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25番は存在しない 〜竹一族の記憶(一)〜
四
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何度資料を捲っても、書かれていることは同じだった。
「どういうことだよ、これ・・・・」
図書室に置かれた学校史、私立図書館の新聞やデータベース、ネットニュース、都市伝説じみた動画。ありとあらゆるものが、同じ答えを示していた。
俺は高校と図書館を行き来して夕方まで調査を行い、日が暮れ始めた頃、予約していたビジネスホテルへチェックインした。もちろん、宿泊代は父さんからもらっている。部屋は割と簡素な作りで、ベッドとクローゼットだけが目立ち、一方でアメニティーは充実していた。感心しつつ少し休み、調査内容をまとめた時ーー異変に気がついた。
「25年ごとの4月25日に、2年生1組の出席番号25番の生徒が、行方不明になっている・・・・? しかも、誰1人として発見されていない上、情報が無いに等しい・・・・まさか、今回と同じように、誰も覚えていないってのか?」
そんなこと、あり得ない。だが、あり得ないことを調べるのが、一族の仕事だ。
俺は実家で吉崎の話を記したノートを引っ張り出し、1ページ飛ばして集めた情報を記した。
【某県某市西馬高等学校生徒失踪事件】
〈概要〉
西馬高等学校の2年1組25番の生徒が、4月25日に25年ずつの間隔で行方不明になる事件。行方不明になった生徒は、いずれも見つかっている可能性が低く、今回同様、顔や名前を始めとした、生徒の個人情報を“覚えていない”と思われる。
〈年表〉
[1度目 1975(昭和50)年4月25日]
友人と共に帰宅したとの証言あり。夜になっても帰ってきておらず、同居していた祖母が学校に連絡して発覚。初めは家族や近隣住民で捜索が行われたが、発見されなかったため警察に通報。
(備考)
当時は日本の教育改革の時期であり、高校進学者が増加していた。当時の高校生たちも同様であったと見られる。一方、西馬高校は1975年以前から緻密な教育制度が整っており、入学金が高額であったことから、裕福な家庭の子女だった可能性が高い。
[2度目 2000(平成12)年4月25日]
部活動終了後、部員全員で帰路についたとの証言あり(野球部だったらしい)。部員とは自宅に程近い空き地で別れ、それ以後姿を見た者はいない。父親と2人暮らしであり、父が通報者。
(備考)
当時は少年犯罪を始めとした凶悪事件が多数発生しており、不安が蔓延っていた。そのため、この失踪事件もそのうちのどれかに類すると考えられた可能性が高い。
[3度目 2025(令和7)年4月25日]
授業終了後、1人で帰路に着いた。学校から出るところを学年主任が、帰路を歩いているところを近所の住民が目撃している。共働きの両親が帰宅した後、家にいなかったことで警察に通報。
(備考)
生徒の担任である吉崎康雄が、行方不明になった生徒のことを覚えていないことに不信感を覚え、竹一族に依頼をし、現在に至る。
「同じ日に、同じ出席番号の生徒が行方不明・・・・。鍵は25のはずだけど、それに何の意味がある? 特別何かがあったなんて話はないし、西馬高校内での事件も、この行方不明の事件だけだしな・・・・」
大袈裟なため息と共に、俺は思わず頭を掻いた。どう考えても普通の行方不明事件ではないが、普通でないことを証明する根拠が存在しない。一体どう進めりゃいいってんだ?
隣室の迷惑にならない程度に唸っていると、ある一言を思い出した。
ーーどうしても行き詰まったら、初めに戻って考えなさい。そこに答えはなくとも、答えにつながる手がかりが、あるかもしれないからね。
「・・・・何で警察じゃなかったんだ?」
初めに行方不明になった生徒は、行方不明が明らかになっていたはずなのに、警察への通報はかなり遅い。それもそのはずで、両親が行方不明になったことを理解した時、なぜか近隣住民と協力して捜索した。だが、数時間経っても発見できなかったから、警察に通報をした。だけど、普通は順番が逆じゃないか? だって当時、警察組織はすでに出来上がっていたんだから。
「裕福な家庭だったら・・・・もしかしたら、知られたくないことがある? 警察に探られたら、困ることが・・・・」
口に出して心の臓が冷えた。だが、もう後には引けない。依頼を受けた以上、こなす以外の道はないのだから。
「どういうことだよ、これ・・・・」
図書室に置かれた学校史、私立図書館の新聞やデータベース、ネットニュース、都市伝説じみた動画。ありとあらゆるものが、同じ答えを示していた。
俺は高校と図書館を行き来して夕方まで調査を行い、日が暮れ始めた頃、予約していたビジネスホテルへチェックインした。もちろん、宿泊代は父さんからもらっている。部屋は割と簡素な作りで、ベッドとクローゼットだけが目立ち、一方でアメニティーは充実していた。感心しつつ少し休み、調査内容をまとめた時ーー異変に気がついた。
「25年ごとの4月25日に、2年生1組の出席番号25番の生徒が、行方不明になっている・・・・? しかも、誰1人として発見されていない上、情報が無いに等しい・・・・まさか、今回と同じように、誰も覚えていないってのか?」
そんなこと、あり得ない。だが、あり得ないことを調べるのが、一族の仕事だ。
俺は実家で吉崎の話を記したノートを引っ張り出し、1ページ飛ばして集めた情報を記した。
【某県某市西馬高等学校生徒失踪事件】
〈概要〉
西馬高等学校の2年1組25番の生徒が、4月25日に25年ずつの間隔で行方不明になる事件。行方不明になった生徒は、いずれも見つかっている可能性が低く、今回同様、顔や名前を始めとした、生徒の個人情報を“覚えていない”と思われる。
〈年表〉
[1度目 1975(昭和50)年4月25日]
友人と共に帰宅したとの証言あり。夜になっても帰ってきておらず、同居していた祖母が学校に連絡して発覚。初めは家族や近隣住民で捜索が行われたが、発見されなかったため警察に通報。
(備考)
当時は日本の教育改革の時期であり、高校進学者が増加していた。当時の高校生たちも同様であったと見られる。一方、西馬高校は1975年以前から緻密な教育制度が整っており、入学金が高額であったことから、裕福な家庭の子女だった可能性が高い。
[2度目 2000(平成12)年4月25日]
部活動終了後、部員全員で帰路についたとの証言あり(野球部だったらしい)。部員とは自宅に程近い空き地で別れ、それ以後姿を見た者はいない。父親と2人暮らしであり、父が通報者。
(備考)
当時は少年犯罪を始めとした凶悪事件が多数発生しており、不安が蔓延っていた。そのため、この失踪事件もそのうちのどれかに類すると考えられた可能性が高い。
[3度目 2025(令和7)年4月25日]
授業終了後、1人で帰路に着いた。学校から出るところを学年主任が、帰路を歩いているところを近所の住民が目撃している。共働きの両親が帰宅した後、家にいなかったことで警察に通報。
(備考)
生徒の担任である吉崎康雄が、行方不明になった生徒のことを覚えていないことに不信感を覚え、竹一族に依頼をし、現在に至る。
「同じ日に、同じ出席番号の生徒が行方不明・・・・。鍵は25のはずだけど、それに何の意味がある? 特別何かがあったなんて話はないし、西馬高校内での事件も、この行方不明の事件だけだしな・・・・」
大袈裟なため息と共に、俺は思わず頭を掻いた。どう考えても普通の行方不明事件ではないが、普通でないことを証明する根拠が存在しない。一体どう進めりゃいいってんだ?
隣室の迷惑にならない程度に唸っていると、ある一言を思い出した。
ーーどうしても行き詰まったら、初めに戻って考えなさい。そこに答えはなくとも、答えにつながる手がかりが、あるかもしれないからね。
「・・・・何で警察じゃなかったんだ?」
初めに行方不明になった生徒は、行方不明が明らかになっていたはずなのに、警察への通報はかなり遅い。それもそのはずで、両親が行方不明になったことを理解した時、なぜか近隣住民と協力して捜索した。だが、数時間経っても発見できなかったから、警察に通報をした。だけど、普通は順番が逆じゃないか? だって当時、警察組織はすでに出来上がっていたんだから。
「裕福な家庭だったら・・・・もしかしたら、知られたくないことがある? 警察に探られたら、困ることが・・・・」
口に出して心の臓が冷えた。だが、もう後には引けない。依頼を受けた以上、こなす以外の道はないのだから。
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