ディミオルゴ=プリェダーニエ

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第28話『岩の戦車』

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俺は工業用ドリルとハンマーを繋げた【ハンドラクス】を取り出した。これはハンマーの先端をドリルにしたものだ。

「そんなガラクタで何ができる?」

原田の周囲の岩が飛んできた。俺は急いで【ハンドラクス】をジェイに渡した。

「ジェイ!…お前は岩を頼む!」
「分かったぜ!!」

ヴィィィンッ!

ジェイがスイッチを押すとドリルが勢いよく回り始めた。

「オラァ!!」


バゴッ!

ボゴッ!


岩はドリルに当たった瞬間、砕け散った。ジェイは結構重い【ハンドラクス】をぶん回して岩を粉砕している。

「なんだと…!?」
「このままテメェも粉砕してやるぜ!!」
「殺すな!」

すると原田は岩をまとめ始めた。大量の岩が原田の周りに漂っている。そして、岩は原田の周りを守るように固めた。

「ヘヘヘッ!!…ぶっ壊してやるぜ!」


ドゴォォンッ!


岩の壁はなかなか壊れない。ジェイはそれでも攻撃し続けていた。

「コイツ…そんな鈍器を何故軽々と…」
「ヘヘヘッ!!ぶっ壊れろぉ!!!」


ドガァァァンッ!!


岩の壁はジェイの渾身の一撃で脆く、崩れた。

「…何てパワーだ…人間じゃない…」
「やぁっっと姿を見せやがったなぁ!!?…さぁ!…断末魔を上げろぉぉ!!」

俺は原田に【ハンドラクス】を振り下ろそうとしているジェイを止めた。

「やめろ!」
「んだよぉ!!…止めんな!」
「殺すとデモニオの手掛かりが無くなるだろ!!」
「………あぁ!?…デモニオ…?……そういえばそうか!!」

ジェイは俺がデモニオを追っているのを思い出したのか攻撃をやめた。

「…お前が岩の壁をぶっ壊した時の瓦礫の破片が原田に刺さっている。これで無力化したようなもんだろ」

俺は原田の目を見た。すると、原田の記憶が流れてきた。原田の記憶に入る瞬間、原田は倒れた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「…アンタは…」
「……あえて名乗るのなら…少年Aかな。実は君にあるものを渡しに来たんだ」
「あるもの?」
「これさ!」

少年はカードのようなものを差し出した。

「君は……イジメられてるそうだね」
「!?…なんで…」
「……イジメはいつも同じ。石を投げられる」
「………」
「だけど、このカードを使えばイジメられることはない!」
「…本当ですか」
「ああ…」

俺はカードを手に取った。すると、全身から力が溢れてくるような感じがした。

「…!…これは…」
「君には特別な力が宿った」

そう言って少年は石を投げてきた。

「うわ!」

俺は身を縮めた。しかし、痛みは無い。俺は恐る恐る顔をあげた。すると、石は空中に止まっていた。俺が石をつつくと、石は落ちた。

「…君は石や岩を操る能力を得た。これでイジメられても大丈夫だね!」
「は…はい!」
「…そんな君にお願いがあるのだけど…」
「え?…何ですか?」

俺はこんな能力をくれた恩を返したいと思い、頼みを聞いた。


バチッ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「どうやら、ここまでのようだ」

俺は原田の記憶を覗いたが、あのカード…あのタロットカードには人に異能力を与える効果がある。厄介な代物だ。しかし、それ以上に気になったのは…

「…少年A…」

デモニオではない。何者だ…だが、デモニオの仲間だろうな。

「手掛かりはそんだけか?」
「ああ」
「…ジェイ…トシジ…」

アリスが俺たちの後ろにいた。

「アリス!?…お前、来んなって言ったろ!」
「…これってデモニオじゃない?」

ジェイを無視してアリスが俺にボイスレコーダーを渡してきた。

『…今度は…何の用だ…デモニオ…』
『……君たちにある人物を殺してほしくてね』
『なんだと?』
『トシジという青年を殺してほしい。君は俺に借りがあるでしょ?』
『………分かった…』
『それじゃあ頼むよ!…東龍連合さん!』

カチッ

「…これは…」
「……私はこの東京の全ての監視カメラを確認できる…カメラを通して録音したものなんだけど…」
「…やっぱお前頭良いな」
「……東龍連合…」
「…東龍連合ってのは東京の裏社会を占めてる組織…この前ジェイが幹部を殺してた…」
「ああ…覚えてねぇ…」

裏社会とデモニオが関係してんのか…

「…うぅ…」
「お前!」

原田が起き上がってきた。ジェイはすかさず構える。

「…な…誰だ…?」
「ああ!?」


ーーー



「俺が…!?」
「しらばっくれてんじゃねぇぞ!!」
「…本当に覚えてないんだ!…あの時から…」
「あの時…?」
「……デモニオと名乗る男の子に会った時から…」

すると、ジェイが能力について尋ねた。

「その能力はなんだよ」
「…これは…少年Aから貰ったものだ」
「デモニオか?」
「いや、年齢は近かったが容姿は違った」

カードを与えたのはデモニオではない……誰だ…

「まぁ…これで一歩近づいたんじゃねぇか?」
「あぁ…そうだな」

俺は廃ビルを出て、ジェイたちと別れた。

「…手掛かりが見つかったら言うぜ!」
「頼む!」








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