眠気に抗いながら非道な男は悶絶を愉しむ

五月雨時雨

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眠気に抗いながら非道な男は悶絶を愉しむ

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日中の激務に疲れた身体は、私に対して睡眠を要求している。ベッドの背もたれにあてがわれたクッションに上半身を預けた体勢でタブレット端末を眺めている私に向かって、本能は早く休息を取れと促している。
だが、私はタブレットから手と目を離せない。イヤホンを通して流れ込んでくる愉快な音声に耳を傾けるのをやめられない。私が今いる寝室のほぼ真下に位置する地下室へと監禁した捜査員が無様に身悶えながら拘束との格闘を繰り返す滑稽極まりない中継映像を、私は睡眠欲を霞ませる程の高揚を滾らせながらもう何時間も堪能し続けていた。

「うぅっ! んぐっ、ぶうぅ!! むー! んむぅぅぅーっ!!」

怒気、焦燥、恐怖。ありとあらゆる感情が混ざり合った唸りを塞がれた口で発しながら、捜査員は私に観察されていることも知らぬまま情けなく床の上でのたうち回っている。
上半身に着せられた黒革製の拘束服を休み無く軋ませ、拘束の機構が備わった黒革のズボンとブーツに縛められた足をみっともなく揺れ動かしながら、私に捕らわれた捜査員は惨めに肉体を転げ回らせている。
もちろん、幾ら捜査員がじたばたと試行錯誤を繰り返しても、首から下を覆う黒革の衣服による拘束と、頭部に施された拘束は外れない。左右の腕の手首から肘の間の部分を幾本ものベルトで背中へと縫い付けた上で指先部分に存在するベルトを用いて手を腹部へと結合させ、二の腕を胴体へと括り付けるベルトによってすでに自由など欠片も無い腕に暴れさせることすらも禁じる拘束服は捜査員がどんなに頑張ろうが緩みすらしない。表面に生えたベルト達を締めることで左右を隙間無く密着させた上で足首を縛るベルトと太ももを縛るベルトに取り付けられた金具同士を繋がれた無慈悲なズボンに動きを制限された捜査員の足は、必死に力を加えてもわずかに開くことすらも許されず後ろに折り曲げさせられた状態から離れることさえも叶わない。男根を模した張型状の枷を喉近くまで飲み込まされ、その枷を自力では吐き出せないよう頭部全体を通る細い黒革ベルトによって固定された挙げ句、枷の底から生えた金具と地下室の床に打ち付けられた金具を南京錠で一つに結ばれてしまった捜査員は、なりふり構わずに頭部を振り乱しても言葉を没収された事実はおろか、口と床を短く結合され芋虫のように床を這いつくばって移動することすらも不可能にされた事実からも逃れられない。

「うーぅっ! うぶっ……むぐぅぅぅっ!!」

手も足も出せず、しゃべることも出来ない。口枷と床の金具が認める範囲で様々な試みを行っても、捜査員は壁に埋め込む形で仕込まれたカメラが撮影している決して広くはない空間から、私が暗がりの中で凝視しているタブレットの画面の中から抜け出せない。
あの目障りだった捜査員が、こんな哀れな格好を晒している。気高き正義の色に染まっていた瞳に絶望と怯えを滲ませながら、諦め悪く無意味に脱出を目論んでいる。とても私の悪事を憎み数えきれぬ程の邪魔をした者とは思えない情けないもがきをカメラ越しに提供する捜査員。その捜査員の様子をこれ以上無い愉悦を湧き上がらせながら観察していた私は、じわじわと強まってきた眠気の中で部下に命じて準備させた辱めの機構をふと思い出し、目と耳を悦ばせる情報を更に濃い物へと引き上げさせる為に迷い無くタブレットの右上に小さく表示されていたボタンを押した。
途端、画面に映る捜査員の様子が明らかに変わる。私が操作したボタンに対応して起動した機構にそれまで無かった刺激を注がれ始めた捜査員は、尻の谷間に緩く挟み込む形で内蔵されたバッテリーから送り込まれる電力と指示を受けて駆動した薄いパッド状の淫具に男根全体を細かく震わされ始めた捜査員は、淫らで残忍な本性を現したズボンがもたらす意に染まぬ快楽に逃げ場の無い男根を嬲られながら、塞がれた口でくぐもった絶叫を放ちつつ襲う来る射精欲を一生懸命に堪え出した。

「むぐぅぅぅーっ!? んもっ、むぶぅぅぅ!! んっ、んぅ! むー! ぶぅぅぅぅぅっ!!」

それまでとは全く違う理由で肉体をよじらせ、涙に濡れた目を見開きながらイヤイヤと駄々をこねるように顔を左右に振る捜査員が地下室中に反響させる喘ぎ混じりの悲鳴と拘束が勢いよく鳴る音のハーモニーを聞きながら、私は一層見応えのある悶絶を見せ始めた捜査員が我慢も虚しく絶頂を何度も迎える様を痴態を愉しみたいと願う欲望が睡眠欲に抗えなくなる時まで細めた目で見つめ、淫蕩な絶叫を耳にしつつの心地良い眠りへと無意識の内に落ちていくのだった。
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