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母の御魂は四つ辻に眠る 〜竹一族の記憶(五)〜
六
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家に帰るなり、俺は父さんと母様に謝った。居間に家族全員が揃っていたが、ただいまを言うなり、謝った。どれだけ自分の感情がぐちゃぐちゃだったとしても、言って良いことと悪いことはある。何も知らずに2人を責めるなんて、やっちゃいけないことだった。
「謝るのは私の方だ。怒鳴ってすまなかった」
「本当にごめんなさい、四音。あなたが傷つくことを・・・・」
2人にも謝られたけれど、俺は大きく被りを振った。2人の気持ちを考えずに話したのは、俺の方が先なのだから。
「いいんだよ、2人とも。話すって決心してくれて、俺、嬉しいんだ」
はにかむ表情は、本当に彼女に似ている。幼い頃から似ているとは思っていたが、まさかここまで似るとは。
だがある意味、私に似なくて良かったのかもしれない。似ていることで、四音は母の面影を自身に見ることができる。
「・・・・声とは、何か話したの?」
ややあって、律子が尋ねる。四音はすぐに頷いた。
「うん。案の定、視えなかったけど、人間の姿や声を真似するんだって言ってた。服装は昔の柳宿の制服で、昔は橙色の着物だって教えてくれたよ。それと、俺の産みの母親も音に関する名前で、全盲だったってこと」
そんなことまで知っていたなんて。彼女は一体いつ、そんな存在と仲睦まじくなったのかしら。感覚が鋭い人だったから、人でない何かだとはわかっていたはず。彼女のことだから、きっとわかった上で話をしていたのね。
「その、本当・・・・なのか? 俺の産みの母親が、全盲だって」
「本当だ。生まれた時からで、光を感じることはできるが、何も視えなかったらしい」
「そんなに・・・・。もしかして、俺が幽霊や怪異を視ることができないのは、そのことがあるからなのかな」
恐らく、と父さんは頷いた。正直不便だと思っていたけれど、そこに産みの母親を感じられるなら、悪くないのかもしれない。
「詳しいことは、思い出しながら話そうか。だが四音。聞く前にこれだけは肝に銘じておいてくれ」
「・・・・なに?」
不安げな視線に対し、私は過去を思い出しつつ続けた。
「これから話すことは、幸福に満ちた話じゃない。悪意と苦しみが側に立ち続ける、時には耳すら塞ぎたくなるような、そんな話だ。それでも、全て聞くんだな?」
父さんの問いに、俺は迷うことなく頷いた。
「ああ。知りたいんだ。どうして俺が産まれたのか・・・・俺の産みの母親が、どんな人で、どうやって父さんたちと関わったのか」
「・・・・そうか」
ああ・・・・本当に大きくなったな、四音。あんなに小さくて、よく泣いていたのに。時の流れの速さを、感じずにはいられない。彼女の姿を、重ねずにはいられない。
「謝るのは私の方だ。怒鳴ってすまなかった」
「本当にごめんなさい、四音。あなたが傷つくことを・・・・」
2人にも謝られたけれど、俺は大きく被りを振った。2人の気持ちを考えずに話したのは、俺の方が先なのだから。
「いいんだよ、2人とも。話すって決心してくれて、俺、嬉しいんだ」
はにかむ表情は、本当に彼女に似ている。幼い頃から似ているとは思っていたが、まさかここまで似るとは。
だがある意味、私に似なくて良かったのかもしれない。似ていることで、四音は母の面影を自身に見ることができる。
「・・・・声とは、何か話したの?」
ややあって、律子が尋ねる。四音はすぐに頷いた。
「うん。案の定、視えなかったけど、人間の姿や声を真似するんだって言ってた。服装は昔の柳宿の制服で、昔は橙色の着物だって教えてくれたよ。それと、俺の産みの母親も音に関する名前で、全盲だったってこと」
そんなことまで知っていたなんて。彼女は一体いつ、そんな存在と仲睦まじくなったのかしら。感覚が鋭い人だったから、人でない何かだとはわかっていたはず。彼女のことだから、きっとわかった上で話をしていたのね。
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