BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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主は頑張った犬に淫らなご褒美を与える

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ベッドと机のみが置かれた殺風景な部屋に、小さな赤いボールが跳ねる音が鳴っている。
輝く程に磨かれたフローリングの床を軽く叩きながら、ゴムで作られたボールがじょじょに跳ねる高さを落としつつ部屋の端へと進んでいく。
その様子を涙に潤んだ瞳で見つめ甘く荒く乱れた呼吸を繰り返しながら眺めていた少年は、ボールが完全な停止に至ると同時に穏やかでありつつも有無を言わせぬ声音で指示を出した少年の意図に従って、間抜けな鳴き真似を交えての移動を開始した。

「○○、取っておいで」
「わぅぅん……っ」

ボールを右の人差し指で示しながら命じた少年に逆らう意思など、命じられた側である少年には無い。
自身の主に君臨した愛しき少年からの命令を受け興奮と愉悦に身を震わせている少年は、己に贈られた衣装に合わせた犬の声を放ちつつ本物の犬のような四つん這いの体勢でボールとの距離を詰めていく。
犬の足を模した部分を構成する分厚い綿を用いて指の使用を禁止する。そんなグローブとブーツを悦んで嵌めた手足を使って犬に寄せた歩行を披露している少年はもう、人間ではない。薄茶色をした犬の尻尾飾りと繋がっている男根型の淫具を尻穴が奥深くまで飲み込んでいる様子と、被虐の至福に酔いしれ限界を超えた勃起に達している男根が幸せそうに脈動する様を背後の主に向かって迷い無く捧げている少年はもはや、人間らしさを保とうとする意識すら残してはいない。
頭部に装着された犬の耳飾りの下で表情を淫猥に蕩けさせ、主の思いに沿って赤いボールをくわえた口から主を愉しませられているという充足で更に乱れた呼吸と唾液をだらしなく溢れさせている今の少年は、魂の奥底まで隷属を刻み付けられた犬以外の何物でもない。大好きな主に苛められ、辱められて嬉しがる淫乱で従順な犬でしか無いのだ。

「ふふっ、またよく出来ました。○○は本当に良い子だね」
「わんっ、あおぉんっ」

ご主人様に褒められた。その情報に全身をときめかせつつ、犬の少年が次のボールに向けて身構える。
ご主人様が望むならば幾らでも取ってきますという献身を胸に湧き上がらせつつ、犬になりきった少年が男根を震わせながらいつボールを投げられても即応出来るよう準備を整える。
だが、その瞬間は訪れなかった。どこまでも自分に服従を示す可愛くて惨めな犬を味わいつつ唾液に濡れたボールを自身が腰掛けているベッドの上に置いた主の少年は、わずかに困惑している犬の汗ばんだ髪を撫でながら褒美と称した次の責めの開始を己の張り詰めた男根をズボンのファスナーから露出させ宣告した。

「たくさんボールを取ってきて疲れたでしょう? 頑張った良い子のワンちゃんには休憩とご褒美をあげるよ。ほら、チ〇チンの格好を取って、大好きなご主人様のおチ〇チンを思う存分嗅ぎなさい。遠慮なんてしなくても良いからね、○○?」
「ふぁ、ひゃうぅんっ」

愛しい主の男根が、眼前に突き付けられている。しかもそれを好きなだけ嗅いでも良いと許可も与えられている。
その事実を脳で噛み締めるよりも先に主が求めた格好を取り鼻先が触れんばかりに緩みきった顔面を男根に接近させる犬を独占しながら、主である少年は今すぐに舐めしゃぶりたいという分かりやすい衝動を必死で抑え込んでいる犬の間抜けさを意地悪く笑いつつ、男根の香りで更なる発情へと上り詰めていく自分だけの犬を焦らしに焦らし抜く愉悦を嬉々として噛み締め始めるのだった。
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