BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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淫らな布は侮蔑の内容を思案しつつ押し当てられる

反対の肘を手の平で包んでいるかのような状態を背中側で強いる。そんな縛めをもたらす黒革製のアームバインダーをなりふり構わずに軋ませながら、青年は危機からの脱出を試み続けていた。

「んっ、んぐぅっ! んむぅぅぅっ!!」

鼻の穴を除いて頭部全体を隙間無く包み込む黒革で作られた全頭マスクの下で悔しげに眉根を寄せ開くことも出来なくされた口から怒りの唸りを発しながら、青年が左右の膝から下を一つに接続し自由を奪っているブーツに見た目を寄せた黒革の拘束具をどうにかして振り払おうと試行錯誤を重ね続けている。
しかし、状況はいつまで経っても変わらない。両肩に通されたアームバインダーの一部であるベルトが食い込む痛みを承知で暴れても、足を包むブーツ型の拘束のつま先部分と全頭マスクの頭頂部にあてがわれた金具を繋ぐ縄に首への負担に構わず攻撃を送っても、青年は拘束はおろかベッドの上に腹部のみを預けさせられた不自然で苦しい体勢から抜け出すことすらも出来はしない。
視界と言葉、手足の自由。それらを没収され絶えず各所の骨が痛む仰け反りの体勢に固定された青年はもう、胸に渦巻く激しい反抗とは裏腹に何一つとして望んだ行動を取れはしない。ベッドの上に側面を下にして転がることすらも叶わない格好へと追いやられた無様な青年はもはや、自分を捕らえた敵に寄せている鋭い怒りさえも嘲りの材料とされながら弄ばれるしか無い。
一時間の放置を経ても一切態度の変化がもたらされていない気丈で諦めの悪い様を自身の元へと戻ってきた敵に愉しまれている哀れな青年は、残りわずかな選択肢でぶつける怒気の意思表示を軽く聞き流されながら、無慈悲な敵が用意していた本格的な陥落に向けての加虐を一方的に注ぎ込まれるしか無い惨めその物な存在なのだ。

「ほら、たっぷりと吸いなさい。我慢しても無駄だから、さっさと観念して吸いなさい」
「っぶ!? ん! んぎゅ……!!」

突如として唯一の呼吸孔となっていた鼻へと押し当てられた湿った布に驚愕と拒絶の反応を見せながら、青年が敵の男の言葉に抗って呼吸を堪える。そんなことをしても、いずれは我慢の限界が来て吸入せざるを得ないのに。必死で顔を振りながら悶えても滑稽なだけなのに。青年が息苦しさに震えながら布を湿らせている正体不明の液体を体内に取り入れまいと忍耐を可能な限りに維持する。
その無駄で愉快な抵抗を圧倒的に優位な立場で堪能しながら、青年を捕獲し間抜けな姿で拘束した敵の男は右手で押し付けた白布に含ませた淫猥な薬品を努力も虚しく一回二回と吸入させられた青年が次第に湧き上がる発情に蝕まれ、情けなく不自由な裸体で腰を振って勃起した男根を無自覚にベッドへと擦り付ける未来に期待を寄せつつ、その痴態を指摘し侮蔑する台詞を歪んだ興奮に浸りながら思案していくのだった。
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