男は自らの意思で刑事と人間を捨てる

五月雨時雨

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男は自らの意思で刑事と人間を捨てる

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二の腕を胸部に括り、手首を背中で縛る上半身の縄。足首と太ももを短く繋ぎ、折り畳んだ状態を強制する下半身の縄。それらの縄と地下室の天井に取り付けられたフックを別の縄で結合され、腹を下にして宙吊りにされた男は、衣服の代わりに縄の服を与えられた裸体をじたばたともがかせながら無様にゆらゆらと揺れ動いている。

「んぅーっ! むっ、んぐっ! ふぐぅぅぅぅっ!!」

どんなに力を込めても、縄からは逃れられない。黒い棒状の枷に歯を立てながらくぐもった声で喚いても、助けは訪れない。視界を閉ざす目隠しの下で涙を零しながら試行錯誤を繰り返しても、状況は変わらない。
自由を奪われ、一人きりで置き去りにされた哀れな男。そんな男が悲痛な唸りを発しながら裸体をよじらせ続けて、どれくらいの時間が経った頃だろう。
無駄な足掻きを行う体力さえも失い、流れた汗を吸った縄が生み出す締め付けの痛みさえも分からなくなる程に男が憔悴した頃、ようやく地下室の扉が開いた。それと同時に、十数人分の足音が聞こえ始める。その足音は、縄に吊るされたままぐったりと脱力している男を取り囲んでいく。

「ふぅ、ふぐっ、むぅぅ……っ」

目隠しの向こうにいる男達の存在を音と気配で感じながら、男は隠しきれぬ怯えに身を強ばらせる。分かりやすい恐怖の反応を見せる男を見下ろす男達は残酷な笑みを浮かべながらお互いにうなずき合うと、男の口を塞いでいる棒枷を手早く外し言葉を紡げる状態を作ってやった。

「ぷぁっ……はぁ、あ、ふっ……」

溜まっていた唾液を零しながら、男は数時間ぶりに解放された口で荒い呼吸を行う。そんな男に、男達は意地の悪い口調で話し掛けた。

「刑事さん、ただいま。一人きりでたっぷり発情し続けた気分はどうだい?」
「どこもかしこも、気持ち良くなりたくて仕方なかっただろ? 玩具や、俺達のチ○ポでいたぶられてる時のことを思い出しながら、全身をうずうずさせて苦しんでたんだろ?」
「あ、はっ、くぅんっ……!」

笑い混じりに問いかけながら男達が無抵抗の裸体に手を伸ばし、刑事の耳や脇腹といった箇所をくすぐるように撫でる。それは本来大した物ではない刺激だが、淫欲を限界以上に溜め込まされ疼きに疼かされた刑事の肉体はそんなわずかな刺激にすら快楽を感じ、甘い鳴き声を上げてしまった。
毎日毎日、ほぼ一日中流し込まれていた甘い悦びによって作り変えられた刑事の肉体は、もはや快楽が無い状態に違和感を感じる淫猥極まりない物へと堕とされてしまった。丹念に解され中を掻き回される雌の快楽を教え込まされた尻穴は、たった数時間の放置でこれ以上無い疼きの苦悶に襲われ、窄まった穴をいやらしくヒクヒクと収縮させている。淫具や男達の手で苛まれ欲望のままに迎える射精が生む幸福の虜にされた男根は、刺激を欲して破裂しそうな程に膨張し、全体をビクビクと脈打たせながら緩んだ蛇口のように透明な蜜をとめどなく垂れ流している。
気持ち良く、なりたい。いつものように、尻穴をほじくられながらイき狂わされたい。全身を駆け巡る欲望に内側から叩きのめされ、理性を崩された男はもう、刑事としての誇りなど無い。淫欲に支配され快楽を渇望する男は、自分を拉致した犯罪組織に所属する男達への憎しみを完全に忘れ、心と身体が求める物を何の躊躇いも無く震える口でおねだりした。

「お願い、しましゅぅぅっ……おち○ぽ、くらしゃい……俺の、けひゅま○こ、じゅぼじゅぼして……いっぱい、きもひよくひてぇぇっ……!」

向けた問いに対して全く噛み合っていない、一生懸命で無様なおねだり。これ以上の戯れは不要だと把握させてくる、蕩けきった陥落の言葉。それを目で味わい、耳で堪能した男達は笑みの残忍さを引き上げながらズボンのファスナーを下ろして自らの男根を取り出し、すっかり淫乱となった刑事の望みに応えて男根を突き入れてやった。

「あぁぁんっ! きたぁぁっ! おひんぽ、うれひぃぃ! おひり、気もちっ、きもひぃぃぃっ!!」

だらしなく舌を垂らし、容赦の無い腰振りで全身を揺さぶられながら刑事は幸せ色の嬌声を上げる。そんな刑事の正面に立った男は、目隠しごしでもよく分かる程に緩んでいる表情を愉しみながら頭部を両手で掴むと、淫らに鳴き叫んでいる口に男根をねじ込み、口内への蹂躙を開始した。

「ほーら、大好きなチ○ポでの串刺しだぜ? 嬉しくてしょうがないねぇ、淫乱刑事さん?」
「んぐっ、ぶ、ふぶっ、ぶむぅぅんっ!!」

手加減無しに尻穴と口を掻き回され、その掻き回す男根の動きと連動して跳ねていた自身の男根と尖りきった乳首を責め立てられ、待ち望んだ激しい快楽が味わわせてくる幸福に抗えない裸体を打ち震えさせながら、刑事は夢中で口内の男根を舐めしゃぶり尻穴の男根を腸壁で圧迫しより甘い悦びを与えて貰えるよう男達への熱烈な奉仕を行い、自らの意思で刑事と人間を捨てた色狂いへと、快楽のことのみを考え男根を目にしただけで発情する従順な肉奴隷へと、二度と戻れぬことを承知で堕ちていくのだった。
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