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14枚目のトランプカード 〜竹一族の記憶(二)〜
十二
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「ごめん。予想はついてたんだけど、確信がほしかったんだ」
ろくろさんとの会話の全貌を明かすなり、賢三様は頭を下げて謝った。ぼくたちは慌てて顔を上げてくださいと声を揃えて言う。
「そもそも賢三様、あのトランプが自ら生まれた呪いって確信したのはいつなんです? ご当主様が施した封印の存在を口にした後、仰っていましたけど・・・・」
吉平が首を傾げながら尋ねた。確かに、それはぼくも気になっていたことだ。おずおずと視線を向けると、賢三様はおもむろに口を開いた。
「父さんの封印には、高度な防御力が備わっている。人間にとって害となる存在から守るための力がね。だから、人間は竹一族の所有地だと不思議と安心感を覚えるし、落ち着く。幽霊や怪異、呪いと呼ばれる存在になっても、それは変わらない。
だけど、人間を始めとした他者が介在しない怪異や呪いには、居心地が悪いんだ。だからこそ、そこから逃げようとした時点で、トランプカードは人間を始めとした他者が介在しない呪いだとわかるんだよ」
「なるほど・・・・。そういった存在を封じ込めるものだからこそ、逃げようとするってことですかい」
吉平が納得したように声を上げた。賢三様は鷹揚に頷き、ひとつ息を吐く。
「それにしてもーー轆轤首は、変わらず竹一族が嫌いのようだね」
「嫌い、と言いますか・・・・複雑な感情を抱いているのかと。己を始めとした妖怪は変わらず恐ろしい存在として忌み嫌われているのに、同じように呼ばれていたはずの竹一族は、人間であるだけで同じ感情を向けられなくなった・・・・。当然だとわかっていても、どこか納得しきれないところがあるのでしょう」
鋼さんの言葉は最もだったけど、ぼくと吉平は少し驚いた。同じ妖怪に対しても淡々とした態度を取ることが多い鋼さんにしては、随分優しい言葉だったからだ。賢三様も同じことを思ったのか、少し驚いた後、揶揄うような笑みを浮かべた。
「鋼も鋼で、変わらず彼女には優しいね。頭が上がらないとはこのことだ」
賢三様の言葉に鋼さんは一瞬硬直したけれど、すぐに声を上げた。
「・・・・2人の前でその話はよしてください。
ーー話を戻しましょう。無理に呪いに触れたことで、“客人”への危険は高まった。呪いも凶暴性を増すのは間違いありません。祓うか封印か、早めに決めてしまうべきでは?」
明らかに話を逸らした鋼さんに対して、賢三様はそれ以上揶揄わずに頷いた。
「一先ず、封印に関して父さんに相談してみるよ。君たちは少し休んで。もし轆轤首から何か情報が得られたら、直接話すか書き置きを残すかでお願い」
「かしこまりました」
揃って声を上げて頭を下げ、ぼくたちは里に戻った。当然のように鋼さんが送ってくれた。お礼くらいはしたかったけれど、別れの一言だけですぐに去ってしまったので、できなかった。
呑気に日常に戻ったぼくたちは、まるで知らなかった。賢三様が、どうやってこの一件を終わらせるか、すでに決めていたことを。
ろくろさんとの会話の全貌を明かすなり、賢三様は頭を下げて謝った。ぼくたちは慌てて顔を上げてくださいと声を揃えて言う。
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吉平が首を傾げながら尋ねた。確かに、それはぼくも気になっていたことだ。おずおずと視線を向けると、賢三様はおもむろに口を開いた。
「父さんの封印には、高度な防御力が備わっている。人間にとって害となる存在から守るための力がね。だから、人間は竹一族の所有地だと不思議と安心感を覚えるし、落ち着く。幽霊や怪異、呪いと呼ばれる存在になっても、それは変わらない。
だけど、人間を始めとした他者が介在しない怪異や呪いには、居心地が悪いんだ。だからこそ、そこから逃げようとした時点で、トランプカードは人間を始めとした他者が介在しない呪いだとわかるんだよ」
「なるほど・・・・。そういった存在を封じ込めるものだからこそ、逃げようとするってことですかい」
吉平が納得したように声を上げた。賢三様は鷹揚に頷き、ひとつ息を吐く。
「それにしてもーー轆轤首は、変わらず竹一族が嫌いのようだね」
「嫌い、と言いますか・・・・複雑な感情を抱いているのかと。己を始めとした妖怪は変わらず恐ろしい存在として忌み嫌われているのに、同じように呼ばれていたはずの竹一族は、人間であるだけで同じ感情を向けられなくなった・・・・。当然だとわかっていても、どこか納得しきれないところがあるのでしょう」
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「鋼も鋼で、変わらず彼女には優しいね。頭が上がらないとはこのことだ」
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