BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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支配された肉体は音楽に合わせて淫らに踊り狂わされる

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淫靡さを掻き立て興奮を煽る薄桃色の光に照らし出されたステージの上で、男達が会場に響き渡る音楽に合わせたダンスを一糸乱れぬ動きで披露していた。
首から上と、手首と足首の先。そして乳首と股間の周辺を除く全てを隙間無く覆う形状をしたライトの光よりも濃い桃色の衣装を纏った男達が、丸出しにした恥部を情けなく振り乱し客席を埋め尽くした男達に迷い無く見せ付けるダンスショーを捧げていた。
そのステージは、誰が見ても爛れた娯楽でしか無い。手足や腹部を覆う逞しい筋肉を扇情的に浮き上がらせる衣装に身を包み、衣装に隠されず露出している硬く膨らんだ乳首と男根をみっともなく跳ね回らせながらはしたなくヒクつく尻穴を主張する動きを音に沿って繰り返す男達は、誰の目にも痴態を晒すことに慣れた淫蕩なダンサーにしか思えないだろう。
しかし、実態は違う。ステージの上で踊る男達はその全員が、意に染まぬ行動を、覚えたことも練習したことも無いダンスを意に反する形で強いられている。
身に着けた者に恥ずかしい場所をさらけ出させる状況を強制するだけでなく、反抗も許さぬ威力で命令の遵守を強要する。そんな残酷で悪趣味な衣装に思考以外の全てを支配された男達はもう、自分達を鑑賞する客達に無様を提供させられ続けるしか無い。
自分達を捕らえた組織が運営する狂った店を盛り上げる見世物に貶められ、その無慈悲な組織との繋がりを有し自分達の今の状態を正確に把握した客の男達の前から逃げたくても逃げられない哀れな男達はもはや、無理矢理に引き結ばされ哀願の悲鳴を放つことさえ禁じられた口を虚しく震わせつつ、唯一の呼吸孔となった鼻を激しく鳴らしながらのダンスをさせられることしか出来はしないのだ。
左右の乳首を己の指で捏ねながら、腰を左右にくねらせて男根を振り乱す。男根を一生懸命に手で摩擦しながら客席に対して突き出した尻穴を上下左右に揺らめかせる。
どれか一つだけでも理性が大きく苛まれ誇りが恥辱に殴り付けられる振り付けを蓄積する一方の疲労の中なぞらされる。非道な辱めに、男達は精神を摩耗させられ自身の汗を吸い一層肌に貼り付いた衣装に掌握された肉体を際限の無い憔悴へと追い立てられていく。
だが、男達の地獄は終わらない。自分達を主軸に据えたダンスショーを構成する音楽のクライマックスに合わせて、男達の肉体がステージの端へと、客席の最前列から一メートル程しか離れていない場所に設置された男根型の淫具の元へと望まぬ歩調で運ばれていく。
今日もまた、あの器具で己の尻穴を貫かされる。犬のお座りのような姿勢で固められ、これまで加えられていた射精及び絶頂の禁止を解かれながら、次の主役となる同じ衣装を着せられ同じ隷属の立場に置かれた男達のダンスショーを彩る装飾感覚で一生懸命に腰を上下に往復させ音楽の速度に合わせて自身の尻穴をほじくり回しイき狂う様を引きずり出されてしまう。
そこまで理解していても迫り来る展開を拒絶出来ない現実に改めて絶望を募らせながら、男達は自分達の後ろに控えた次の惨めな主役達の気配を感じつつ、最後の一音と同時に勢いよく腰を落とし異物を尻穴に飲み込んだ肉体に走る雌の悦楽に流されての射精を、客達に見られながら迎えさせられていくのだった。
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