ディミオルゴ=プリェダーニエ

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第13話『試練』

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「…が…がは…」
「嘘だろ…アイツ…何者だ…」

…喧嘩で熱くなりすぎてしまった…俺は急いでその場を後にした。






「…ともかく…なんとかして元の時代に戻らないとな…」

俺は歩きながら考えていた。どうやったら戻れるか……そうだ!

「…迷宮だ…迷宮まで戻れば…何かあるかもしれない…!」

俺は急いで現在地を確認した。

[北海道]……嘘だろ…遠すぎる…!しかも電車は雪に見舞われ運行停止だと!?

「……歩いていくしかないな……」

俺は東京方面へ向かって歩いていった。














「…ハァ…ハァ…」

俺は夜の雪の中を歩いていた。吹雪に見舞われ、道路を頼りに進んでいた。

「…あと…何kmあるんだよ……」

『グルル…』

俺は隣を見た。そこには3mほどの熊が立っていた。

「……あ…?」
『グガアアア!!!』

熊は雄叫びをあげ、こちらに向かってきた。

「…クソッ!…やってやる…やってやるぜ!」

シュッ


ドゴォォン!!!


「…ぐ…が…」

俺は熊の引っ掻きをガードした。何て重さだ…腕からは血が出ているし…

「…だが…俺は…やってやる…俺は生き延びてやるぞ!」

ドゴォォンッ!!

俺は思い切り熊の頭を蹴り飛ばした。

『グゴォオオオオオ!』

「ウオラァァ!!!」

ドゴンッ!!ドゴォォン!!!

俺は熊の頭を連続でブン殴った。

『ガァァォ!!』

グガァァァン!!!


「…ぐが…!!」

思い切り熊に殴られた。俺は木まで吹き飛ばされた。

ドォォン!

「ブハッ!」

身体中から血が出ている……だが…熊はどんどん近づいてきている。

「…う…うおお……おおおおお!!!」

俺は最後の力を振り絞って全力で熊を殴った。

ドゴォォンッ!!!

『…グガァォァ……』

熊は逃げていった。

「…に…人間を舐めんじゃねぇよ…」

俺は目の前が霞んで見えながらも、歩き続けた。そして、少し進んだ時だった。


キュルルルッ!


車が雪にタイヤを取られていた。俺は乗せてもらおうとして近づいた。

「…これは…」

後ろには今にも死にそうな子供が乗っていた。恐らく病院に行くのだろうな…俺が乗る暇は無い…か。

「何の用…?…あっちへ行きなさいよ」
「その子病気だろ?車押すよ…」
「え?」

俺は学ランをタイヤの下にひいて車を押す準備をした。

「さっさとアクセル…踏みなよ…」

母さんらしき人はハッとしてアクセルを踏んだ。

「…走ったら止まるなよ…また雪にタイヤがとられるからな…」

そして、俺は思い切り車を押した。

「ぐぐ…」

タイヤが勢いよく回り始め、車は走った。

「……何やってんだ俺は…」

俺は再び、東京の方角へ向かって歩いていった。その時だった。

「…なんだ!?」

周囲が光り始めた。何なんだ!?


カッ!!


「……う…」

あまりの眩しさに目を閉じていたが、開いた時にはそこは迷宮だった。

「…ど…どうなってんだ…」

服装も元に戻っている。もしかして…過去に行っても何か条件を達成すると戻れるのか…?…だが、さっきの条件は分かんねぇ。

「…とにかく…ザインとデモニオを探さないとな」

俺は一本道を進んでいった。そして、光が見えた。

「な…なんだ!」

そこはには広い空間が広がっていた。辺りには時計が浮いている。そして、前には6つの扉があった。

「…なんだよここ…」

俺が扉の近くに行くと、どこからか声が聞こえた。

「…お前も迷い込んだのか…?」
「誰だ」

壁にもたれて立っている男がいた。

「…俺は信彦だ」
「……俺はトシジだ…」
「なに…?…トシジだと…?」

男は一瞬、困惑した表情を見せたが、すぐに真顔になった。

「…いや…なんでもねぇ…」
「…?」
「それよりも…ここから出たいか?」
「んなの当たり前だろ」

すると、男はこっちに近づいてきた。

「…協力しないか?」
「協力だと…?」
「…あの扉の奥は過去の時代だ。その時代のある人物、そいつを助けたら扉は消える。簡単な話、扉で過去に行ってその時代の死ぬはずの歴史人物を助ける。それを6回しろやこの野郎ってことだ」
「本当に簡単に言うな…」
「俺が3つ、お前が3つ。これでいいだろ?」
「ああ。だが、なんで協力しないといけないんだ。お前1人でもできるだろ」
「…めんどくさいからだ」
「…」

俺はため息を吐いて扉に向かった。

「…一つ言っておくが、一度扉に入るとここには戻ってこれない。自動的に次の扉の時代に行くようになっている。全てクリアすれば、ここに戻れる。まぁ、俺たちの場合は三つクリアでここに戻れるはずだがな」
「心配すんなちゃんとクリアするよ」

俺は進もうとした時、ふと気付いて信彦に尋ねた。

「なぁ…なんでアンタそんなにもこの場所のことを知っているんだ?」
「………俺は、この迷宮に何十年もいる。ここに似た場所に来たことも何回もある。迷宮のことは把握してるのさ」
「そうなのか」
「そんだけかよ」

俺と信彦は改めて扉の前に立った。

「…次会うときは迷宮の外だ……多分…」
「多分かよ」

だが、仮にこれで出れてもザインとデモニオが残っている、それに最深部にも到達してないからどのみち戻らないといけないがな。

そして、俺たちは扉に入っていった。




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