表裏一体

君島嵐士

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第1章

悪魔との出会い

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私は暗い部屋にいた。

暗くて何も見えない、不安になりながら冷静になれ!
と深呼吸した。

暫く目を閉じて、開くと暗闇に目が慣れ部屋の中が薄っすら見えてきた。

部屋自体は広くも狭くもない、真四角な部屋だった。
部屋には家具みタイなのはない。

「なんで私は、ここにいるの?」

どうして自分はこんなところにいるのか、全く理解できない。
しかし、冷静にならなきゃ自分に言い聞かせた。

部屋を見渡すと扉があった。
私は扉に向かって小走りで近づいた。

ドアノブを回したが回らないし、押しても引いてもビクともしなかった。

「ドアが開かない。」

他に逃げれる場所がないかと、キョロキョロ見渡したが通気孔すらない。

私は、絶望してその場に座り込んでしまった。

どうしてこんな所にいるかも分からないし、なんで閉じ込められているのかも謎だよ(泣)

暫く泣いたら、冷静になった。
どうしたら、ここから出られるか考えなくてはならない。
私はもう1度、閉じ込められている部屋の中を見回した。

「やっぱり出口は、ここしか無いのね。通気孔は体は入らないない。」
うーん、どうすればいいか考えているとドアの向こうから話し声のような音が聞こえてきた。
耳をすますと、声はなんとか聞きとれるくらいになった。

【今回のガキは、上物だからいい値段で売れるな!】
【今度は、金持ちになれるかもな!】

その話を聞えて、私は寒気がした。

私は、きっと誰かに売られるんだ!
絶対に逃げないと!
でも、どうしら逃げられるのか分からない。
何の解決策もなく、私はただあてもなくウロウロするしかなかった。

いつまでも良い案が出ない私は、いよいよ泣くしかなくなってきた。

【ヲヌシココカラデタイカ?】

なんだ?頭の中から声が聞こえてくる?

【ココヲデタイカ?ワレガダシテヤロウカ?】

おそるおそる、声の主に耳を傾けた。

【オヌシニハワレノコエガキコエてイルハズダ、ムシヲスルナ、ノロウゾ!】

声の若干泣きそうな感じに聞こえてきて笑いそうになった(笑)
しばらく聞いていても良いが、可哀想なので声をかけることにした。

「はいは~い!聞こえてますよ~」
私はラフな感じに話しかけた。すると、声の主は怒り心頭な感じで怒鳴ってきた。

【ワレニタイスルブジョクカ!ワレニナレナレシクハナシカケルトハ!ノロウゾ!】

これが私と彼との最初の出会いだった。
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