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第7章
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たわいも無い会話の中で気づいてしまったのだ。ドレスの話は聞かれたが、今回はクライブ殿下からエスコートの話を聞いていない。
もちろん、これまでの話の流れを考えれば将来的結婚するエルフリーデ先輩をエスコートするのが当然なのは理解しているし、今回も私をエスコートしてもらえるなんて夢を見ていた訳ではない。ただ、エスコートの話が出ていない不自然さに気付いたのだ。
もしかしたら相手のいない私を気遣っているのかもしれない。いや、意外と部下思いの殿下のことだからきっとそうだろう。それにもしかしたら「誰にもエスコートされないと決めている」と宣言してしまったから先輩が後に引けなくなっているのか。
どちらにしても両思いの2人が一緒にパーティに行けないのは楽しく無いだろう。
本当に世話が焼ける。
瞬間頭に浮かんだのは、秘書として働きながら何度もクライブ殿下に抱いた感想だった。きっとこの3年近い月日が私に立ち位置を刷り込んだのだろう。
秘書として殿下の仕事を支え、微力ながらも国が滞りなく機能する手助けをする。常に冷静沈着でいて時には冷徹とも取れる判断を迷いなく下す王太子殿下が実は部下思いで人情に厚い人となりなのを知って、だからこそ抱える苦悩を少しでも軽くできるように尽力する。
その毎日は私の自信となりプライドにもなった。そう気付いてしまえば、驚くほどに気は楽になる。だってなんのことは無い、私はこの国の王太子クライブ殿下の秘書なのだ。そんな自分が好きなのだ。
だから、ゆるく唇を弧に描くと、小さく息を吸い込んで思いついた程で声を上げた。
「来賓にお渡しする花束ですが、やはりクライブ殿下の挨拶の後、学園の生徒からとしてエルフリーデ先輩がお渡しするのが良いと思います。そうすれば流れも自然ですし、冒頭の挨拶の時間を短く、間伸びすることなく進行できるでしょう。ですので、先輩には殿下の近くで国王陛下の挨拶前から待って頂いて。ああ、花束は挨拶が終わる頃に新役員のどなたかに運んで頂きましょう」
「リディアさん?急にどうしたのですか?」
急にプレゼンを始めた私にロランさんが戸惑ったような声を上げた。ちなみに向かいに座る2人はびっくりしたのか固まったままだ。
「いえ、ロランさんも挨拶が多い分、進行のスムーズさに欠けると心配されていたので考えていたのです。挨拶が終わってから花束を持ったプレゼンターが登場するのでは移動だけでも時間がかかりますし。その点、殿下が先輩をエスコートする形で登壇すれば時間短縮になる上に、見栄えもばっちりです」
「見栄えだけで言えばそうでしょうが……それはその、色々と問題があるのではないですか?」
「問題なんてありません。殿下にも先輩にも婚約者はまだいらっしゃいませんし、公表しているパートナーもいません。もしも不都合を申し立てる人間がいても『生徒会役員としての役目』で押し通して仕舞えばいいのです」
「いやまぁ、リディアさんがそれで良いのでしたら私としては問題はないと思いますが……」
「もちろん、問題はありません。殿下の秘書としてこれが一番の策だと思っています。如何ですか?」
迷いない目で断言すると、ようやく殿下が動いた。
もちろん、これまでの話の流れを考えれば将来的結婚するエルフリーデ先輩をエスコートするのが当然なのは理解しているし、今回も私をエスコートしてもらえるなんて夢を見ていた訳ではない。ただ、エスコートの話が出ていない不自然さに気付いたのだ。
もしかしたら相手のいない私を気遣っているのかもしれない。いや、意外と部下思いの殿下のことだからきっとそうだろう。それにもしかしたら「誰にもエスコートされないと決めている」と宣言してしまったから先輩が後に引けなくなっているのか。
どちらにしても両思いの2人が一緒にパーティに行けないのは楽しく無いだろう。
本当に世話が焼ける。
瞬間頭に浮かんだのは、秘書として働きながら何度もクライブ殿下に抱いた感想だった。きっとこの3年近い月日が私に立ち位置を刷り込んだのだろう。
秘書として殿下の仕事を支え、微力ながらも国が滞りなく機能する手助けをする。常に冷静沈着でいて時には冷徹とも取れる判断を迷いなく下す王太子殿下が実は部下思いで人情に厚い人となりなのを知って、だからこそ抱える苦悩を少しでも軽くできるように尽力する。
その毎日は私の自信となりプライドにもなった。そう気付いてしまえば、驚くほどに気は楽になる。だってなんのことは無い、私はこの国の王太子クライブ殿下の秘書なのだ。そんな自分が好きなのだ。
だから、ゆるく唇を弧に描くと、小さく息を吸い込んで思いついた程で声を上げた。
「来賓にお渡しする花束ですが、やはりクライブ殿下の挨拶の後、学園の生徒からとしてエルフリーデ先輩がお渡しするのが良いと思います。そうすれば流れも自然ですし、冒頭の挨拶の時間を短く、間伸びすることなく進行できるでしょう。ですので、先輩には殿下の近くで国王陛下の挨拶前から待って頂いて。ああ、花束は挨拶が終わる頃に新役員のどなたかに運んで頂きましょう」
「リディアさん?急にどうしたのですか?」
急にプレゼンを始めた私にロランさんが戸惑ったような声を上げた。ちなみに向かいに座る2人はびっくりしたのか固まったままだ。
「いえ、ロランさんも挨拶が多い分、進行のスムーズさに欠けると心配されていたので考えていたのです。挨拶が終わってから花束を持ったプレゼンターが登場するのでは移動だけでも時間がかかりますし。その点、殿下が先輩をエスコートする形で登壇すれば時間短縮になる上に、見栄えもばっちりです」
「見栄えだけで言えばそうでしょうが……それはその、色々と問題があるのではないですか?」
「問題なんてありません。殿下にも先輩にも婚約者はまだいらっしゃいませんし、公表しているパートナーもいません。もしも不都合を申し立てる人間がいても『生徒会役員としての役目』で押し通して仕舞えばいいのです」
「いやまぁ、リディアさんがそれで良いのでしたら私としては問題はないと思いますが……」
「もちろん、問題はありません。殿下の秘書としてこれが一番の策だと思っています。如何ですか?」
迷いない目で断言すると、ようやく殿下が動いた。
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