失敗作は正義として偽物を甘く嬲る

五月雨時雨

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失敗作は正義として偽物を甘く嬲る

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「んむぁぁぁっ! むぁ、ぐ……ふむぅぅぅんっ!」

薄暗い地下室でどんなにくぐもった唸りを発しても、その声は決して地上には漏れ出ない。黒革の本体に輪状の金属が取り付けられている枷を装着され黒色のゴム栓を施された口から言葉にならぬ助けてを叫びながら赤い一人掛けソファーに乗せられた裸体をもがかせても、青年の自由を奪う拘束は外れる気配すら見せない。
四本の脚を地下室の床に金具で固定されたソファーの上で幾ら身をよじらせても無駄。頭部と共に背もたれを挟み込むような位置に移動させられ、そこから離れられないよう手首に巻き付けられた黒革の枷とソファーの後ろ側の脚を鎖と南京錠で遊び無く結ばれた腕を必死で暴れさせても無駄。肘掛けの上に膝裏を乗せられ、ソファーの下を通る鎖によって左右の足首に与えられた枷を結合された足を休み無く揺らしても無駄。何をしても、なりふり構わずに試行錯誤を繰り返しても、青年は食事に混ぜられた淫薬の効果で望まぬ発情へと導かれた裸体を惨めにくねらせながら勃起させられた男根を揺らすことしか出来ない。
ありとあらゆる行動に制限を加えられ、地下室に監禁されている青年はもはや、自分をこの状況へと追いやった存在の手で為す術無く弄ばれるだけの存在でしか無い。地下室へと戻ってきた者の手で、自分と全く同じ顔を持つ青年の手で、捕らわれた青年は今日も甘い辱めを注がれるしかないのだ。

「ヒーローさん、今日もちゃんと……貴方の代わりを務めましたよ。この間話したブルーさんとの合体技も上手く決まって、敵の撃破に貢献出来ました」
「う、うぁ、おむぅぅ……!」

にっこりと微笑み、今日の戦果を報告しながら歩み寄る青年に対し、ソファーに繋がれた青年は怯えを露わにする。
自身の細胞を元にして作られた自分自身のクローンに捕らえられた青年は、眼前のクローンがヒーロー組織の内側からの崩壊を画策した敵の目論見から外れ『捕らえた青年ヒーローを淫らに嬲り屈服させること』と『自分に成り代わりヒーローとしての務めを全うすること』のみを手段を問わず優先する失敗作という名の怪物と化した事実を改めて認識しながら、心の底から恐怖し自身の偽物に許しを請う。
だがもちろん、本来の目的を忘れた『捕らえた青年ヒーローを淫らに嬲り屈服させること』を優先しているクローンは本物の哀願を受け入れなどしない。手段を目的へと変貌させたクローンは、誇りを捨てて救いを欲する本物の青年ヒーローを嘲笑いながら、手も足も言葉も出せない無様な青年に、今日も本質を見失った凌辱を何の躊躇いも無くこれが最良の選択肢と信じて疑わずに叩き込み始めた。
それも、青年ヒーローの心を抉り絶望を加速させる言葉を浴びせながらだ。

「ブルーさん言ってましたよ。お前がいないと勝てなかった。お前は最高の仲間だって。もう、皆さんにとってのヒーローは貴方じゃないんです。クローンの僕がかけがえのないヒーローの一員で、人々の希望を受ける正義なんです。貴方はもうヒーローじゃない。正義である僕に犯されながら嬉しそうによがり狂う、偽物の肉奴隷でしかないんですよ」
「うぁぅ、おぅぅんっ! あごっ、あ、もぉぉぉっ!!」

自分と全く同じ肉体と顔を持つ狂気に染まったクローンの男根で異物を拒む方法を忘れた尻穴を蹂躙され、非情なクローンの言葉で自分の状況に気付いてもらえる可能性が著しく低い事実と仮に解放されても捕らわれている間に成長した仲間達には遠く追いつけない事実を再度教え込まされながら、本物であった青年ヒーローは肛虐がもたらす雌の悦楽に溺れていき、自分に成り代わった本物の青年ヒーローの前で触られてもいない男根から、淫薬の影響で射精欲を溜めに溜め込まされていた男根から、嬉しそうに精液を迸らせるのだった。
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