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不完全な絶頂は真の淫獄を引き寄せる

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限界まで張り詰めさせられ、望まぬ絶頂を数えきれぬ程に迎えさせられている保安官の男根が、俺の口の中で滑稽に跳ね回る。丹念に奥深くまで解され異物を拒む手段を忘れさせられた保安官の尻穴が、男の右の人差し指と中指をきつく締め上げながら蠕動し、意に染まぬ雌の至福を為す術無く極めさせられていく。

「んぅぅーっ! んまっ、むぁぁぁーっ!!」

自らを嬲る快楽の波に翻弄されながら、保安官は麻袋をすっぽりと被せられた頭部を苦しげに左右に振りつつ、麻袋の上から噛まされた白布の猿轡越しに絶頂を嫌がるくぐもった悲鳴を上げる。無論、俺はそんな惨め極まりない哀願の鳴き声に耳など貸してやらない。視界を閉ざされ、言葉を封じられ、足首と太ももと足の外側に密着させられた手首を一つに結合する縄によって自由を没収された保安官を欲望のままに弄ぶ俺は無意味な身悶えや助けてを載せた絶叫を口と指で男根と尻穴をいたぶる俺の責めをやめさせようと縛められた足を震えながら弱々しく閉じる動きと合わせて愉しみつつ、俺を愉しませる玩具に堕ちた惨めな保安官を新たな絶頂へと押し上げるだけだ。
もう二度と、俺の邪魔はさせない。それ以前に、俺に逆らうことすらも許さない。そんな意思を込めながら一層激しく口内で男根を刺激し、緩みきった尻穴を指でほじくり回す俺の攻撃に晒されている保安官は、すでに限界の肉体で無駄な忍耐を試みつつ崩壊へと突き落とされ、とうとう執拗に悦楽を注いだ俺が求めていた絶頂に至った。
それは、確かに快楽を極めているのにもどかしさと苦悶に苛まれる絶頂。溜め込んでいた体液を一滴残らず俺に絞り出された男根が何も放出出来ぬまま情けなく脈打つ、解放感を伴わない不完全な射精に狂わされる地獄の絶頂だ。

「あぐっ!? んまっ、もぉぉぉーっ!? うぶっ、もぼぁっ! むぎゅぅぅぅーっ!!」

達しているのに、達せない。男根は必死で体液の放出を行おうと先端を開閉させているのに、保安官は透明な蜜すらも分泌出来ない。
本来あるべき事象が存在しないその絶頂は長く鈍く続く。保安官の男根は俺の口の中で普通の絶頂とは比べ物にならないくらいの長時間に渡って維持される絶頂に喘ぎながら出口を見失った甘い熱を追い出そうと跳ね、尻穴は逃げ場の無い絶頂の奔流を少しでも逃がそうとするかのように俺の指を熱烈に揉み込み、仰向けの裸体は肌を濡らす汗をベッドのシーツへと撒き散らしながら一生懸命に閉じようとしていた足を逆に開いて無意識に腰を上下にガクガクと揺らし何処にも抜け出せない淫猥な熱が体内で暴れ回っている事実を俺に目と耳で確認させてくれた。
その、愉快な痴態を見せ付けた保安官が絶頂の波が収まるにつれて我を失った悶絶を収束させていく光景を堪能しながら、俺は目を残忍に細め男根をくわえた口で醜悪に微笑んだ。
射精が不可能になった今が、本当の淫獄の始まりだ。その情報を思い知らせるように、俺は一時的に停止させていた口と手の動きをより容赦無い物へと引き上げた上で再開させた。当然、縄に拘束された保安官にそれから逃れる術は無い。吐き出す精液を無くした男根とすっかり性器に貶められた尻穴に俺の口と指で淫猥な追い打ちを叩き込まれている保安官は、勝手に脱力していた裸体を絶望と恐怖に満ちた唸りと共に再びよじらせながら、今度は射精という名の休憩地点すらも認められないイき地獄に責め立てられるしか無い。
幾ら鳴き喚こうとも、正義の誇りを捨てて許しを請おうとも、憎い悪である俺の手に堕ちた哀れな保安官はイきっぱなしの状態を強いられながら俺への服従を本能から誓う優秀な肉奴隷へと躾け直されるしか無いのだ。

「あぉぉぉぉーっ!? むっ、ぐぁぁぁっ!! うぶ、ぶあぁ! むー! んみゅぅぅぅぅーっ!!」

頭部をイヤイヤと左右に動かし、塞がれた口で理性が砕け始めた声を発し、甘い拷問からの脱出を欲して手足を縛る縄を軋ませる保安官の悲痛な意思表示を味わうだけ味わって無視しながら、俺は舌を更に巧みに動かして虚しく先端をパクパクさせている男根を舐めしゃぶり、これまであえて弄らずにいた過敏な弱点である前立腺を集中的に抉り、ただイくだけの生物と化した保安官をより短い間隔でイき狂わせ全てを俺好みに作り変えさせていくのだった。
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