青年犬は残酷な命令で絶望と理性を淫らに塗り潰される

五月雨時雨

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青年犬は残酷な命令で絶望と理性を淫らに塗り潰される

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「わん、わぉん、はぁ、はぅ、きゃぅぅんっ……」

頭部に装着された白い犬の耳を跳ねさせ、尻穴から垂れ下がっている白くふわふわな犬の尻尾を左右に揺らしながら、青年は荒く乱れた呼吸混じりに犬の鳴き声を発していた。
こんな鳴き声など上げたくない。そう心の中で叫びながら、青年は犬の足を模した二の腕までを覆う白い手袋と太ももまでを包むブーツを着せられた手足を休み無く動かし、四つん這いの体勢で山道を麓に向けて進んでいた。
全ては、自力では外せないよう皮膚に直接固定する形で与えられた屈辱の犬飾りから逃れる為、捜査員である自分を捕らえた組織を束ねる男の声をインプットされた命令への絶対服従を強いる非道な機械製の首輪から抜け出す為だ。

「くぅんっ……はぁ、わん、わぅんっ」

下された命令のせいで、青年は立って走ることすらも叶わない。それどころか、青年は人間の言葉を紡ぐことも許されず、丸出しにさせられた恥部を覆い隠すことさえも出来はしない。
そんな屈辱と、悔しさと、羞恥を力に変えながら、青年は一切の休憩を挟まずに手足を前に動かしていく。自分自身を救う為、そして何よりも同じ改造を加えられた者達を残忍な組織の支配から救い出す為に、青年は露出させられた男根と共に白い尾を振り乱しながら、汗に濡れた肉体を捜査員として移動させていく。
だが、気高き決意を胸に脱出を敢行した青年捜査員を待ち受けていたのは、冷酷な機械による待ち伏せだった。逃走を禁じる命令をわざと下さず、千載一遇の機会と判断した青年捜査員を脱出の選択肢へと誘導した無慈悲な男は、部下に命じて青年が通るであろう数カ所の地点にスピーカーを、首輪内部の発信器から飛ばされる信号に連動してあらかじめ取り込んでおいた音声を流すスピーカーを設置してしまっていた。
行動を管理され、言いなりの犬として飼育されているというのに気丈な態度を崩す気配すら見せない青年捜査員に絶望を味わわせ、頑強な心を淫らに砕き屈服を迎えさせる目的で、鬼畜な男は己の声を収めたスピーカーを周到に準備してしまっていたのだ。

『○○、こっちに来なさい』
「わぅっ!? ひゃ、おぉぉっ……!?」

もう二度と聞きたくないと願っていた声が、草むらの中から聞こえてくる。その事実に怯え、拒絶を表情に浮かばせながらも、青年は首輪の効果に逆らえず声の方へと移動させられていく。

『私の声の近くまで来たら、今度はチンチンだ。やってご覧なさい』
「わん、くぅぅんっ……!」

麓に向かいたい。持ち主である青年の思いも虚しく、白い犬の装飾を纏った裸体は草むらに隠されたスピーカーの方を向いた状態で犬の芸のチンチンの格好へと変えさせられてしまった。もはや、青年は何処にも逃げられない。希望を反転させた絶望に打ちひしがれながら、自分を掌握した男の意に沿って心を叩きのめされるしか無い。
続けて与えられた命令をはねのけられない無様な青年は、味方のいない山の中で二度と脱出を試みようとしない従順な犬となるよう、淫猥な苦悶に苛まれながら為す術無く躾け直されるしか無いのだ。

『よし、ちゃんとチンチン出来たね。それじゃあ……お仕置きの始まりだ。本物の私が来るまで、その格好のまま発情し続けてなさい。身じろぎ一つせず、鳴き声も上げず、狂うことも出来ないまま、良い子になれるようエッチになっておくんだよ』

助けてを込めた鳴き声を零すことも封じられ、まるで像のように肉体を固められたまま全身を内側から嬲り倒す首輪由来の発情に蝕まれていく青年捜査員は、心の中で放っていた救助を請う絶叫を疼きを鎮める快楽を請うおねだりの絶叫へと置き換えられながら、尻尾と一体化している尻穴のプラグへとむしゃぶりつき、硬く張り詰めた男根から涙を零すかのように透明な蜜をとめどなく垂れ流し続けていた。
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