ディミオルゴ=プリェダーニエ

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第48話『偽り』

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「何か好きな食べ物ある?」
「そうですね…ステーキとか…」
「すいません!…ここで一番高いステーキを一つ」

俺は海堂と一緒に近くの高級レストランに来ていた。しかし…引くほど気前がいいな…初っ端から高級ステーキを頼むとは…

「…代金は…大丈夫なんですか…」
「あぁ!…大丈夫、割り勘せずとも俺が全部払うしカードあるからな」

…そうして次々と高級料理が運ばれてきた。凄いな…

「…そういえば…名前は?」
「……姫川です…は!」

しまった…つい本名を言ってしまった…

「姫川…?……姫川ってあの?」
「い…いえ!…たまたま名前が同じなだけです!」
「だよな、姫川って聞いて一緒驚いたぜ」

姫川…外務大臣………俺の父親だ。

「………すこしお手洗いに…」
「ああ!」


俺は席を立ってトイレの男子便所の方に行った。






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「…!」
「覗き見と盗み聞きとはいい度胸だな…作戦の為に待っていろと言っただろ!」

Xは声を荒げて言った。作戦の為に配置についていたはずのトシジが男子便所に立っていたのだ。

「…いやぁ…まさかお前があの外務大臣の息子とはな、反応から見て間違いないだろ?」
「………ああ!…そうだよ。俺の父親は外務大臣の姫川だ!」
「…けど何で大臣の息子がこんな事してんだよ。大臣の息子なんて一流大学に通って家から出ないイメージなんだけど」

すると、Xはため息をついて話し始めた。



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「…元気な男の子ですよ!」
「……………」

親は息子ではなく娘を欲していた。何故かは知らんがな。



「…女の子が野球をしに行くなど駄目に決まってるだろ!」
「何で…俺は男だよ…」
「…口答えするな!…お前は女の子だ!」

少しでも男がするようなことをすれば怒鳴られたな。ったく…頭のおかしい父親だったぜ。

「女性は頭脳明晰でなければならない。今日からお前は名門女子高に入学する為に勉強に励んでもらう」
「…女性は常におしとやかでなければならない。今日から音楽や手芸などに励んでもらう」

…そりゃあ地獄の日々だったぜ。一流大学で常に学力はトップクラス、ピアノコンクールは絶対に優勝。女子高に至っては裏金まで払ってんだぜ?

幼少の頃から勉強やらピアノやらさせられてるせいか変と思わなくてよ。常に女物の服を着せられて小学校の男子には馬鹿にされたしな。

だが、それが続けられたのも褒められる為だ。もはや洗脳だな。だが、ある日の事だった

「…嫌では無いのか…?」
「え…?」

女子高から帰宅中に道端で声をかけられた。子連れの男だった。

「…わ…私の事ですか…?」
「こりゃあ重症だな」

そして、俺は肩を掴まれた。

「…いや…!」
「落ち着け、もう終わる…」

肩から手が離れると俺はその場に座り込んだ。その時に身体の奥から何かが蠢いているような気がした。

「…親の言うことは大抵正しいが、全てでは無い。俺のようにな」
「………」
「…たまにお前を見てていても立ってもいられなくなったんだ……時間を取らせたな」

そう言って男と子供はどこかへ行った。





「こんなに遅く帰ってきて、何をしていた!…そんなにも汚れて…!」
「…近くの河川敷にいた高校生とサッカーしてたんだよ」
「何馬鹿な事をしてるんだ!…言葉遣いも汚くなって…!」
「…うるせぇな!…私…いや!…俺は男だ!……もうアンタの言いなりにはならねぇ…」

俺は父の目の前でハサミを持って伸ばされていた髪を切り、少しの金を持って家を飛び出した。その後は適当に手持ちの金を増やした。大臣の豪邸住みからボロアパート住みになったのさ。

まぁ、女子力が無くなって良かったけどな。あの男のおかげだ。




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「…って事があったんだよ」
「一ついいか?…お前女子力無くなってねぇぞ」
「……あ?」
「その髪って地毛だろ?…胸くらいまであるじゃねぇか。それに服も、買い物センスも女子じゃねぇか」
「うるせぇ!…少し昔の癖が残ってんだよ!」

しかし、そんな過去があったんだな…

「…ったく…俺の秘密知って気が済んだか?…さっさと配置に戻れよ」
「ああ!……へへ…今度…お前の女装した姿を盗撮してアイッターに投稿してやるぜ!…[美女盗撮したったwww]的な!?」
「…海堂を倒したらお前はぶっ殺してやる…」

そう言ってXは海堂の元へ戻っていった。俺も元の配置に戻る為にホテルに戻っていった。















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