BLエロ小説短編集

磔の男は憎き敵達の前で痴態を引きずり出される

左右の足首から先を緩み無く包み一つに纏めている黒色をしたガムテープによって、男は足の自由を大きく奪い取られてしまった。
左右の手首から先をそれぞれ別に覆い握り拳の形を維持させている足と同じテープによって、男は指の使用を不可能にされ自力で拘束を解きたくても解けない状態へと追いやられてしまった。

「んっ、んぅぅぅーっ！ ぶっ、むぐうぅっ！」

専用の溶剤が無ければ決して剥がせない。そんな強力なテープを執拗に貼り付けられ目と口を塞がれた男がくぐもった悲鳴を上げながら身悶えても、裸体からありとあらゆる選択肢を削ぎ落とされた事実は覆せない。
閉ざされた視界の向こうで自分の手首を掴み荒々しく前に引いて左右と一体化させられた足での無様な移動を強いられている男が脱出を求めてじたばたともがいても、それは男を捕らえ強力なテープを用いた縛めを施した醜悪な敵達に更なる愉悦を味わわせるだけだ。
丸出しにさせられた男根を間抜けに振り乱しながら、意に染まぬ跳躍での前進を繰り返させられる。仮に左右の手首を掴んで自分を連行している二人の敵から抜け出せたとしても、左右の足を一つに括られ指と目と口を使い物にならなくさせられている立場ではすぐさま元の連行へと引き戻されてしまう。
それらの現実が思い知らせてくる敗北色の屈辱と絶望をたっぷりと噛み締めさせられながら抵抗虚しく目的地へと運ばれた男はもう、不自然な移動と無意味な足掻きが引き寄せた疲弊に染まり噴き出した汗に濡れそぼっている裸体を憎き敵達が用意した地獄の舞台へと縫い付けられるしか無い。
敵を悦ばせるだけの拒絶も示せなくなった裸体を１８０度回転させられ背後となった壁に逆らえぬ身体を押し付けられた男はもはや、テープの上から両手首と足首に上乗せされた駄目押しの拘束に戦慄を覚えさせられるしか無い。
腕を真横に伸ばした状態から離れられないよう左右の手首を壁に接続し、足裏をテープ越しに床へと密着させられた体勢から逃れられないよう足首にも手首と同じ壁への接続を加えられた男は、テープが無かったとしても振り払えはしない頑丈な拘束によって磔の姿に固められた裸体を好き勝手に弄ばれるしか無い存在だ。
どんなに力を込めても、それを嘲笑うかのような金属音を奏でるのみ。頑丈な金属製の鎖と南京錠を使って四肢を壁に結わえられた男は、自身の真正面の位置でソファーに深く腰掛けくつろいでいる敵の首領に惨めな自分を堪能されながら、その惨めさを一層強調する滑稽で淫らな痴態を敵の組織の構成員である男達に引きずり出されつつよがり狂わされるだけの存在でしか無いのだ。

「むっ、むぶうぅっ！？」

無防備な左右の乳首が、前触れ無く接近した指に挟まれ捏ね回され始める。憎き敵を束ねる首領の男に対して晒されていた男根が、二つの手の平の間に挟まれ巧みで不規則な摩擦由来の快感に勃起へと至らされていく。
自分をこの場所まで運び手首と足首に鎖を上乗せした敵達による乳首と男根への攻撃は、どう抗っても遠ざけられない。片方の手で乳首を苛みもう片方の手で力を合わせて男根をいたぶる敵達の意図に沿った悶絶を提供させられている。その最高に情けなく愉快な男をくつろぎの格好を崩さずに満喫しながら、敵を束ねる首領の男は早くも頂点に達しそうになっている男の射精を見逃さぬよう、自身の背後に控えた部下達と共に身を乗り出しつつ鑑賞していくのだった。