ディミオルゴ=プリェダーニエ

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第10話『賭博黙示録コウジ 後編』

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『…だが、負けられない!』

「…次!」

『…特殊カードもあと少しか…』
『無効カードはまだある』

トシジはそっとカードの上に腕を乗せた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「…手札に無効カードを多く持つ?そんなのどうやって…」
「アイツらはカードを決まった法則で渡すと言っていたな。だからあのカードに細工をする」

俺が勝負をする前に浩司が言った。

「細工…どんな?」
「あのカードは相手に渡すカードと中川に渡すカードの裏をちゃんと区別できるようにしている。念のためな。だから、そのカードをこの俺のカードと入れ替える」
「…けどどうすればいい?」
「……中川はカードの細工がバレないように毎回持って帰っている。だから、中川が持っている隙に入れ替えないといけない」










「…ふぅ」

中川が会場から帰ろうとしているのか、入り口から出てきた。

ドンッ

「…すんません!」
「……ったく、気を付けろ」

浩司が偶然を装い、ぶつかった。落ちたカードと自分のカードを入れ替える。






「…どうだ?」
「全然バレてないな」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「…さあ!中川がリードしているが、ここで決着がつくか!?」

『……コイツ…何枚無効を何枚も持っていたんだ……こんな偶然が……!?』
『…イカサマに気付いたようだな。しかも丁度俺の無効も無くなった。ここからは真剣勝負だ』

「さあ!最終勝負だ!」

「13」

ざわ…ざわ…

「…最高数だな…」
「ここで勝負ありか…?」

『…無効は恐らくもう無い。ここでケリをつけてやるぜ。俺がリードしてるしな』

「…2………だが、反転だ!」

ざわ…ざわ…

「…反……転………」

「おおっと!引き分けだ!!!」
「…馬鹿な…ここで反転…」

『…特殊カードは全て把握していたはず……まさか』
『腕でカードを隠した。どうせすぐに把握されるだろうからな』

「それでは!ここで8枚のカードを配りたいと思います!」

中川は審判に何かを小声で言った。そして、審判がカードを配り始める。

「…けど、引き分けって初だよな」
「あの高校生…すごいな」

『……2と3が3枚。5が1枚と反転か…』

『…カードは俺のものに戻した。そして、俺のカードはキングとクイーン、ジャックが二枚。そして、1が二枚。これで負けることはない』

「それでは、延長戦のカードを選んでください!」

『……あのカード…あれは2と3か…』

その時だった、トシジはカードを手の死角に隠しながら選んだカードの上へ手をそっと乗せ、手を引いた。中川はそれを見逃さなかった。

『…最後に油断し…俺の仕掛けた反転を使ったイカサマを俺に見抜かれた……お前の負けだ』

「では!勝負!!」
「2」
「…5だ」

ざわ…ざわ…

「…………なに…?」
「こ……これは…………ト…トシジの勝利だーー!!!」

『…馬鹿な……反転をすり替えたはず……!』

「……何故…反転を入れ替えたのではないのか…」
「…信じてたのさ、アンタを」

《中川のような奴はゲーム中のイカサマを絶対に見逃さない。それを逆手に取るんだ。かつて俺がこの戦法で勝ったようにな》

「………ッ!」
「俺の…勝ちだ!」

勝利…!…圧倒的勝利!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー








「…ありがとう、浩司。アンタのお陰だ」
「………ああ」

浩司と俺はマンションに向かって歩いていた。

「…そういえば、この金どうすんだ?」

俺はあの勝負に勝ち、1000万円貰っていた。

「…俺が言うのも何だが、賭博で儲けた金はすぐに使った方がいい」
「…じゃあ……」



ーーー




「…帰ったぜ!」
「…どうだった?」
「流砂で中川を倒したぞ。3分の2は浩司のお陰だがな」
「…そうか」

少しだけ口元が緩んだ子供テオスに俺は手に持っていたジュラルミンケースを渡した。

「…これは…?」
「トシジが…アンタにやるって言って賭博で儲けた1000万使って勝った物だ」
「ほう」

ジュラルミンケースの中には《豪華な刺繍のされた黒いマント》が入っていた。

「………これは……」
「アンタって吸血鬼だろ?最初着てたマントがボロボロだったから。俺裁縫できねぇし」
「………ふふ……ありがとな」

……こんな時は子供っぽいのになぁ…

「…悪いな、子供っぽくて」
「………心読むのやめてくれよ」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「…そんじゃあ、俺は戻る。また、俺とチェスをしてくれよ。アンタにはまだ一回も勝ったことが無いんだ」
「ああ」
「チェス?」
「ああ、吾輩とチェスをするのを条件にお前の助っ人をしてもらっていたのだ。今回も吾輩の圧勝だがな」

浩司はテオスの部屋を後にした。そして、近くの部屋に入っていった。浩司、このマンション住みだったのか…

「ああ…浩司は天才的な賭博の才能を持っていてな。昔、吾輩とロサンゼルスのカジノで大勝ちした後に賭博するのを引退してこのマンションに引っ越してきたんだ。そこらの金持ちの持つ100倍の貯金を手にしたからな」
「当たり前のように心読むのやめてくれって……まぁ…薄々気付いていたけどな」
「……それで?…次のお題は?」

テオスが椅子に座り、訪ねてきた。

「…東京地下迷宮?の最深部に到達するって書いてあるが…」
「ほう!やっとそこまできたか」

東京地下迷宮?確か…そんな名前の都市伝説があったような……

「…この東京地下迷宮はこの東京の地下にある下水道の奥に存在する、謎の多い迷宮だ、都市伝説としてはそのくらいしか広まってないが……おっと、これ以上言ったら面白くなくなる…」
「面白さを求めんなよ…」

すると、テオスは部屋の隅で漫画を読んでたザインを読んだ。

「…ザイン…きてくれ」
「なんだよ」

ザインはめんどくさそうに立って、こちらに来た。

「…アンタのお題が鬼みたいに難しいから休んでたのによ」
「…そういえばお前も四つ目をクリアしていたのだってな」
「…お前もお題をクリアしてたのかよ」
「……単刀直入に言おう、5つ目のお題はお前たち2人でクリアしろ」
『なんでこいつと!』

不覚にも同時に叫んでしまった…

「……それほどまでに東京地下迷宮の最深部に到達するのは困難だ。お前たちにとってはな。実際、このお題以外のお題はこの東京地下迷宮に入るための準備に過ぎない。最初の頃に入ってたら即死だったから」

…そんなにやばい所なのか?東京地下迷宮は…

「…だが、クリアすれば。トシジ、丸太を一太刀で斬るのは容易くなるだろう。ザイン、お前の場合はモンスターの闇取引の組織1個を簡単に壊滅状態にできる力が手に入る」
「…まじかよ…」

「…それじゃあ…頑張れよ」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



俺たちはテオスから聞いた東京地下迷宮の場所へ向かっていた。まずは下水道に入るが…

「…勘違いするな、これは強くなるためだ」
「何ツンデレみてぇなこと言ってんだ」

…俺はコイツと一緒に最深部へ到達できるのか…?










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