ディミオルゴ=プリェダーニエ

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第30話『ミクとミカ』

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「…俺は仲間を売らねぇぞ!」
「………そうか…おい!ミカとミクを呼んでこい!」
「分かりました」

しばらくして二人の子供が部屋に入ってきた。

「…コイツの口を割ってくれないか?」
[いいよ!…これを試したいし]
《早速使うんだ!》

ミクはノコギリを取り出した。そして、縛られている男の足首に突きつけた。

「…う…嘘だろ…」
[じゃあ…いくよー!]



「うぎゃゃゃぁぁぁぉぉ!!?」

男は部屋全体に響き渡る程の悲鳴をあげた。その場にいるスーツ姿の男達の中には思わず目を背けている者もいる。

「…う…あぁぁ…」
[……結構切れる!]
《じゃあ次は僕がこれを試す番!》

ミカはそう言ってボルトカッターを取り出し、男の指に挟んだ。

「…あ…あ……」
《えい!》


「ぐぁぁぁぁぉぉぉ!!!」

床に指がボトッと落ち、男は泣き叫んでいる。だがミカは他の指もすかさず切っていく。目の前でそんな残虐な行為が行われているからか部屋を飛び出す者もいた。

「…も…もういい!……それ以上やったらショック死しちまう!」
[…まだ試したものもあったのに…]
《…それ以上やってたら壊れてたね…!》

少し残念そうにミカとミクは出ていった。

「…話す気になったか…」
「……ひゃい…なんでぇも…はなしまふ…」

男は涙ぐみ、呂律が回らないようだった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




ガチャ


ドアを開け、ミカとミクが部屋に入った。その部屋には初老の男性が立っていた。

「…実は…君達にお願いがあるんだ…」
[なになに!?]
「…この男を生け捕りで連れてきてほしい」

初老の男性は写真を見せた。そこにはトシジが写っていた。

「…私の部下が返り討ちにあった。しかも、私の護衛を務める精鋭がな。そこで君達の出番だ。絶対に殺さずに連れてきてくれ…」
《…いいよ!》

ミカとミクは元気よく返事をして部屋から出た。出ていったあと、初老の男性に若い男が尋ねた。

「……あの子達の拷問を見ましたが…死なないようにしていながら的確に激痛を与えている…一体何者なんですか…?」
「………お前は小学生の頃…虫を殺したことがあるか?」
「…?…はい…あるかもしれません」

初老の男性は椅子に座り、話始めた。

「…子供は虫を殺すのに罪悪感を微塵も感じない。それが虫から人に変わってもな……あいつらは虫が人に置き換わってるだけだ…」
「………ッ!」

ミカとミクにとって人殺しは遊びに過ぎない。そんな事実に若い男は恐怖を感じていた。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー











[……お兄さん…]

最後に聞いた声はそれだった。俺は首に衝撃が走ったと思ったら目の前が真っ暗になってた。






「…うぅ…」

目覚めると牢屋の中だ。目の前には初老の男性が立っている。

「…なるほど…そういうことか…」
「……察しがいいな。そう、私は東龍連合の会長で、デモニオにお前の殺害を命じられた」
「……で?……俺を殺すのか?」

すると初老の男性はニヤリとして答えた。

「…私はデモニオに望みを叶えてもらった為、魂を奪われる条件を設定した。しかしお前を始末することを条件に免除してくれるそうだ。ということだ。私の為に死んでもらう」

そう言って初老の男性は出ていった。どうやらこの後始末させるらしい。

「…使ってみるか…」

俺は見張りが目を逸らした瞬間ペンダントを持った。

「…知性を持ち……意識を保つんだ…」

俺は服の下に隠していたペンダントの水を飲んだ。














[…あれ?…お兄さん]
《……目が怖いよ…》

トシジは水を飲み、東龍連合を壊滅レベルで破壊した。しかし、意識は無かった。

「…フーッ!…フーッ!…」
《もしかして…遊びたいの?》
[そうに決まってるでしょ!…僕もお兄さんと遊んでみたいし…!]
「グルガァァアアァァァッ!!!」

トシジはがむしゃらに突っ込んだ。

《えい!》

トシジの目の前には手榴弾が浮いていた。しかしトシジはミカとミクにしか見ていなかった。

ドゴォォン!!

大きな爆発音が辺りに響いた。しかし、煙の中からトシジが出てきた。ミカとミクも思わず唾を飲み込んだ。

《…へぇ……!》
[すごい…!]
「グルゥゥ…」

トシジは爆発の瞬間、腕で頭を守った。水を飲んだトシジはもはや体すらも人間では無かった。

[…けど…まるで動物だね…!]

ミクがトシジの首を的確に斬った。

《…熊さんと一緒だよ!》

ミクの斬撃のあと、ミカはすかさずライフルを頭に命中させた。しかし

「フゥゥ…!」
《…あれ?確かに当たった…》
[……おかしいな…首を真っ二つにしたはず…]

トシジは無傷だ。斬撃から首を手で守り、銃弾を化け物並の動体視力と反射神経で避けた。

[…ふふ…こんな玩具となんて…今まであそんだこと無かったよ…!……楽し…]

メキ……


ドゴォンッ!

[が…は!?]
《…は…はや…》

ドヒュンッ!!

《う…ぐ…!?》

ミクは人間には追いつかないような速さの拳で殴られ吹き飛ばされた。ミクはそのまま銃を構えた瞬間に殴られ、街灯にぶつかった。

「ガウォォォォォォッ!!!」
《…はぁ…はぁ…》
[……ぐッ…うぅ…]

トシジはトドメを刺すのかミカとミクに近づいていた。

《…ふふ…そうだったんだね…》
[……うん…僕達は遊んでたんじゃない………遊ばれていたんだ…]
「グロロ…」
「暴れすぎだ」

ドゴッ

「ガ…カ…!?」

トシジはその場に崩れるように倒れた。その後ろにはテオスが立っていた。

「…すまない…吾輩の弟子が暴れて…」
[……]
《……》

テオスがトシジを担ぐ瞬間、それはトシジを殺す絶好のチャンスだった。

[…!]
《…!》

ミカとミクは武器を拾った瞬間に見たテオスの放つ威圧感に絶対的な戦力差を感じざるをえなかった。

「…」

テオスはトシジを担ぎ、帰っていった。テオスが見えなくなった後、ミクとミカの額からは汗が一筋流れていた。

それは裏社会という無法地帯で人々の恐怖の象徴だったミクとミカが始めて感じた恐怖だった。そして、動けなかった二人はただ立ちすくんでいた。












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