淫猥なダイヤルは頂点を許すこと無く右へ左へと回される

五月雨時雨

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淫猥なダイヤルは頂点を許すこと無く右へ左へと回される

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「んーっ! むぐっ、ふぐぅぅっ! あっ、あぉ、んむぉぉぉぉっ!!」

口内を喉近くまで貫く男根を模した棒に歯を立てて言葉にならない声を放ちながら暴れても、男は自分を嬲る淫猥な責め苦から逃れられない。
鼻の穴以外を隙間無く黒革で包み両手両足を折り畳んだ状態に固定させる拘束服を与えられた男が言葉を奪う枷ごしに唸り視界を閉ざされた目を悲痛に見開きつつじたばたともがきにもがいても、男は手足に伸ばすことを禁じている黒革の表面と自身が仰向けに転がされた台の上面に存在する金具同士を繋ぐ短い鎖と南京錠を耳障りに鳴らしながら、休み無く襲い来る甘い拷問に為す術無く翻弄させられるしか無い。
見ることをしゃべることを不可能にされ、両手両足の動きを完全に封じられた男はもう、乱れきった鼻息で間抜けな音楽を奏でながらいたぶられるだけの存在だ。全身を取り囲む黒革の拘束と一体化している尻穴の淫具を好き勝手に操作する非道な男の悪意からどう頑張っても離れられない無様な男は、巧みに尻穴への辱めの強弱を調節する男の思惑に沿って絶頂に至りたくても至れない生殺しの地獄を味わわされることのみを選択肢として残された人権など欠片も介在しない醜悪な娯楽でしか無いのだ。

「もっ、うもぉぉっ!! ふっ、ふぐうぅ! っぎゅ……んまぁぁぁぁっ!!」

また絶頂に到達する直前で、尻穴の刺激を弱められた。黒革と繋がっている、表面に無数のイボを携えたバイブの首振りを黒革の外側で尻穴の位置に露出しているダイヤルを嬉々として回す残忍な右手によって、男は何十度目かも分からない絶頂のお預けをもたらされた。

「ふぐっ、むぎゅぅぅっ!! うぅ! むぶぅぅ!!」

イきたい。度重なる至福の没収に理性を削り落とされた男が、自由を取り戻す為ではなく絶頂に辿り着く為の快楽を得る為にガクガクと痙攣する黒革入りの裸体をよじらせ、縛められた手足を拘束に認められた範囲でなりふり構わずに振り乱す。
尻穴で悦びを得る身体に躾けられた事実に誇りを痛め付けられながらも憎しみを込めた視線と言葉を浴びせていた際の様子を全く伺わせぬ悶絶を披露しながら、終わりの見えない寸止めの地獄に跡形も無く打ちのめされた男は本能を剥き出しにした意味を成さぬ咆哮で射精を魂の奥底から渇望する。
しかし、尻穴を絶え間無くほじくるバイブの駆動を黒く歪んだ満面の笑みで弄る無慈悲な男は崩壊の接近を感じさせる哀願を見聞きしても一切それを汲み取らない。右の親指と人差し指で持ったダイヤルをまるでコンロの火加減を制御するかのように右へ左へと回している男は、拘束を形作る黒革の内側で限界まで張り詰めた滑稽な男根の脈動を全身の悶えと合わせて堪能しつつ、次の寸止めを何の迷いも見せずに抗えぬ男へと強要していく。

「もごっ、ぶぐっ、ふぶぅぅっ!! あー! あぉっ、はむぉぉぉぉっ!!」

屈服を露わにした駆け引きを向けても無視される。反抗心を逆転させた陥落を黒革に閉じ込められた姿で一生懸命に示しても責めは緩みすらしない。そんな状況に追い詰められた男は、助けての叫びを無駄に発することさえもじょじょに諦めながら、自分を黒革に詰めた男の右手一つで精神と肉体の両方を淫蕩に擦り減らされつつ、再び弱まった尻穴の蹂躙に対する絶望の悲鳴を部屋中にみっともなく反響させていくのだった。
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