BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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逃れられぬ裸体達は無慈悲で淫蕩な直線へと運搬される

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左右の手首から先と足首から先を自身の内部に取り込み、柔らかな素材を挟んだ金属の緩み無い圧迫を用いて自由を奪う。そんな機構を有した白い箱型の装置によって両手両足を×字に引き延ばした状態を無理矢理に維持させられた男達が、手足を縛める装置と繋がっている壁の機構の力で無様な裸体を為す術無く運搬され続けていた。

「おぅ、えあぁ……おぅ、ううひへ……!」
「あえは、はうへへぇ……っ!!」

黒い球状の枷を噛まされた口で不明瞭な哀願の言葉を幾ら紡いでも、救いは訪れない。狭い通路の中を自分と同じように運ばれていく正面の男達の姿を絶望と恐怖の涙に潤んだ瞳で見つめながら裸体を必死にもがかせても、脱出の糸口は全く掴めない。

「あがぁぁぁぁーっ!? もごっ、あごぉぉぉっ!!」
「ぶぎゅぅぅぅっ!! ぼほっ、むぶぁぁぁぁぁ-っ!!」

あの曲がり角を過ぎたら、地獄が再来する。その事実を分かりやすく伝える悲痛な絶叫を耳にしながら暴れに暴れても逃れられない惨めな男達は、自身を捕らえた非道な組織の思惑に沿った残酷な躾へと、抗えぬ裸体に快楽を刻み付け淫猥な堕落を促す調教へと、仲良く追いやられるしか無いのだ。

「んぼぉぉぉーっ!? はごっ、ほごぉぉぉーっ!?」
「ぼあぁ! もぼあぁぁ! うひゅぶぅぅぅぅーっ!!」

諦観を募らせ覚悟を抱いても耐えられはしない。そんな淫らな責め苦が、運ばれてきた男達を甘く苛んでいく。
照明が設置されている天井を除いた床と左右の壁から伸びた器具達が、触れた箇所に発情と感度の上昇をもたらす淫薬を毛の部分に染み込まされた小刻みな振動を繰り返す丸くふわふわなブラシが、自分達の前を横切る男達の裸体をまんべんなく撫で回し、くすぐり倒し、絶頂を強いる悦楽を叩き込んでいく。

「はごぉぉっ! も、ぼごぉぉぉーっ!!」
「うぁっ! あぁっ!! ほ、ぼ、ぶぁぁぁぁぁぁっ!!」

胸元と共に脇の下を刺激するブラシが気持ち良い。脇腹を責め立て足全体をいたぶるブラシが気持ち良い。閉じられぬ足の間に配置され無防備な男根と尻穴を震わせるブラシが気持ち良い。それら全ての快楽に淫薬の効果を上乗せされる拷問で心を砕かれ、肉体を隷属へと導かれながら、ただよがり狂い鳴き叫ぶだけの生物と化した男達は責め具が配置された直線の終了を、一時的な安息が待っている次の曲がり角への到着を永遠とも思えるイき地獄の中で欲し続けていた。
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