ディミオルゴ=プリェダーニエ

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第32話『塔の巨人』

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昨日、神と名乗る少年と出会った。証拠を見せられ、俺は夢かと思ったが…

「来たよ!」
「…夢じゃなかった」

少年は玄関を開け、入ってきた。

「…それで?…前回の続きか?」
「そう、タロットカードの話の続きだよ!」

少年はちょこんと椅子に座った。

「…実は操られてるのは“戦闘”に特化したタロットカード使いなんだ。だからとても手強い」
「…例えば?」
「うーん…例えば《塔》ってタロットカード使いが確か地形操作能力を持ってたような…」
「ヤバすぎだろ」

地形操作…かなりヤバそうだな…

「てか、そもそも君が倒せばいいんじゃないの?…神なんでしょ?」
「神だから忙しんだよ…よくお参りとかしに来る人いるでしょ?…あれの10分の1は叶えてあげないといけないんだ。それを毎日」
「けどタロットカードを渡す暇はあるんだな。今、ここで話しる時間も」
「そりゃあ…神なんて他にもいるからね。だから今は有給的な?」

神に有給なんてあるんだな…しかし、神が実在するなんて、夢にも思わなかったな。

「…他の神って、どんなの?」
「例えば…水神、火神とか…あぁ!…蛇神や龍神もいたね!」
「そんないんのかよ…じゃあ君は何神なんだよ」
「……主神…?…だったかな…僕が一応最初に生まれた神の一人だし」
「マジで?…君みたいな子供が?」
「見た目は子供かもしれないけど、中身は10兆歳以上だから!」
「どっかの名探偵かよ」

10兆歳か。よく10兆まで覚えてたな…

「…実は不老不死の生物って10歳から見た目の成長が止まるんだ。だから子供の姿の悪魔とか神は不老不死だと思った方がいいよ。あの人は除くけど」
「…じゃあデモニオは不老不死か…倒しようが無いな」
「まあ、不老不死の悪魔は物理よりも知性的な勝負を好むからね。チェスとか将棋とか。だから賭けとかゲームで勝てば倒したってことになるんじゃない?」

知性的な勝負、これで倒すしかないな。

「…じゃあ、頑張ってデモニオ倒してね!」
「ったく、他人事だと思って…まぁタロットカードの事を教えてくれてありがとう。最後に名前を教えてくれないか?…まだ聞いてなかったし」
「……名前か……僕の名前はテオス…だよ。それじゃあ」
「テオス…!?…テオスとどういう…」

俺は急いで玄関の外に出た少年を追いかけたが、姿は無かった。

「…同名…?」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





俺はその後、ジェイから教えてもらった目撃情報を元にタロットカード使いを探していた。まぁ、探さなくても向こうから来るだろうがな。

「……タロットカード使いか…」

そして、俺は街の向こうにある山を登っていた。

「…来たか…始めるとしよう」
「自分から人気の無い所へ行くとはな」

俺が振り返るとフード姿の男が立っていた。

「ここなら人の迷惑にならないからな。お前を倒すのに」
「倒す…?…この俺をか?」

すると男は指を鳴らした。すると地面が揺れ始めた。

「…なるほど…お前が《塔》か」
「ああ、我が名は橋本…《塔》のタロットカード使い…」

そして、地面に亀裂が入った。俺は急いでその場から離れた。そして、そのあと地面に底も見えないような深さの地割れができた。

「とんでもねぇ能力だな」
「ああ、俺は他のどのタロットカード使いよりも強い!」

橋本は両手で地面を叩いた。すると地面が波のように押し寄せてきた。これはヤバいな!だが俺には秘策がある。


ヒュルルッ!!


俺は波よりも高く飛び上がった。そして、地面に着地する。

「…へへ!…一応【ワイヤーフック】を作っておいた。ビルからビルへ移動するために作ったものだが、こんな所で役に立つとはな」

【ワイヤーフック】は頑丈なワイヤーの先端に返しがついたフックを繋げて作った移動用のものだ。

「なら、これはどうだ!」

今度は地面を無数の鞭状にさせた。

「食らえ!」

鞭が俺の立つ位置に向かって高速で迫ってきた。これに叩きつけられたら絶命は免れないな。


ドシャッ!!

ドシャッ!!


橋本は鞭を俺の立っていた場所に一斉に叩きつけた。


ドゴォォンッ!!


爆発音と共に鞭は粉々になってゆく。

「【トラップダイナマイト】これも余ったものだ」
「…ふむ…《戦車》を倒しただけあって少しは戦い慣れしているようだ…」

そして、橋本はその場にしゃがみ込んだ。

「…だが、これで終わりだ」

周りの地面が男を包んでゆく。そして、それは固まり、ゴーレムのような巨人と化した。ゴーレムは俺に向かって歩き出し、殴りかかってくる。

ドゴォォン…

ゴーレムの殴った地面は陥没していた。力はあるがスピードはあまり無い。俺は剣でゴーレムを斬ろうとした。

斬れない。斬れるはずがない。地面でできたゴーレムなど斬れない。俺は一旦距離をとった。さて、どう攻略するか…

考えている時、ふと横を見ると看板があった。

「…これだ!」

俺は森の中に向かって走り始めた。








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