BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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哀願の絶叫は誰にも届かぬまま小箱の中に虚しく響き渡る

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「んぎぃぃぃーっ!! もっ、もぉやらぁぁぁっ!! チ○コっ、もぅ苛めないれぇぇぇーっ!!」
「ゆっ、ゆりゅじで! だじゅげでぇぇぇーっ!! イぐのやりゃ! もぉやだぁぁぁぁぁーっ!!」

恥と誇りをかなぐり捨てた態度を示しながら、少年達が二人仲良く淫猥な地獄からの解放をねだる言葉を放っている。
絶え間無く亀頭目掛けて垂らされる強力な媚薬の効果に屈して高まりきった男根を容赦無く撫で回す無慈悲な筆達の責めに暴力的なまでの快楽を味わわされながら、少年達が甘い拷問からの救済を請う絶叫をなりふり構わずに紡いでいる。
だが、残忍な筆達は二人の哀願を全く汲み取ってはくれない。亀頭に滴った媚薬を男根全体へと塗り拡げながら幹を撫で、カリ首の下を丹念になぞり、左右の睾丸を捏ねつつ先端の穴をほじくる筆達は、完全な屈服へと達した少年達にわずかな休息すらも認めぬまま望まぬ悦楽を淡々と叩き込み続けている。
それも当然だろう。何せその筆達を操っているのは、無様な姿となった二人の少年を内部に取り込んだ残忍な装置なのだから。
幾ら鳴き叫んでも、無感情な装置は自身の内側に搭載された媚薬を垂らし筆を動かす機構を停止させようとはしない。どんなに喚き散らしても、少年達を中にしまい込んだ巨大な箱型の装置は己を作り出した非道な存在達が与えた設定に沿う駆動を繰り返すのみで許しをもたらす素振りすら見せない。
男根と睾丸以外の部分を手に乗る程度の大きさをした箱へと封じ、ありとあらゆる自由を没収する。そんな冷酷な小箱を用いた拘束に囚われた者を容赦無く嬲り倒し淫蕩な瓦解に至らせることを目的として作成された悪趣味な装置の加虐を注がれている哀れな少年達はもう、気高きヒーローとしての矜持を思い出す暇さえ挟ませない快感の責め苦にただただ逃れられぬ男根を打ちのめされるしか無い。ヒーローとしての力を行使出来ない状態へと追い込まれ、自分の肉体の大部分を閉じ込めた小箱の中に響くだけの悲痛な懇願を無意味に発している少年達はもはや、男根を弄んでいるのが機械だということも、すぐ隣で相棒が同じ苦悶にいたぶられていることも分からぬまま、自分を縛める小箱に仕込まれた設定のせいで絶頂に辿り着けず発狂や失神すらも禁じられた心を際限無くすり潰されるしか無いのだ。

「イっ、イぎっ、だいぃぃっ!! イがじぇでぇっ! しゃせー! しゃせぇぇぇぇーっ!!」
「イがぜでぐらじゃいぃぃっ! じゅっどイってりゅのに、イってるはずにゃのにぃぃっ!! イげないのっ、ぐりゅじいのぉっ! だ、じゅげでぇぇぇ……っ!!」

喉が破れんばかりに発せられる精液の放出を願う叫びも小箱から外に出ることは叶わなくて。傍から見たら巨大な装置の駆動しか鳴っていない空間で少年達は、快楽を極めることも崩壊を迎えることも不可能にされた絶望の事実を認識する思考能力すらも失ったまま無防備にさらけ出された男根を毛に媚薬を纏った無数の筆に撫で回され、元から過敏な弱点である男根をほんの少し息を吹きかけただけで堪らない快感を覚え苦しげに脈動する最高に惨めなインテリアという狂った商品へと育て上げられていくのだった。
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