BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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狂った男は刑事達で遊んで愉しむ

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裸体で茶色い柱に手足を縛り付けられた二人の刑事の写真と、住所が記された紙。それを届けられた警察は攫われた二人の刑事を助け出す手がかりを掴みたくて、また次は住所に記された建物に住む者に危害を加えるという遠回しな予告かも知れないと考え、手続きを踏み事情を住人の男に説明した上で建物内を調べた。
しかし、どこにも二人の刑事はいなかった。大人二人を隠しておける空間も写真にあったような柱も無く、付け加えて言うならば住人の男と攫われた刑事達が追い掛けていた犯罪組織との接点も見つからなかった。
結論として出たのは、この住所はただ警察をからかう為に添えられ、まんまと思惑通りに無駄な労力を使わされたという腹立たしい事実と攫われた二人への手がかりがまた途絶えてしまったという事実。悪の手玉に取られ、仲間を救い出したい思いを形に出来ずにいる苛立ちを感じつつも警察は表情は冷静に保って突然押しかけて調べた事を住人の男に詫びつつ、何かあったら連絡して欲しいと告げて去って行った。

その展開こそが住人の男が望んでいた物だと気付ける訳も無く、警察は建物を、拘束を施された二人の刑事が隠されている建物を何の収穫も無いと判断し、間違った結論を出して後にしてしまった。

「刑事さん達、お待たせ。お仲間さんはようやく帰ってくれたよ」

男は書斎で愉しそうにそう口にする。だが、声を掛けられた相手である刑事達の姿はどこにも無い。普通に見れば、書斎には男一人しかいない。
だが、実際は違う。そこには、無様な姿で自由を奪われた二人の刑事が閉じ込められている。男は調べに来た警察の人間も開けた机の引き出しを開け、布で作られた筆入れを手に取るとファスナーをスライドさせ、机に敷かれた透明なシートの上に筆入れの中身を出した。

「うぐぅっ!」
「あ、ふぐ……っ!」

中から出てきたのは、本来の大きさとは全く違う小さな刑事達。それも鼻から上以外の部分を白い布でぐるぐる巻きに縛り上げられ、抵抗はおろか立ち上がる事さえままならないミイラのような格好にされている無様極まりない二人の刑事だ。
気を付けの姿勢のまま両手両足に加え口を過剰に制限されている状態だけでもあらゆる行動を封じるには十分なのに、身体のサイズを小さくされるという通常では考えられない変化を与えられたらもはや逃げ出しようは無い。
普通の状態でも引きちぎれない布の拘束を力が弱まった小さな身体で振りほどける訳は無く、仮に振りほどけたとしてもドアノブに近付けず書斎からは出たくても出られない。
そして、最後の望みであった仲間による救出の可能性もついさっき潰えた。塞がれた口で二人は一生懸命に唸ったものの、二人が身体を小さく作り変えられているという異常な状況を知る由も無く想像もしていない警察の人間は引き出しにほとんど注目せず、一回開けてすぐに閉じてしまった。

「いやー、良かった良かった。これで、警察に邪魔される事無く刑事さん達で遊ぶのを愉しめるよ。例えばこんな風にして……一日中、刑事さん達がくねくね身悶えるのを見て愉しめるね」
「っ!? んぐ! ふぐぅぅぅ!」
「んっ! ふっ、ぐぅ……」

狂気に満ちた笑みを浮かべた男が左手で片方の刑事を握り、右手で引き出しからプラスチックの容器を取り出す。
その容器の中身を身をもって知っている刑事は、全身に媚薬入りのクリームを塗り込まれて発情に苦悶する様を観察された経験を思い出した刑事は男の手の中で半狂乱になって唸りながら暴れ、机の上で恐怖を抱きながら身を強張らせるが、そんな事をしても当然逃げられず男も慈悲を抱かない。

「今日はお祝いだよ。いつもよりもたっぷり塗り込んで、暴れられないように二人をしっかり固定してから観察してあげるよ。どうする? 二人が向かい合わせになるように括って欲しい? それとも警察に送った写真のように椅子の脚にきつく縛り上げられたい? 好きな方を選ばせてあげるよ」

小型化した男を好き勝手に弄びたいという理由だけで刑事達を人を雇って攫い、自らが作り出した薬品を飲ませた男が見せる生き生きとした狂った笑顔に刑事達は戦慄し、容器から媚薬クリームを掬い取った男の指をどうする事も出来ずに涙の滲んだ瞳でただ見つめていた。
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