ディミオルゴ=プリェダーニエ

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第11話『迷宮』

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俺とザインは下水道の入り口に着いた。

「このマンホールの下の下水道から東京地下迷宮に行けるらしい」
「…じゃあ、さっさと入るぞ」
「……お前よくこんな臭い所にすんなり入れるな」

俺はガスマスクを着用して、梯子を降りていった。








「……お前って人狼だろ?臭いには敏感なはずだろ」
「…俺の鼻には血の匂いが染みついている。今更こんな臭いに耐えられない訳ないだろ」

そんなものなのか………

「…そこを左だ」

俺たちは下水道を進んだ。










俺たちは入り組んだ下水道を進んでいく。それにしても、この下水道……なんかおかしいな…

「……なんか……おかしくないか?」
「…確かにな」

迷宮の入り口に近づくにつれて、外と遮断されているような気がしてくる。そして何より……

「…うへぇ…気持ち悪りぃ…さっきより増えてやがる…」

壁には大量の謎の札がびっしり貼ってある。下水道の奥に進む扉に入った時から少し貼ってあったが、今は壁一面に貼ってある。

「…だが、もうすぐ迷宮の入り口だ」
「……そ…そうだな」

この札も恐らく無くなるだろ。俺は気持ち悪い札を見ないように進んでいった。





「……ここが、入り口だ…」

俺たちの前には少し錆び、苔の生えた大きな扉があった。鍵穴は無く、大量の鎖で無理矢理閉じた感じだ。

「まるで怖い話だな………そんじゃあ、鎖を切るぞ…」
「…ああ」

俺はリュックからボルトカッターを取り出し、鎖を切っていった。

ガチンッ!

ガチンッ!

ガチッ!



「…よし、これで全部か」

全てのカッターを切って扉を押した。

「………ッ!…駄目だ…動かねぇ…」
「どけ」

ザインが俺を退け、扉に手をかけた。

ザワザワッ!

「…こ…これは!」

ザインの腕が人狼の時のような狼の腕になっていく。


ゴゴゴゴゴ……


「…開いたぞ」
「……腕だけ狼に…すげぇ…」
「…テオスのお題をクリアしていったらよく分からないが、人狼化をコントロールできるようになってな」

…テオスのお題をクリアすると俺もこんな風に凄い力が手に入るのか…?

「…じゃあ…進むぞ」

俺とザインは扉の先に進んでいった。そして、入った瞬間…


ずッ


『!?』

確かに俺たちの間を何かが通った…後ろを振り向くと…

「…無い…」
「……扉が……無い!?どうなってんだ!?」

俺たちの後ろにあった大扉が跡形もなく無くなっている。まるで最初から無かったかのように…

「…俺たちの目的は最深部に到達することだ……そこに行けば出られるかもしれない…」
「クソッ!なんだよ、このホラーマップ!」

俺たちは一直線の道を進んでいった。そして、三本の分かれ道に来た時。


ガタッ


「…何だ!?」

俺とザインは物音に反応して構えた。その時、曲がり道から少年が出てきた。

「…あ……」
「子供…!?」

少年は俺たちの姿を見た瞬間、逃げ出した。

「お…おい!待て!」

俺たちは急いで追いかけた。追いかけている時に分かったが、道は迷路のように入り組んでいる。そして

「…い…行き止まり……」
「……ちょっと待て…なんで逃げるんだ…」
「…お兄さんたち“悪い人”でしょ…」
「悪い人…?…いやいや、俺たちはここに迷い込んだんだ」

すると、少年は身構え、警戒していたがその言葉を聞いたからかその場に座り込んだ。

「おい!大丈夫か!?」
「……お兄さんを信じていいんだね…」

そして、倒れてしまった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「はっ!?」

少年が起きた。俺たちは行き止まりで少し休んでいた。さすがにあんなにも走ったら疲れるからな。

「…起きたか……なぁ、ここはなんなんだ?」

少年は少しの沈黙のあと、口を開いた。

「………俺も…よく分かんないけど……異空間…?…あの…なんて言うか…亜空間だと思う…」
「亜空間…?」
「うん…ここは時間の流れが無いんだ…そして…」

ドド…

遠くで鈍い音がした。

「……“悪い人”が来る……」
「悪い人とは…なんなんだ…?」

その時だった。後ろに西洋風の鎧を着た男が斧を振り上げていた。

ズドォォォン!

「…なんだコイツは!?」
「……分からない!だが、倒すぞ!」

俺は男に向かって鉄の剣を抜き、斬った。傷は浅い。

「……!」
「オラァ!」

すかさずザインが打撃を放った。そして、男はそのまま倒れた。

「なんだよコイツ…」
「…過去の…人だよ…」
「何…?」
「この人は…過去の時代からここに迷い込んだ人だ……だけど…ここに迷い込んだら………正気を失ってしまう……」
「…じゃあ…なんで俺たちやお前は正常なんだ…?」
「ここに来た時間だよ…長い間いると…あんな風になる……俺は…一週間目ぐらいだけど……奥にはここに来て何百年くらいか経って正気を失った人が沢山いる……」
「…最深部に行くのは簡単じゃなさそうだな」
「最深部に行くの!?」
「何か問題でも…?」

少年は少し躊躇ったあと、答えた。

「…最深部には……悪魔が潜んでる…行かない方がいい…」
「悪魔…?」








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