BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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ヒーローは淫らに復讐される

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「くそっ! 離せっ!」

牢屋の中で、一人の男が吠えていた。男の両手両足は大の字に広げられ、牢の壁に鎖で繋がれている。男を捕らえたのは、普段男に懲らしめられている悪人達。男は復讐の為に捕らえられてしまったヒーローだ。
身動き出来ない男を見つめる悪人達。その手に握られた道具は、すべて男を辱める性具だ。
それらの性具を持って、悪がヒーローに近付く。

「な……やめ、んんっ!」

ヒーローの口に、言葉を封じるギャグボールが嵌められた。吐き出そうとする動きに対し、固定する為のベルトが頭の後ろで絞められた。容赦の無い拘束具の圧迫に、ヒーローは呻いた。
そんなヒーローに悪人達は淡々と作業を続けた。服を強く掴み、引き裂く。

「んうっ! うーっ!」

もがく男。しかし、服が破られる事を止められず、ヒーローは千切れた布を身に付けた無惨な裸体を晒された。
淡い色の乳首も、毛の薄いペニスも、悪人の目に露わになった。その乳首とペニスに淫らな細工が施される。ゴムチューブの付いた試験管のような器具。それが、二つの乳首とペニスを覆う形で取り付けられた。

「んっ? う……」

何をされるか分からず、ヒーローは眉をひそめる。悪人の一人が器具のスイッチを入れた途端、ヒーローの表情が一変した。声も怒りを込めた唸りが、甘さの混じった悲鳴となる。器具が掃除機のように、乳首とペニスを吸い上げ始めたからだ。

「んんっ! んぐぅーっ!」

ヒーローは性感帯を苛む淫具を外そうと暴れるが、吸い込む力が強く離れない。
残酷に責め立てられるペニスが、憐れに揺れるだけだった。身悶えるヒーローから、悪人達が手を離す。
そして背を向け、牢屋を後にし始める。

「うぅっ!? うぅーっ! ぐぅっ!」

ふざけるな。俺をこのままにするつもりか。
塞がれた口で必死に叫ぶが、反応は無い。

このままにされ、放置されたら。
このまま、機械に嬲られ続けたら。

想像が、ヒーローを支配していく。快感への恐怖が、プライドを粉々にする。

嫌だ。嫌だ

「うっ……うううううううっっ!!!」

恥も捨てた、懇願の絶叫。
だが、ヒーローを辱める者は、誰一人として振り返りはしなかった。

「んぐっ、んっ、ぐおっ」

一人になった牢屋の中で、ヒーローが悲痛に喘ぎ、泣き叫ぶ。
助けは来ない。快感からは逃れられない。絶望が頭をよぎる。
ヒーローへの復讐は、まだまだ始まったばかりだった。
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