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宴への期待を寄せつつ捜査員は淫獄へと置き去りにされる

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自らの身体を抱き締めているかのような状態を腕に強いる白色の拘束服と格闘する気力は、長く続いた責めがもたらした疲弊によって跡形も無く失われてしまった。
左右の足首に嵌められた黒革の枷同士を短い鎖で結合され、不自由な足を用いた歩行で醜悪な笑みを浮かべた男達がありとあらゆる方向から侮蔑と愉悦の視線を飛ばす敵の本拠地という空間を体力が底を尽くまで練り歩かされた男は、手足を縛められた裸体をもがかせることすらも叶わない程の憔悴へと追い込まれてしまった。
しかし、男の地獄は終わらない。嘲りの感情が絶え間無くぶつけられる惨めな散歩からようやく解放された男を待ち受けている物は安堵などでは無い。誇りを捨てた眼差しで許しを請い、荒く乱れた呼吸混じりに休息をねだっている限界の男を待っているのは、更なる無慈悲だけだ。

「ほら、捜査員さん。この特製のベッドに寝転がりなさい」
「素敵な格好にして、散歩の時よりも苦しく無様にしてやるからな?」
「や、やらぁ……! だじゅ、げで……!!」

ほんのわずかな休みすら認めない。そんな思いを示しつつ自分をベッドへと転がした敵である悪の男達に正義の立場を捨てた助けてを放ちながら、捜査員がどうにかして追い打ちの悪意から逃れようと試みる。
無論、その試みは無駄でしかない。むしろ、何の効果も持たない抗いは悪達の興奮を加速させ、辱めの上乗せを施そうとする悪達の手の動きを早めさせていく。
拘束服の表面にあてがわれた金具達と、ベッドの側面に打ち付けられた金具を可能な限りに紡いだ抵抗も虚しく鎖と南京錠で厳重に結合された捜査員はもう、上半身を仰向けでベッドに縫い付けられた状況から抜け出せない。足枷同士を接続していた鎖を外され、救いを求めて暴れ出した足を数の暴力でやすやすと制されながらベッドの頭側の脚に巻き付けられている長い鎖を外したばかりの短い鎖の代わりに南京錠で接続された捜査員はもはや、意に染まぬ散歩の時から無防備にさらけ出されていた男根と尻穴をはしたなく見せ付けているような姿勢から、足を大きく開き股間を天井に向かって突き出す惨めな姿から離れられはしない。
最後の仕上げと言わんばかりに頭部に拘束を付け足された哀れな捜査員は、視界を閉ざす黒革の目隠しと輪状の金具で構成された開口具が黒革のベルトで一体となっている器具を頭部全体をベルトに緩く圧迫される形で装着された無様な捜査員は、口に噛まされた金属の輪に嵌め込まれた透明なチューブを通して流し込まれる残酷な気体に、ベッドの下に存在する床に埋め込まれた装置から送り込まれる強烈な発情を無理矢理に誘発させる薬品混じりの空気に、自力では解消不可能にされた淫猥な衝動を際限無く掻き立てられるしか無いのだ。

「あごぉぉっ!? かっ、かほおぉぉっ!?」

口内に雪崩れ込む異様な味の空気に狼狽させられながら、その空気を呼吸に合わせて体内に取り込むと同時に膨らみ始めた肉体の火照りに恐怖を抱かされながら、捜査員が黒革の下で涙に潤んだ目を剥きつつより切羽詰まった声音で助けを欲する。言葉を封じられた口で間抜けな咆哮を上げ、丸出しの男根の体積を膨らませ尻穴を収縮させながら、捜査員が恥辱に満ちた散歩で疲れ切った肉体を理性ではなく本能で暴れさせつつ、目隠しの向こうにいる相手が敵だということも忘れて懇願を放つ。
もちろん、悪達はそれに応えない。滑稽に悶絶しながら予定通りの発情に向かう捜査員の完成に満足げな頷きを行う悪の男達は、諦め悪く閉じられぬ口で鳴き喚いている男に絶望を覚えさせることを目的とした粘ついた声で、今以上の地獄を宣言しつつ別れを告げていく。

「じゃあ捜査員さん、一人でみっともなく発情しながら良い子に待ってるんだよ?」
「今夜は捜査員さんの捕獲成功を祝うちょっとしたパーティーがあるからな、その時に俺達全員をしっかり愉しませられるようになっておくんだぞ? たっぷり媚薬を吸って、淫乱な馬鹿になりながらな」
「あぉぉっ、も、あおぉ! あぅ、え、へ……っ!」

あっという間にビンと張り詰めた男根を痛々しくに脈動させ、勃起した男根を慰められず大きく身悶えて欲望を散らすことも叶わない事実を誤魔化すかのように尻穴の収縮の勢いを激しくさせながら不明瞭な言葉で自分達に縋り付く捜査員を鑑賞する悪達は、この場に残りたいと願う思いを押し殺して逃げ場を失った淫欲に悶え苦しむ捜査員を残して部屋を去り、今夜の宴への期待を滾らせつつ外部から施錠した部屋の前を離れ仕事へと戻っていくのだった。
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