。
ゴブリン退治をしてただけだ、きっと彼女達は何か誤解しているだけだろう。
「なんで私達じゃなくて、そのグレンって子達と依頼に行ったの?」
「ランベルトさんに、実際のEランク冒険者がどんなものなのか体験するために紹介して貰ったですよ。 サラ達と他のパーティではどれだけ実力が違うかわかりました」
メモの事は隠して説明する。うん、嘘は言っていないぞ。
「ふぅん」
しかし僕の返事が気に入らないのか、サラは腕を組み半眼で見てくる。
リンがため息をつき、アリアはそっぽを向く。なんだこれ?
誤解が解けたと思ったけど、彼女達は何か煮え切らない様子だ。
言いたい事があるなら言ってくれれば良いのに。
理由も言わずに「不機嫌です」アピールをし続けるのは、流石にどうかと思う。
やましい事なんて何もしていないわけだし。
あ、いや、メモの件はやましい事か。まいいや、それ以外はやましい事はない。
「結局、何が言いたいんですか?」
今日はグレンの事もあり、僕も少しイライラしてたのだろう、言葉が硬くなったのを自分でも感じた。
サラは一瞬ビクっと身を震わせ、目線を逸らす。
何だろう? 今の彼女の反応、僕の心の中で何かが引っかかったような感覚がした。
「アンタ。パーティから抜けたいの?」
ギリっと歯を食いしばり俯く彼女の口から、そんな言葉が出て来た。
「はい?」
今パーティから抜けたら、勇者の僕では仕事が出来なくなるのに何を言っているんだ!?
もしかして、彼女達は僕がパーティを抜けたいから、グレン達と臨時パーティを組んだと思っているのか?
そう思うとさっきの彼女の反応も何だったかわかる。あれは拒絶されることに対する恐怖だ。
学園でイジメられ始めた時期に、友達に話しかけたら冷たい態度で拒絶された時の僕があんな感じだったと思う。
「そ、それは誤解だよ。でもCランクになったら僕はパーティから追い出されるだろ? その前に実際の駆け出し冒険者がどんな感じか体験するために、グレン達とゴブリン討伐に行っただけだよ?」
「なんでアンタを追い出さないといけないのよ!」
「Cランク以上は、勇者必須の依頼無いんですよ?」
「だから何よ?」
だから何って、お荷物じゃん?
今でも僕はゴブリン相手でも一杯一杯なわけだし。
「そしたら僕、お荷物になるわけじゃないですか?」
「誰が! いつ! どこで! アンタの事をお荷物って言ったのよ!」
「いや、その」
いつと言われても、直接言われたわけじゃないけど。
自分から「僕ってお荷物ですよね」なんて言うと、ただ慰めて欲しいだけの人みたいだし。
「エルクが居ないと、美味しいご飯が食べれない」
う~ん、それは他に料理が出来る人を誘えば良い気がしないでもないけど。
「そもそも、サラとアリアがエルク無しでやっていけると思うですか?」
僕が抜けた後の彼女達か。
ちょっと想像してみた、僕の居なくなったパーティ……アリアとサラの仲裁でリンの気苦労が絶えない気がする。
食事、依頼、その他揉め事とか少し考えただけでも問題だらけだった。
初めて彼女達と出会った時は雰囲気もそんなに良くなかったし、リンも疲れ気味の様子だったっけな。
「えっと、それじゃあCランクに上がったとしても、僕は居ても良いの?」
「そんな先の事はわからないわよ」
今までの流れなんだったの!?
明らかにここは「もちろん、良いよ」って言うところじゃないの?
「ただ、今はCランクになってもアンタをパーティから追い出すつもりは私は無いわ」
「うん、ご飯美味しいから居て欲しい」
「リンもです」
そう言って、機嫌を直して笑った彼女達を見てホッとする。そうか、僕は彼女たちがCランクになっても一緒に居て良いんだ。安心したらなんだか笑えてきたので、僕も彼女達と一緒に笑い合った。
良い話っぽくなってるけど、よくよく考えたら僕がランベルトさんと取引して、グレンと組んだのが原因なんだよね。そう考えるとすごく申し訳ない気持ちになった。
「それより魔法大会にいつ参加するか決めましょうか」
それでは彼女達を裏から応援することを頑張るとしましょうか。
一回見れば大体覚えれる。念のために2回見て確実に覚えておこう。
覚えたらメモは証拠隠滅に捨てておく。
彼女達が勝つために僕が勝手にやっていることだ、もしこのメモを見られたらどう思われるかわからない。
下手をすれば「もしかして信頼されていない?」なんて思われかねない。
内容を確認。
メモに書かれた評価の上位5人は最初の週にそれぞれ別の予選会場で参加するようだ。
―――中央予選会場―――
バン 評価S
キースの弟にして空剣術の使い手。全ての魔法を中級までは使える魔法戦士型。
「実はこっちのが最強じゃないか?」と言われるくらい強いが、キースを兄として、エンターテイナーとして尊敬しているのでキースと当たるといつもすぐに降参している。
キースが途中で敗退した場合は、バンかマーキンが優勝している。
―――西予選会場―――
マーキン 評価S+
キースとは旧知の仲で空剣術、地剣術、補助魔法の使い手。
冒険者にしては珍しい理論派。全ての行動が理に適っているが、プレッシャーに弱く。
理論が一度崩れると評価はBまで落ちる。
ゴチンコとマーキン両名が本戦に出場すると???
―――東予選会場―――
ゴチンコ 評価A
棒術やヌンチャクその他色々な武器を状況に合わせて使い分ける戦士型
理論はわからんが、魔法を素手でかき消したりしている。なんというか脳筋を突き詰めたタイプ。
補助魔法は使えないが、気功とやらで自己強化が出来る。マーキンとはライバル関係にある(本人談)
―――北予選会場―――
ゼクス 評価A+
かつてはSランク冒険者、現在は冒険者ギルドのマスターを務めている。
地剣術の腕前は達人クラスだが、歳のせいか全盛期と比べれば相当衰えていると本人は言っている。
―――南予選会場―――
ヴァレミー 評価A+
ヴェル魔法学園の学園長にして、かつてはゼクスと共にSランク冒険者。
全ての魔法が上級まで無詠唱で即座に発動出来る上に、補助魔法の効果が高く近接戦闘もこなす魔法戦士型。
ちなみに最強の男キースさんの評価はSだから、バンさんは同じ位、マーキンさんはそれ以上になるのか。
ギルドマスターと学園長はSランクの冒険者なのに評価A+って、S以上の3人はどれだけ強いんだ!?
他はA評価とB+が10人づつで残りB~Dが均等に分けられている。
アリアとサラの評価はCだった、彼女達の評価が低くないか? と思ってメモを見たけど、C以上の選手は1次予選を抜けた事があると書かれた選手ばかりだ。
彼女達は1次予選突破程度の実力はあるという評価なら、別に評価が低いというわけでは無さそうだ。
他の出場予定の選手を見る限り、最初の週の予選が激戦区になっている。
予選に出て負けたらすぐに街を出るという人が多いのだろう。大会の時期は宿代高くなるし。
狙い目は2週目の東予選会場が殆どC以下、3周目の北予選会場もBとCばかりでA以上は居ない。
出来ればこの2つに彼女達がそれぞれ出場する方向になるよう、さりげなく話を進めてみよう。
☆ ☆ ☆
「ただいま」
宿に戻ると、彼女達は何やら不機嫌な顔をしている。何かあったのだろうか?
アリアは僕をチラっと見ては俯き、サラとリンは明らかにむくれた顔をしている。
「どうかしたの?」
「どうかしたの? じゃないわよ!」
僕の質問に対し、サラが若干キレ気味だ。
もしかしてメモの件がばれたか? でもバレるには流石に早すぎる。
かと言って他に思い当たる事もないんだけど。
考え込む僕にムッとした顔でリンが聞いてくる。
「昼間、どこに行ってたですか?」
「昼間はグレンって子達と、ゴブリン討伐の依頼をしてたけど?」
街の外には出たけど、変な所には行っていない。
ゴブリン退治をしてただけだ、きっと彼女達は何か誤解しているだけだろう。
「なんで私達じゃなくて、そのグレンって子達と依頼に行ったの?」
「ランベルトさんに、実際のEランク冒険者がどんなものなのか体験するために紹介して貰ったですよ。 サラ達と他のパーティではどれだけ実力が違うかわかりました」
メモの事は隠して説明する。うん、嘘は言っていないぞ。
「ふぅん」
しかし僕の返事が気に入らないのか、サラは腕を組み半眼で見てくる。
リンがため息をつき、アリアはそっぽを向く。なんだこれ?
誤解が解けたと思ったけど、彼女達は何か煮え切らない様子だ。
言いたい事があるなら言ってくれれば良いのに。
理由も言わずに「不機嫌です」アピールをし続けるのは、流石にどうかと思う。
やましい事なんて何もしていないわけだし。
あ、いや、メモの件はやましい事か。まいいや、それ以外はやましい事はない。
「結局、何が言いたいんですか?」
今日はグレンの事もあり、僕も少しイライラしてたのだろう、言葉が硬くなったのを自分でも感じた。
サラは一瞬ビクっと身を震わせ、目線を逸らす。
何だろう? 今の彼女の反応、僕の心の中で何かが引っかかったような感覚がした。
「アンタ。パーティから抜けたいの?」
ギリっと歯を食いしばり俯く彼女の口から、そんな言葉が出て来た。
「はい?」
今パーティから抜けたら、勇者の僕では仕事が出来なくなるのに何を言っているんだ!?
もしかして、彼女達は僕がパーティを抜けたいから、グレン達と臨時パーティを組んだと思っているのか?
そう思うとさっきの彼女の反応も何だったかわかる。あれは拒絶されることに対する恐怖だ。
学園でイジメられ始めた時期に、友達に話しかけたら冷たい態度で拒絶された時の僕があんな感じだったと思う。
「そ、それは誤解だよ。でもCランクになったら僕はパーティから追い出されるだろ? その前に実際の駆け出し冒険者がどんな感じか体験するために、グレン達とゴブリン討伐に行っただけだよ?」
「なんでアンタを追い出さないといけないのよ!」
「Cランク以上は、勇者必須の依頼無いんですよ?」
「だから何よ?」
だから何って、お荷物じゃん?
今でも僕はゴブリン相手でも一杯一杯なわけだし。
「そしたら僕、お荷物になるわけじゃないですか?」
「誰が! いつ! どこで! アンタの事をお荷物って言ったのよ!」
「いや、その」
いつと言われても、直接言われたわけじゃないけど。
自分から「僕ってお荷物ですよね」なんて言うと、ただ慰めて欲しいだけの人みたいだし。
「エルクが居ないと、美味しいご飯が食べれない」
う~ん、それは他に料理が出来る人を誘えば良い気がしないでもないけど。
「そもそも、サラとアリアがエルク無しでやっていけると思うですか?」
僕が抜けた後の彼女達か。
ちょっと想像してみた、僕の居なくなったパーティ……アリアとサラの仲裁でリンの気苦労が絶えない気がする。
食事、依頼、その他揉め事とか少し考えただけでも問題だらけだった。
初めて彼女達と出会った時は雰囲気もそんなに良くなかったし、リンも疲れ気味の様子だったっけな。
「えっと、それじゃあCランクに上がったとしても、僕は居ても良いの?」
「そんな先の事はわからないわよ」
今までの流れなんだったの!?
明らかにここは「もちろん、良いよ」って言うところじゃないの?
「ただ、今はCランクになってもアンタをパーティから追い出すつもりは私は無いわ」
「うん、ご飯美味しいから居て欲しい」
「リンもです」
そう言って、機嫌を直して笑った彼女達を見てホッとする。そうか、僕は彼女たちがCランクになっても一緒に居て良いんだ。安心したらなんだか笑えてきたので、僕も彼女達と一緒に笑い合った。
良い話っぽくなってるけど、よくよく考えたら僕がランベルトさんと取引して、グレンと組んだのが原因なんだよね。そう考えるとすごく申し訳ない気持ちになった。
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